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2008年2月15日 (金)

「あかんべえ」 宮部みゆき

あかんべえ あかんべえ

著者:宮部 みゆき
販売元:PHP研究所
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いやぁ、地味に長かった。面白かったんですけどね。
中盤が「まだこんなにある」と思ってしまい、きつかったです。
私は宮部さんの時代物は短編の方が好きかなぁ…と思ったりしました。
しかし、これを読んでおいた方が、話が繋がって面白いんです。

賄い屋の娘であるおりんは、ひょんな事から引越しをする事になった。
お父ちゃんが、おじいちゃんの店からのれん分けしてもらい、
新しい店を開くからである。早速下見をして回り、
引っ越し先が決まったのだが、おりんは突然の高熱に犯されてしまった。
三途の川を渡る寸前までふらふらと歩いてゆき、やっとのことで
こちらの世界に戻ってきた時、不思議な出来事に見舞われた。
何とおりんはお化けが見えたのである。お侍さんに、遊女の女、
あかんべえをする女の子…おりんは次第に仲良くなってゆくのだが、
そんな時、店にお化けが出ると言う悪い噂が流れてしまった。

宮部さんの時代物は「人情」の描き方が最高に上手い。
本当なら、江戸の雰囲気を描くだけで苦労するところだが、
この本にそんな心配はまったく必要ないのだ。
読んでいるだけでその時代の空気に染まれるような、
巧みな描写で、いつしか頭の中には完璧なお江戸が浮かんでいる。
そこに登場する人物たちの、心意気と、気持ちのいい受け答え、
悩みどころなど、だから思わず頷いてしまうのである。
今回はお化けと対話できる少女のであるが、
何とも痒いところに行き届いている、というか、
必要な描写がとても自然に補われているので、読みやすい。
比較してしまうと悪いのだが、畠中さんの「しゃばけ」シリーズも、
このくらい「お化け」など実態の無い物の描写がされていたら、
もっと評価が高かったんじゃないかなと思う。
面白かったので、然程言う事無く、「まぁ読んでみなよ」
と言いたいところですが、若干説明文が多い点を指摘しておく。
まぁ時代物をあんまり読まない人には、丁度よい位なのかもしれないが、
ここは親切設計。料理の仕方から、長屋の説明まで、
端から端まで説明してくれるので、ちょっとくどいね、と思ったのだった。
おまけに分厚いんで…それでページを喰ってるのかと思うと、
少し残念な気もした、というのが正直なところ。
あとは最後のゴタゴタが、ちょっとこんがらがった?ようにも見えた。
見えている人間と、見えていない人間がいっしょくたにいるシーンでは、
何がなにやら、慎重に読まないと、誰が見えていないのか忘れる。
それに時代物なだけあって名前が「おゆう」「おみつ」「おたえ」など、
人物の名前がとても似ているので、大変だった、と伝えておく。
そんなのは、私だけでしょうかね。笑
まぁ、面白いよ、と言う事で文句はありません。時代劇でいけますよ。

★★★★☆*88

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コメント

あかんべえ読みました。最近天狗風と震える岩も読んで超能力少女物が続きましたがこれはこれで面白かったですね。途中で誰がどのお化けが見えてどのお化けが見えないとかこんがらがりそうでしたが最後はああそうゆうことなのかで。これ妬みはよくないとかそうゆう教訓みたいなとこもあるし混沌とした感じが舞台向きかなとも思いました。ドタバタ喜劇だけどアニメだと今までオバQとかお化けがコミカルに描かれすぎたから。時代物に出てくる人間の怨念とか悲しいかな本質の部分もありますからね。まあ小説としてはあかんべえのオチもありよかったです

投稿: 福田浩司賞味大臣 | 2008年11月13日 (木) 15:10

>福田浩司賞味大臣さん

歴史長編ものでは、私はこれが一番好きです。
他の二冊読んだことないですね、今度見てみます。
そうそう、最後ちょっとごちゃごちゃしてましたね、
舞台向きなきもしますよね。役が決まってしゃべっているのを、
実際見るのなら、大丈夫そうです。
怨念ものなら「あやし」の方がどろどろして雰囲気が出ています。

投稿: るい | 2008年11月16日 (日) 14:46

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