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2008年3月 9日 (日)

【映画】接吻

20080309c
小池栄子すごい、の一言に尽きる映画でした。
彼女を好きな方、是非観たほうがいいです。私は嫌いじゃないかも…
くらいで観たのですが、ぐいぐい引き込まれました。
演技が上手すぎて、気持ち悪いほど狂った彼女を是非ご堪能下さい。

会社勤めをしていたが、いつも、同僚のパシリをさせられた。
用事があるからと言って仕事を全て押し付けられ、
挙句、見えないところでは陰口を叩かれ笑われる。
けれど、そんな事は日常茶飯事だ。何も会社ばかりではない。
それまでだってずっとそんな扱いを受け、
そして独りぼっちだったではないか、と京子は思った。
そんな時、京子は一人の男に出会った。
無差別に一家三人を殴り殺した凶悪な殺人犯。
ブラン管ごしに見た彼の笑顔に、京子は胸を打たれ気が狂うほど虜になった。

「私と結婚してください」
小池栄子こと、遠藤京子が言った時、全身を鳥肌が駆け抜けた。
気持ち悪い、と思った。
この話は、凶悪な殺人犯に惹かれる女を描いていて、
彼女は、それまでに新聞記事をスクラップしたり、裁判を傍聴したり、
手紙を書いてみたり、差し入れをしたり、と数々の所業を行うのだが、
変な言い方をすれば、どれもまだ「ファン」として許される範囲内だった。
しかし、この一言だけは、決定的に違った。
数々続けてきた行為のお陰で、徐々に徐々に狂い始めた針が、
一気に振り切れた瞬間であった。
「私と結婚してください」そう言った後の、
小池栄子の何とも言えない不気味な笑顔を、是非見落とさないでほしい。
その変化に気づいてしまった人は、この笑顔から、
ハッピーバースデーを歌うまでの彼女の行動に、きっと目が離せなくなる。
一つ気になったのは、人に多くを語らせたところの効果が、
ちょっとくどかったように思える点。
小池栄子と仲村トオルが二人でしゃべるシーンは正直少し邪魔だった。
あんなにしゃべらせなくても、きっと小池栄子の演技で、
もっと上手い事もっていけたはずなんだけど、と個人的には思った。
それにしても、この話は、一体何を言いたかったのか。
それについては、観た人にしか分からない感想があると思う。
と言うのも、私は人それぞれ違うのではないかと思うからだ。
狂人は狂人を呼ぶ。そして、その狂人を生み出すのは歪んだ現代であり、
防ぎようもない事実である、と私は考えた。
愛はそれを防げるのか…結果はNOである。
果たして「接吻」というタイトルが、的を得ているのかは分からないが、
きっと愛は敵わない、と囁くには丁度よいとも感じた。

★★★★☆*88

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コメント

この映画、何気に気になってたんだよね。
でも小池栄子かよ~とか思って、敬遠してたんだけど。
そんなに凄い演技なんだ?

気になるな。
少なくとも東京少女よりは見がいがありそう(笑)?

投稿: すきま風 | 2008年3月13日 (木) 22:00

>すーちゃん

ごめん、遅くなってしまった;;

この映画めっちゃ暗いよ。笑
死ぬほど破滅的だし。

でも、なんか引き込まれるっていうか、
とりあえず小池栄子気持ち悪い、みたいな。笑

私は断然「東京少女」よりいいと思うけど。
オタク受けは「東京少女」じゃないかな?
内容をあまり知らないのだが…見た目からしてつまらなそ…(禁句)

暇な日あったら誘ってくださいまし。

投稿: るい | 2008年3月17日 (月) 14:41

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