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2008年2月20日 (水)

「蛍川」 宮本輝

川三部作 泥の河・螢川・道頓堀川 (ちくま文庫) 川三部作 泥の河・螢川・道頓堀川 (ちくま文庫)

著者:宮本 輝
販売元:筑摩書房
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デビュー作にして受賞作。しかも太宰治賞と、芥川賞。
当時はさぞ話題になったことでしょう。
しかし、私はどうにも好きになれずにいます。
私の理解力不足なのか、それとも一度では伝わらない描写が欠点なのか?

「泥の河」
昭和三十年大阪。うどん屋の息子である信雄は、
ある時一人の少年と知り合った。その少年・喜一の家はと言うと、
近くの川沿いに泊まっている小さな船だった。
喜一に招かれ、船に行ってみると中は部屋は酷く狭かった。
そして二つに分かれた部屋の、もう一つからは、
喜一の母親の甘い匂いが漂ってくる。
その空気に信雄は惹かれ、けれどなぜ自分が惹かれるのかを知れなかった。

あらすじがよくわからなくなったけど、まぁいいや。
私はこの本があまり好きではない。
と言いながら、もう三回は読んでいるのは、
きっとどこかにもう一度読みたいと思わせる魅力があるのかも知れない。
けれども、それが何であるか分からないのは、
私の理解力が不足しているから、というのが現状である気がする。
そんな私が気にかかる事の一つは、賞を二つもとった作品という事で、
それだけで読者が手放しで褒めすぎているように思う点。
この本の特徴として、イメージに頼っている、という癖がある。
冒頭やシーンの文頭にくる「昭和三十年大阪」「雨が降っていた」
という文に注目して欲しい。これは読者にイメージを植え付ける、又は
引き出させる文である。これを読むことによって読者に
「昭和三十年の大阪か~こんな雰囲気だろう」と思わせるのだ。
しかし、私は昭和三十年にまだ生きていなかった。
おまけに大阪にはUSJにしか行った事がない。(事実です。笑)
という風になってくると、果たしてこの効果は生きるのか?と思える。
もっと言うなら、賞の審査員さんは、近しい昭和を生きていたわけで、
想像できてしまうんですね。だから、効果的に見えるものも、
こうして時間が立って読んでみると、そうでもない、と思えなくもない。
もう一つは、こんな小学二年生の男の子が、
女性の「性」について、興味を示すのか?という点。
確かにスカート捲りなんかだったらわかる気もしますが、
性的なことに興味が湧くような心理構造に成長しているのか分からない。
「蛍川」でも小学生の時に「少女のお尻の穴に指を入れた」などの
描写があるけれど、これもちょっと頷きがたい気もする。
それから最後に一つは、全てを「希望」を目的にしている点。
人が死んだり、とっても貧乏で苦しいというシーンが幾つも出てくるが、
最後のシーンでは「そんな人にも微かな希望があるさ」的な感じに、
なっていて、どうも好きになれないのである。
以上、私がこの本をどうも好きになれない理由でした。
と言いつつ、数年後にはきっとまた読んでるんだろうなぁ、と思いますよ。

★★★☆☆*83

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