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2008年2月16日 (土)

【映画】キサラギ

20080216
★★★★☆
完璧な展開と演技に拍手!これは演劇でやるべきだと思いますね。
映画だけでとどめておくのはもったいないような気がしました。
公開中に何でもっとプッシュされなかったのか、謎な映画です。
まぁこうして、名画劇場でやっているのだから、凄いのは凄いですが。

天然グラビアアイドル「如月ミキ」を愛する五人のメンバーが、
ここに集結した。家元、スネーク、ヤスオ、オダ・ユージ、いちご娘。
ネット上だけの繋がりだった彼らが、こぞって集まったのは、
他でもない今日が、「如月ミキ」の一周忌だったからだ。
そう、「如月ミキ」は一年前の今日、自殺をし死んだのだ。
ミキを愛してやまない彼らは、明るいパーティをするはずだったのだが、
オダ・ユージの意外な一言からその会は急展開した。
「ミキは自殺じゃない、殺されたのだ」五人は騒然となり、
自分が持つ知識を駆使し、一年前の「如月ミキ自殺事件」を推理する。

この映画を観た瞬間「12人の怒れる男たち」を思い出した。
それは舞台の演目なのであるが、一つの仮説に対し、
複数の男があーだこーだと議論し、最終的に話が纏まる、という展開だ。
ただそれだけの話だが、推論は推論を呼び、
物語は転がるように形を変えてゆく。
罪の重さが急に軽くなったり、また別の可能性が出てきたり……
一つの要素で、物事はこんなにも形を変えるのだ、
という面白さを味わう事ができる。
この映画では、そこに「容疑」も加わり、「お前が犯人だろ?」という、
要素も加わり、まるでこの場で殺人事件が起こるのでは?
と思うほどのとてもスリリングな運びだった。
そして、ポイントなのは、彼ら五人が一つの画面上にいるということ。
言っておくと、この映画はかなり低予算なはずだ。
だって一つの部屋から、五人は一度も出てゆかないのだから。
一つの舞台セットと、衣装さえあれば、この映画の準備は完成。
だから、この映画の「面白さ」は、この五人の役者の素晴らしさでもある、
と私は思っている。個人的に今まで小出君があまり好きではなかったのだが
この映画を観て、ちょっと見直した気分になった。
彼がいなかったら、この映画の面白みは半分以下だったに違いない。
もちろん他の誰が欠けても、この映画は成り立たないのだけれど、
あのスネークという「ウザキャラ」を好演できる彼がいたからこそ、
笑いと、涙のギャップに感動する事が出来たのだと思う。
ちなみに、この映画は、軽く十箇所以上声を出して笑えるところがある。
むしろ全体の8.5割笑いのためにやっていると言ってもいい。
しかし、思わず鳥肌を立てるシーンがあるり、
そして、最後はなぜか泣けるのだ。ぎゃーぎゃーぴーぴーやったあと、
しっとりとやってくる、意外で、心温まるラスト。
これは、この映画を観なければ味わえない。
こんなに褒めておいて、最後に貶すのは難だが、ラストのラスト。
最後の一分間の映像は、いらない。
多分「ここで行われた議論は推論であり、事実ではない可能性がある」
ということを言いたかったのだろうが、あのラストでは、
「え?もしかしてパート2があるの?」と思われかねない。
だから、いらない。五人の結晶が、最後に崩れてしまったのが残念である。
ので★4つ。後は完璧。

*90

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