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2008年4月24日 (木)

「三面記事小説」 角田光代

三面記事小説 三面記事小説

著者:角田 光代
販売元:文芸春秋
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なんか、どれも同じですよね。とか思ってしまった本でした。
角田さんには珍しい、最近のものの中では久々につまらんなぁ、
という感情を抱きながら読んでしまいました。
これは「福袋」から時間を空けて読むべきでした、本当。

「愛の巣」
見合いで結婚した姉夫婦は、あまり上手くいっていないようだった。
毎月毎月、夫の浮気を不安がる電話を寄越してくる。
適度な恋愛をし、結婚した房枝にとって、
それは何だか可愛そうに思え、また少しの優越感を抱いていた。
しかし姉はあるときから変わってしまった。
毎月かかってきていた電話が、二ヶ月たっても来ない。
さすがに心配になった房枝が、姉夫婦の家を尋ねてみると、
そこにあったのは、城壁とも言うべき鉄線が張り巡らされていた。
異様に変貌した家、けれど姉夫婦は以前より親しげに見える理由は…。

先日「福袋」を読んだばかりだったので、
最初にこの「愛の巣」を読んだ時点で、あぁまた同じですか、
と思ってしまった。角田さんの書く女性は、二割ぐらいの確率で、
不妊について悩んでおり、三割くらいが離婚の話を持ち出す。
いや、別に分からなくないし、実際専業主婦をしている人間なんて、
きっとそんな事を考えるしか、話題はないのだろう。
けれども、しかし主人公の女性が全員同じ人に見えるのは、
気を抜いている証拠のなのではなかろうか…とか思えてくる。
それはさて置き。この本はというと、実際にあった「三面記事」の
事実を角田さんが脚色し物語りを作ると言う話である。
とても個人的なところではあるが、私はとてもそれが好きになれない。
例えば、同じような事件だとしても、章扉にある、
そこ(三面記事)も角田さんが書いて欲しかったと思う。
おまけに角田さんはミステリ?みたいな事件的な、
人物の感情を書いてくれないので、事実と小説の融合が出来ていない。
いや、むしろそのちぐはぐな感じがいいのだ、醍醐味なのだ、
と言われてしまえばそれまでなのだが、
この本に出てくる主人公は、同じような感情の起伏の持ち主で、
「殺したい」とか「悪いことをしよう」と考えるキレ方が一緒で、
大変面白くない。まぁどれも同じ人に見えるのだからね…。
うーん…すでにラストが決まっているって言うのが、
角田さんの作風に合わないのだろうか、とか、
思ってみたりなんかもしたりして。今回は共感できない部分も、
何だか多かった気がする。毒物を入れてしまう少女の感情も
なんだか「?」という感じがしたし、そもそも「何かされた」という
何かが描かれていないので、伏せすぎ感がある。
嫌がらせサイトも「?」男側がとても中途半端に終わってしまって、
往復の旅費は?みたいな。その彼女の魅力もよく分からんし。
全体的に、「現実」のはずの「三面記事」が、
ぜんぜん「現実味のない話」になっていた、というのが感想です。
それを狙ったのか…?それならそれは成功していると思います。
でも、私の好みではなかったため…すみません角田さん。

★★☆☆☆*79

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コメント

 「つき指の読書日記」は下記の方へ移設しました。今後ともよろしくお願い申し上げます。

   http://plaza.rakuten.co.jp/tukiyubi1

投稿: つき指 | 2008年4月26日 (土) 22:27

>つき指さん

いらっしゃませ。
お知らせどうもありがとうございます。
こちらこそよろしくお願いします^^*

投稿: るい | 2008年4月28日 (月) 10:47

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