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2008年4月14日 (月)

「イニシエーション・ラブ」 乾くるみ

イニシエーション・ラブ (文春文庫 い 66-1) イニシエーション・ラブ (文春文庫 い 66-1)

著者:乾 くるみ
販売元:文藝春秋
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自分、凄い。と思った本でした。いきなり何ですか、って感じですが、
私は始めから騙されませんでした。はい。
何だよ、私の思った通りじゃないかと思い、読み終わってかなり凹みました。
ミステリ慣れしすぎているからか…。

さえない僕は、友人の誘いによって、
人生初めての合コンに参加することになった。
男四人女四人、その中で僕は一人好みの女の子を見つけてしまう。
初めは合コンに参加する女なんて…と毛嫌いしていたものの、
実際彼女と二人きりで話すうち、それは恋愛感情に変わっていた。
彼女が他の男と話しているとイライラする。
他のメンバーには内緒で、そんな刺激を受けるうち、
二人の愛は燃え上がっていった。僕も彼女も交際が初めて同士。
何もかもが順風満帆に進んでゆく、しかし…

悪いけど、私は引っかからなかった。本当に。
この感想を読むとネタバレになりますから、まだ読んでない方は、
早々に切り上げて、実際に読んでみることをお薦めします。
私が最初に気付いたのはマユ(彼女)が「タックって知ってる?」と言った時。
その時点で、何か伏線っぽくね…? と疑い始め、数ページ後に
「たっくんにしよう」と言った時点で、「あぁやっぱり」と思いました。
ここの時点で、「きっとこのマユは夕樹を誰かの影にしようとしている」
と分かってしまったため、「side-B」が始まった時には、
きっとこの「僕」は「side-A」の「僕」ではない、
と気付いてしまいました。とても残念でした。
読んでゆくうち、Bの僕はパチンコが趣味で本好きではないと分かるし、
何より「アインシュタイン」で何も反応を示さない。
その時点でこれは「僕」が同一人物ではないと確証を得ました。
そうやって前半から疑いをもって読んだものだから、
全然わくわくすることもなく、裏切られもせず、
やっぱりそうなりましたか、と思っているうち、
「解説」になってしまいました。
一つ、この小説の全貌を考えつつ、これはちょっとと思ったのは、
「side-A」と「side-B」に出てくる繭子が、どうも同一人物に見えない、
という致命的な部分でした。Aの方は結構クールビューティな雰囲気ですが、
Bの方は何だかベタベタ甘々系の女に見えました。私だけか…?
まぁAもBもそれぞれ違う男からの視点ですから、
少し違ったくらいの方が、それらしいのかもしれないですけどね。
まぁ、うん最後まで気付かずに読んだ方が、絶対楽しめます。
気付かないで読めたら、もっと面白かっただろうなと悔しがりつつ、
けれど途中で分かってしまうのは、ヒントが多いから、
のような気がしてなりませぬ。
そう言えば乾さん男性なんですよ、知ってました?
文章はとても好きなんですが、これ以上くどい感じにされると、
私はきっと読む気を失くすと思いました。文章的には丁度よかった。
何たって、ごてごての恋愛小説なのに、私が一日で読めたのですから。

★★★☆☆*79

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