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2008年2月 6日 (水)

「その日のまえに」 重松清

その日のまえに その日のまえに

著者:重松 清
販売元:文藝春秋
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重松さんを久しぶりに…ってまぁ「疾走」も読み途中なんですが、
「疾走」は感動というか、別格な重い話ですからね。
今回は感動・泣いちゃう系、私が苦手なタイプを読みました。
「あなたは”死”を迎える覚悟はありますか」と問われる本です。

「その日の前に」
長年連れ添った妻と、故郷を巡る旅に出ることにした。
今までは子育てに手にかかり、また現在の事しか考えられなかったが、
いつしか二人は過去を振り返るようになった。
「あの時は面白かったよね」そういうたび、僕は思い出す。
妻の余命は残りわずかだ。その事が胸を空くように通り抜け、
けれど自分の手でどうすることもできない。
なぜ、妻なのだろうか。僕たちは「その日」に向かい準備をする。

最初の三篇くらいはまったく関係のない家族の話ですが、
読み進めていくと、連続短編集であることが分かる。
「その日」のために、死についての色々なことを考え、
しかしそれは上手くいく事はない。不安な思いがある限り、
気持ちは不安定なまま「僕」を苦しめる。
けれどついに妻が寝たきりになり、意識がなくなり始めると、
なぜか彼女のことを忘れがちになるのだ。
その微妙な心境の変化を自分でコントロールすることはできず、
いつしかやってくる「その日」を迎えるのである。
悲しみを抱えているのはあなただけではない。
そう知らせるように、最初の三篇の登場人物が、
ちょっとずつ「僕」を勇気付け去ってゆく。
その描き方が、とても自然で、だけどそうなるのはとても大変で、
そんな様子を重松さんは特に上手く描いていると思う。
中でも「ヒア・カム・ザ・サン」が私は好きでした。
久しぶりに泣けました。まるで母と弟のようで。
でもしかし、相変わらず重松さんを読むのは大変だと思いました。笑
私には痛すぎる。そして少し気になるのは体言止め。
「~だけれど」で止めるのがとても気になって仕方がない。
けれど、何なのか言ってくださいという感じで、
連発されるとかなり苛立つのは私だけでしょうか。
この本はそれが少なかったので、読みやすかったですけどね。

★★★★☆*90

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