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2008年6月

2008年6月30日 (月)

■雑談:2008年6月に読んだ本

■2008年6月に読んだ本(6冊)

6.09 ★★★☆☆*83 「ハミザベス」 栗田有起
6.15 ★★☆☆☆*77 「人質カノン」 宮部みゆき
6.17 ★★★★☆*86 「風の影 上」 カルロス・ルイス・サフォン
6.24 ★★★☆☆*86 「花の下にて春死なむ」 北森鴻
6.26 ★★☆☆☆*68 「ラン」 森絵都
6.29 ★★★☆☆*85 「ロック母」 角田光代

まったく、散々な読書月間でした。
本たちに申し訳ないことをしました……。反省です。

7月~8月は夏休みなので、目指せ50冊と言うことで。
本日(7/1)より頑張りたいと思います。

■読みかけの本たち
「風の影 下」 カルロス・ルイス・サフォン著
「花が咲く頃いた君と」 豊島みほ著
「マリオネット園《あかずの扉》研究会首吊塔へ」 霧舎巧著

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2008年6月29日 (日)

「ロック母」 角田光代

ロック母 ロック母

著者:角田 光代
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する


この本は全ての短編を読んでこそ意味がある。
それ一つずつでは伝わらない何かが、この本には棲んでいるのだ。
デビュー当時から、先日の角田さんまで…紆余曲折をしながら、
今に至る経緯が、強烈に伝わってくるのだった。

『ロック母』
あんなに嫌悪していた島を抜け出して余年……
突き出した腹を抱え、私は再びその地を踏みしめた。
父親になるはずの男には、早々に堕胎を勧められ、
けれど私はそうしないままだらりとするうち、ここにやって来ていた。
久しぶりに会う母に、この状況をどう説明しようか。
悩みながらの再会で、私は母の異変に気づいた。
引き篭もっている――父がそう説明したのとは異なり、
ロックバンドの音楽を防護壁のように大音量に鳴らし続ける母がいた。

始めに言っておくと、どの小説も月並みだと思う。
勿論月並みと言うのは、角田作品の中で、という意味だけど、
どの話もどこかで読んだことのあるようで、
失礼ながら言わせて貰うと突き抜けた良作はないと思う。
けれど、書かれた年代の違うそれぞれの物語が、
一つの本として纏められたとき、こんなにも「差」というか、
「異」を見られるものなのだ、というところに驚きを覚えた。
私も結構な量の角田さんの本を読んできたけれど、
こんなにも変化を感じた本は初めてだった。
と、まぁあとがきでもご本人が「初めてこんなに年代が違う話を
一緒に収録した」と言っているので、当たり前なのだが。
そう言った意味で、この本はとても角田光代という人の遍歴を
知る上でよいと思う。ただし、内容に期待はしてはいけないけれど。
今回の本は多分未収録作品を片っ端から詰め込んだ?
と思われるため、コンセプトが統一されていなくて、
放火の話であったりとか、孤島でさらに殻に閉じこもってしまった
母の話であったりとか、色々なバリエーションを楽しめる。
あとがきには賞を受賞したときの話も載っており
(というかあとがきが一番楽しいのだが…)
なるほどこのような作品がね、と頷くことができる。

★★★☆☆*85

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2008年6月26日 (木)

「ラン」 森絵都

ラン ラン

著者:森 絵都
販売元:理論社
Amazon.co.jpで詳細を確認する


こんなこと書いたら、ファンに叩かれそう……とか思いつつ。
読むんじゃなかった、と相当後悔した本でした。
序盤非常に読みやすく、さすが森さんだわ、と思っていたのに、
この物語はちょっとまずかろうよ、と思ってしまったのでした。

両親と弟を事故で亡くした環は天涯孤独の人生を送っていた。
人は皆、環の境遇を知ると、同情したり哀れんだりして、
態度をころりと変える。その上、悲しみをひけらかすなんて、
と文句を言う者までいるのだった。そのため、
元々控えめな環は、よりいっそう内向的な性格になってしまっていた。
心の支えだった、自転車屋の紺野さんも引っ越してしまい、
残されたのは紺野さんのくれた、ロードバイクだけだった。
環はそれに跨り、気分を変えようと走り始めた。すると自転車は、
するすると勝手に走り出し、物凄いスピードである場所を目指し始めた。
死者の待つところ……両親と弟のいる場所へ。

何だ、この本……。前半で嫌な予感はしていたものの、
終わってみると、更に追い討ちをかけるように脱力感が過ぎった。
この本はあの名作『カラフル』同じく、死者を取り扱った本である。
『カラフル』では自殺をして、魂になってしまった主人公が、
記憶を取り戻すために、人生をやり直す。
あの感動は、いつ読んでも心にしみるのだが、
この本を読んでしまうと、森さんの思いの空回りに白けて、
『カラフル』の感動まで薄れてしまうようで嫌であると、始めに言う。
『ラン』という、いかにも「走る」ということを描いているようで、
まったく心は違うとことにあり、ぜんぜん描けていないところが問題。
「死者に会いに行くために走る」そんな邪念を抱いたランナーなどに
悪いけど『ラン』などと言って欲しくないと、私は思う。
勿論、走り始める理由は自由だ。死者に会いに行くために走り始めても、
例えば賞金稼ぎのために走ったのだとしても、
もしくは誰かに無理やり走らされたのだとしても、それは自由なのだ。
けれども、そこで終わってしまってはこの本と同様、
「あぁそうですか」で終わってしまうことになる。
理由は何であれ、その登場人物が「走る」ということの楽しさや、
生きがい、ストレス解消、自分を見つめる、など、
「何かしらを得ること」に意義や目的があるだろう。
それをすっ飛ばしたこの話は、ただの天国再開物語で終わっていて、
非常に残念な感じになってる。伝えたいことは分かる。
でも、それを押し出しすぎて、「走る」という重要性を見落として
しまっては、元も子も……。次回に期待しましょう。

★★☆☆☆*68

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2008年6月24日 (火)

「花の下にて春死なむ」 北森鴻

花の下にて春死なむ (講談社文庫) 花の下にて春死なむ (講談社文庫)

著者:北森 鴻
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する


いつも行きつけている本屋さんに並んでいたので、買ってみた本。
その本屋は私と相性がいいので、そこでお薦めされていると、
大抵の本は満足して読み終わる。しかしこの本はデビュー作を
買ってしまったからか、なんだか微妙だったようにも。

「花の下にて春死なむ」
ある日無名の俳人が孤独死をとげた。
その窓辺には桜の花と、俳句の綴られたノートが一冊。
偶然にもそれを手にした飯島七緒は、
いつものように行きつけのバー「香菜里屋」へと向かった。
孤独死……それだけで疑惑と虚しさが過ぎる。
そんな思いばかりを考えていた七緒だったが「香菜里屋」のマスター
である工藤との話で、段々と俳人の死を解き明かしてゆく。

この本は途中でも書かれているけれど、
事実のない単なる言葉遊びである。死人となった喋らぬ人間や、
会ったことさえない人間のことを、実はあぁだったのだろう、
あの人はこう言っていたから、などと不確かな情報から、
だんだんにある一定の方向へと結論付けてゆく話だ。
その頼りになっているのが、「香菜里屋」というバーのマスター
工藤であるのだが、その結論付けがかなり独断が占めているように思え
私的にどうにも納得がいかない、これでいいのか?という話が多かった。
もしもそこに事実が存在して(作者の中では存在しているのかも
しれないが)そこに結論付けるならまだしも、
「とは言ってみたものの、事実は誰にも分かりません」みたいな
終わり方をするので、読み終わったあとの脱力感がなんともいえない。
それと、私があまりバーに行かないというのもあるのが、
工藤の人物像がさっぱり描けない。連続短編なので、
最後まで行けば全体像が見えるか知らん、と思ったのに、
結局どのへんが魅力なのだろうと、悩んだまま読み終わってしまった。
きっと北森さんはミステリのほうがいいな、と思いつつ。
推理についての読者の引き込みはピカ一である。
まぁ、事実と結論があってこその、という意見を含ませておきますが。
他の本も後で読んでみようと思います。

★★★☆☆*86

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2008年6月22日 (日)

6/22つばき@高円寺CLUB LINER ワンライブ『3×3』

A20080622

6/22つばき@高円寺CLUB LINER ワンマンライブ『3×3』

■セットリスト

 ループ
 青
 めまい
 スタイル
 亡霊ダンス
 さよなら、嘘つきな二人
 茜色
 タブレット
 気まぐれ
 世界の終わりと僕の歌
 君がいなければ
 悲しみの中からはじめよう
 ブラウンシュガーヘア
 もうすぐ
 妄想列車
 真夜中3時の商店街
 バタフライ
 覚めた生活
 光
END
 今日も明日も

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2008年6月17日 (火)

「風の影 上」 カルロス・ルイス・サフォン

風の影〈上〉 (集英社文庫) 風の影〈上〉 (集英社文庫)

著者:カルロス・ルイス サフォン
販売元:集英社
Amazon.co.jpで詳細を確認する


久しぶりに海外本を読んでみたりして。何だか最近面白い本に
巡り合えないので、海の向こうに手を伸ばしてみることにしました。
面白いことは面白いんだけどなぁ、けれどもどうも楽しめない。
この本、貫井さんの『追憶のかけら』と傾向が似てます。

父が古本屋を営むダニエルは、幼い頃不思議な場所に案内された。
もう人に読まれることのなくなった本ばかりが集められた、
俗に「本の墓場」と呼ばれるところだった。
そこで父はどれでも一冊好きな本を選んでいいという。
そして、それを選んだら、その本が決して失われぬよう、
全力を尽くして守り抜くことを約束したのだった。
全く無名の作家フリアン・カラックスの手に取ったダニエルだったが、
その本は稀に見る希少価値の高い本だった。正体不明の男が、
見つけるたびに燃やし抹消してしまうと言う謎の本…。
一体どんな真実が隠されているのか、ダニエルは探求を始める。

前半はとても楽しくない。主人公が十歳のところから始まるのだが、
かなり思考が大人びすぎていて「おいおい」と思う。
ダニエルが手に取った、という問題の『風の影』と言う本についても、
内容は不倫の本である。本当の父親は別にいるんだ、
という何ともドロドロとした内容なのに、十歳の少年が、
引き込まれて本の虜になった、とか書いてあるので、
思わずつっこみを入れたくなるのが本音であった。
内容の中に、時間経過が上手く描かれていないので、
読者の気づかぬうち主人公はいつのまにか十四歳になっているのだが、
このあたりからは、少しずつ「ミステリ」と言う分野で面白みを感じる。
しかし、ここでも問題なのは、女性関係である。
一生をかけて守らなければならない本を、「君にプレゼントするよ」
と彼女でもない女にかなり安易な気持ちで上げてしまう、ダニエル。
で、かなり危機一髪な瞬間を味わうのに、ちっとも反省しやしない。
クララはそんなに純粋清楚な女じゃなかったって事だよ、
それに気づいて自分を戒めるくらいしろよ、と言いたいところである。
この本の一番の魅力は、比喩である。大変素晴らしい比喩が、
惜しげもなくふんだんに使われていて、とても想像力が働く。
願わくば、前半の臭すぎる比喩に作者が気づいてくれれば、
もっと良いのではと思うんですけどねぇと、またボソリと言っておく。
下巻も読もう。けれども、それほど読む気になれないのは辛いもので。

★★★★☆*86

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2008年6月15日 (日)

「人質カノン」 宮部みゆき

人質カノン (文春文庫) 人質カノン (文春文庫)

著者:宮部 みゆき
販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する


図書館でレンタル落ちした本を沢山貰ってきたのですが、
この本はその中の一つ。出来たら『模倣犯』でももう一度
読みたかったので欲しかったのですが、なかったんですよねぇ。
宮部さんの本は他にも四冊ほど貰いました。この本はでも……。

『人質カノン』
逸子はふらりと立ち寄ったいつものコンビニエンスストアで、
強盗と遭遇した。覆面を被り、片手に拳銃を持ったその犯人は、
逸子たちを拘束した。アルバイトの店員に、小学生の男の子に、
酔っ払いのサラリーマン、それから逸子。
促されるがままになる四人だったが、犯人が店を施錠し始めたとき、
彼が玩具を床に落としたところを目撃したのだった。
赤ん坊をあやすときに使うような、ガラガラと音が鳴る道具……。
それは落ちたのではなく、わざと落としたように見えた。
一体何のためにそんな事をしたのか、逸子は事件後に考え始める。

まぁ、あまり期待はしていなかったのだけど…、と前置きしておく。
個人的に、ではありますが、宮部さんは長編や連続短編の方が、
面白い気がする。短い所に凝縮するって言うよりも、
いかにたくみに現実や事件経過を描くことに長けているような
気がするのだ。というわけで、この本はそんなに面白くなかった。
もしかしたら、もう少し前に読んでいたら、なるほど、と思った
のかもしれないのだけど、以前に読んだ『返事はいらない』みたいな、
ちょっと古臭い感じのする話が多かった、と言うのが一つ。
それを一番に感じたのは表題作『人質カノン』である。
強盗に遭遇した女の話であり、事件後になぜ犯人をすぐに特定
出来なかったのか、という疑問と向き合う話である。
結局のところ、コンビニという空間は、スーパーなどとは違い、
極力他人同士の接触を避けるような、排他的なところである、
と纏めている。近代化につれ、機械的な店が増えることは、
こういった強盗などにつけいれられやすく、
また人々の協力がないとか、人を認識するという行動をしないから
解決が遅れることになるだろう、それは残念なことだ、と言っている。
言いたいことはとても分かるし、納得もするのだが、
もう少し突っ込んだ話にしてほしかったなぁ、とか、
更なる事件性があったらなぁ、とか、ないものをねだりたくなる、
少し物寂しい感じの話が多かった。
私は『本所深川ふしぎ草紙』の続編が読みたいのだけど…でないかなぁ。

★★☆☆☆*77

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2008年6月13日 (金)

6/13つばき@長野LIVE HOUSE J

A20080613

6/13つばき@長野LIVE HOUSE J

■セットリスト

 ブラウンシュガーヘア
 亡霊ダンス
 サヨナラ
 タブレット
 覚めた生活
 君がいなければ

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2008年6月 9日 (月)

「ハミザベス」 栗田有起

ハミザベス ハミザベス

著者:栗田 有起
販売元:集英社
Amazon.co.jpで詳細を確認する


どうも、最近読書を放棄気味です。
いや、癖で常に本は持っているのですが、イマイチ読む気にならず、
かと言って何するでもないのですが、あえて言うなら寝てみたり。
うーん、読書復活しないとなぁ…面白い本ないかなぁ。

「ハミザベス」
幼い頃母に父は死んだと聞かされていた。
しかし、今頃になってその死んだはずの父が死んだと、訃報が届いた。
それと同時に彼が残した、梅子とまちるへの遺産が発覚し、
その処理を行うため、まちるは女と会うことになった。
手タレをしていたと言う、少し変わった女・あかつき。
ひょんなことからまちるは父の遺産である三十三階のマンションと、
あかつきから譲り受けたハムスターとの生活を始めることになった。

恐ろしく会話だらけの本である。
それを少しも躓くことなく読めるのだから、きっと会話を書くというか、
作者は会話から汲み取る力に長けているのだろう。
最近タイトルが良く分からない本が多いけど、
これもそんな本の一つだと思って読み始めた。
「ハミザベス」なんのこっちゃ分からない。
読んでゆくと、それは主人公がつけるハムスターの名前だとわかる
のだが、これと言って重要なものでもないので(ハムスターが)、
少しずれているようにも見える。しかし言いたかったのは、
多分その「ハミザベス」という名前をつける、という行為かなと思う。
話の始めの方で、あかつきは名前をつけるだけ無駄だ、
と言うようなことを行っているのだ。つけるのも無駄なものを
知っていながらつけるという行為は、やはり伝えたい何かだろう。
そしてこの本の一番いいところは、辛いはずの現実を、
何となくかろやかに書いてくれているところである。
むしろ会話だらけなので、その登場人物の気持ちの詳細、
なんてものがほぼ書かれていないので、読者に自分で考えて下さい、
と投げ打っているような感じがする。弾むように続く会話…
そこには一体どんな気持ちが隠れているのか?
考えながら、感じなあら読むのも悪くはないかな、と思った。
まぁインパクトにはかなり欠けるのだけれど。

★★★☆☆*83

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