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2008年5月30日 (金)

「映画編」 金城一紀

映画篇 映画篇

著者:金城 一紀
販売元:集英社
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すみません、最近更新がままならない……。
読書も若干サボり気味です。読みたい本はたくさんあるのだが。
この本は予約してようやく読んだのだけど、
何だか期待していたのとちょっと違って…いや、よかったけどね。

「太陽がいっぱい」
在日朝鮮人である僕は、昔民族学校に通う中で龍一とであった。
生真面目でいつも教室の隅にいるような僕と、
中心で賑やかに騒ぐ龍一には、接点などなかったが、
あるときから、映画に夢中になり意気投合した。
家族に欠陥を抱え、常に虐げられている僕たちにとって、
アクション映画の主人公はいつもヒーローだった。
二人は、気に入らない結末を書き換えてしまうのが好きで、
だから僕はこうして物語を書く仕事に就いた。
そして大人になった僕は、龍一の結末を物語のように書き換えるのだ。

金城さんシナリオ本しか読んだ事がなかったので、小説は初めてでした。
結果、読みやすい。読みやすいのだが、残念ながら
私の好きな文章ではなかった、と自分の趣味と比べてみたりして。
申し訳ない。物語もとても納得できるし、楽しめるものなのだが、
何となく共感しがたい、というかそんな気持ちになる工程が、
複雑で気持ちが追いつかない、というか、そんな感じがした。
特に印象に残っているのが、「太陽がいっぱい」である。
金城さん自身も在日朝鮮人(韓国?)であることから、
ストーリーはとてもリアルで、ラストはとても切なかった。
そうか、韓国の文化を自然に覚えている人間が、
日本に立つと、こんな気持ちになるのか、
と今まで想像でしかなかった感覚を知ることが出来る。
あと、映画の本数には驚いた。きっとこの小説に出てくる、
映画を金城さんは全部観ているんだろうなぁと思うと、
凄い、という一言に尽きる。そこから得られる何かについても、
やはり凄いな、と羨ましいという思いがしたのだった。
けれども、物語については、私にとって何だかちょっと……
と思ってしまうものが多くて、というか、むしろ映画で
自分の人生が上向きになっちゃうよ、みたいな
ポジティブな感情がないからかもしれないのだが。

★★★★☆*86

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