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2008年3月 4日 (火)

【映画】Sweet Rain 死神の精度

08030601
なんとまぁ、試写会があたったので観てきました。
去年も「サウスバウンド」が当たったし、応募すれば、
意外に当たるものですね。願わくば、今度は舞台挨拶付きの
試写会を当ててみたいなぁと、贅沢に思ってみたり。

不慮の事故で命を失うものについて、その人の人生が、
死に値するものかどうかを判断する。それが死神の仕事だ。
死神はその人間に対し、感情や感慨はまったくといって持たない。
だから大抵の場合は「実行」、すなわち死を決行する判断を下す。
死神・千葉の今回の判定対象者は27歳・OL。
電気会社のクレーム対応係である彼女は、地味で冴えない。
親族に先立たれ、愛する恋人さえも失った。
それに会社では、あるクレーマーから必用につきまとわれている。
「自分は死んだ方がいい」彼女は自分の死を常に考えてきた。
「今回も実行か?」相棒が千葉に囁いた。「まあな」

「死神」という未知のものになりきることにおいて、
金城さんはかなりいい線を突いていた。
雰囲気が無国籍な感じで、捉えどころのない
死神のタイプとして、いい人選だったように思う。
しかし、その人選において、一つ問題だったように感じたのは、
小西さんと富司さんの雰囲気が全然違うことだった。
二人は同一人物を演じたわけだが、例え五十年余りの時を越えても、
そうそう、しゃべり方が変わったりしないだろう。
小西さんは小西さんでクレーム対応係の陰気な女性を好演していたし、
富司さんは美容院を営む活発な老婆を好演していた。
それぞれの演技に文句はないのだが、二人のイメージ?
と言うか、人間のタイプ?というか、どこか根本的なところが違って、
おまけに演技をどちらかに似せているわけではないから、最後
「二人は同一人物だったんですよ」という原作的な感動が薄かった。
せっかく三つの物語りは一つになり、
実は人生と言うものはこうして成り立っている……
となるところなのに、そのおかげで全体が中途半端にバラバラだった。
それと、原作にはなかった、「犬」が登場するのだけど、
これはまぁ、「説明」としてナレーションを入れるよりは、
全然よかった気がする。しゃべらないと言うのも、
確かにイメージを壊さないと言う点でよかったと思う。
最後に一つ、個人的に気にかかったのは、
「君は、死ぬことについてどう思う?」と金城さんが聞くときの事。
金城さんは、ちょっと改まった感じで、対象者に問いかける。
その微妙な間、というか雰囲気が好きではなかった。
死神は人が死ぬことについてどうも思わない。
だから、もっと軽々しいというか、さり気なくというか、
あるいは失礼なくらい軽率に、聞いた方がよかったのではないか
とちょっと思ったりした。金城さんのこの問い方だと、
重々しすぎて、人間を気遣っているようにも見えなくもない。
陽気で、しかし感情のない死神を演じるのは、
やはり難しいでしょうね。まぁこの役の金城さんは好きでしたが。

★★★☆☆*80

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コメント

はじめまして!kobaです。
↑あえてふりだしに戻ってみました。
…すみません、ご無沙汰してます。

死神の精度、2、3日前に読みました。
面白かったです。
春っぽい人が出てきた時に思わずおぉってなりました。
うまいですね。びっくりするしかないです。

もう流行ってないインフルエンザに蝕まれていたとき、よい暇つぶしになってくれました。
次インフルエンザになった時に長編にも挑戦したいと思います。
るいさんもインフルエンザに気をつけてくださいね。
ではまた☆

投稿: koba | 2008年3月19日 (水) 16:50

>kobaちゃん

初めまして!
コメントどうもありがとうございます!!

はい、私も振り出してみました。

元気でしたか?って聞きたいところですが、
元気じゃないみたいですね、インフルさんでしたか…
ご愁傷様です。
かわいそうに…今頃。笑
お大事に。

この映画は原作の方がいいですわ。
まぁ嫌いじゃないのだけれどもね。
小説は色んな繋がりが面白いよねぇ、さすが伊坂さん。
是非またインフルさんにかかって、
伊坂さんの長編を読んでください。
あれ?インフル推薦?
まぁ花粉症推薦でもいいのだが。

そう言えば、焼肉部隊は就活でお預けなんでしょうかね。
みんな忙しそうだもんねぇ。

あ、今日栃木に帰ります。
見かけたらよろしく。

投稿: るい | 2008年3月19日 (水) 17:09

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