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2008年3月 3日 (月)

「太陽の塔」 森見登美彦

太陽の塔 (新潮文庫) 太陽の塔 (新潮文庫)

著者:森見 登美彦
販売元:新潮社
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あぁ、何で私は森見さんを好きになれないんでしょう…
何てゆうか、「肌に合わない化粧品を使うのをやめましょう」
という感じです。いや、うん、才能は認めますし、
持て囃される要素もわからなくもないけど、私には合わない。

彼女に振られた私は、だから「水尾研究」と題し、
彼女をストーキングすることにした。何、心配することはない、
何と言っても「研究」なのだから、決してストーカーではないのだ。
その頃、京都の町は、キリスト教のクリスマスイルミネーションに、
侵食され始めていた。いかがわしい。
こんな風習は女のいない男を侮辱しているだけではないか。
こうなったらクリスマス討伐を徴集し、打倒するしかない。
私は愛車の「マナミ号」に跨り、今日も京都の街中を駆け抜ける。

第一に私は話しに引き込まれない。とても残念である。
そもそもの原因は、この話が一人称「私」で
書かれていることに始まると思う。
勿論「私」は男だが、私にはそれが森見さん自身のような気がして、
どうにも好意的に読むことが出来ないのだ。
何せ、主人公はいつも京大生、落ちこぼれ、女なし。
まるで自分の身辺に起きたことに、ちょっとユーモアを加え、
書いているのではないか、と思えてしまい、
いつも同じ主人公(森見さん)のように思えてくる。
「メロス」だってそうだったし「夜は短し」もそうだった。
そしてもう一つ森見作品の問題として、
一般的に挙がっているのが、学歴の問題である。
私は別に京大に入りたかったわけでは毛頭ないのだが、
ここまで卑屈に語られると、「入れなかった人間の身になれ」
と言っている読者の気持ちもわからなくもない。
だって考えて欲しい、何年も頑張って京大に受験している人や、
京大に入りたくても入れなかった人が、
果たしてこの本を読んで楽しめるのか、というところである。
それに、私は京都に修学旅行ででしか行った事がない。
だから、作品中に散りばめられている、京大ならではの面白み、
という部分でさっぱり笑うことが出来ないのだ。
例えば一箇所、森見さんが京大の大学名を伏せ「某大学」とか、
見え見えだけど、隠してる…みたいにしてくれたり、
あるいは「私」の人格を自分から切り離して書いてくれるのなら、
きっともっと私を含め、読者が増えるんじゃないでしょうか、
と恐れながら考えてみた。天下の森見さんをずたぼろに言って、
私はファンに怒鳴られそうですが、まぁ読者の中には、
素直に頷けない人もいるということを、少し分かって欲しいですね。
その点に関しては万城目さんの方が、異次元で許せるかも?

★★☆☆☆*78

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