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2008年3月19日 (水)

「ALONE TOGETHER」 本多孝好

ALONE TOGETHER (双葉文庫) ALONE TOGETHER (双葉文庫)

著者:本多 孝好
販売元:双葉社
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はっきり言って、どんな状況なのかよくわかりません。
かなり残念なパラレル小説。もったいないもったいない。
なんで本多さん書いてるときに気づかなかったんだろう…。
不思議でしょうがないくらい、描写が欠けています。

僕は父に母を殺された。
そんな事実を僕は誰にも打ち明けることなど出来ず、
心の闇と共に大事に守ってきた。
父は先祖代々繋がる「呪い」によって母を殺したが、
その「呪い」は当然のごとく自分にも備わっている。
相手が無防備な感情を見せた瞬間、僕はその相手と同調する。
心の澱を吐き出し、詰まった思いを緩和する。
しかし自身の思いはつのるばかりで、決して軽くなることはない。
他人の悲しみを詰め込み満たされてゆく僕は、
果たして誰かと本当に触れ合うことが出来るのだろうか。

冒頭にも書いたのだが、「状況」が全然描かれていない小説である。
この主人公・柳瀬は、特殊能力により、
他人の心に同調することが出来、また気持ちを導くことが出来る。
しかし、その能力を発揮するとき、どのような状況になっているのか、
まったくもって、よくわからないのだ。ところどころ、「箱のような」
みたいな説明があるのだが、描写が少なすぎて箱って一体なんだよ、
みたいな感じ。まぁ、私の想像能力が乏しいのかもしれないが、
それにしても「人は誰しもバリアーを持っているのだが、
それは箱状のものであり、僕がそこをすり抜けると…」
くらいの説明はつけてほしいと思う。その能力が発動すると、
背景はなくなってしまうのか、周りの人間にはどのように見えるのか、
書くことはたくさんあるはずで、たとえ毎度それを書かないにしても、
非日常を書くときは初回のときの描写は気をつけるべきでは?と感じた。
内容は…というのも、主人公が相手を諭すと言う状態が、
これまた曖昧すぎてよく理解できない。一瞬、相談室で相談に
のっていて、柳瀬の力により有無を言わせないというような状況
なのか…?と思うのだが、どうやら違うようで、柳瀬は鏡と化すことで、
相手は相手自身を見つめて話している、ということらしい。
そう分かるのがラストのあたりなので、正直「おいおいおい」という
呆れた感じだった。うーんこれは最初にあるべきでは?
まぁ、うんえーと。本多さんは好きですよ。毎度言いますが。笑

★★☆☆☆*72

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