「犯人に告ぐ 下」 雫井脩介
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犯人に告ぐ 下 (2) (双葉文庫 し 29-2) 著者:雫井 脩介 |
この本はそんじょそこらのミステリ小説より面白いと思う。
でもちょっと二の足を踏んでしまうのは、
重点の置き所、というか何とも伝えたいところとはずれたところで、
盛り上がっているからで、折角いいのに、もったいないなぁ、と。
テレビを通して行われる、劇場型捜査と呼ばれる初の試みが始まった。
長髪に高級なスーツを着こなす巻島は、俳優さながらの魅力を発揮する。
ニュースナイトアイズでは、巻島が警察が入手した犯人情報を利用し、
どうにか犯人を炙りだせるような仕掛けを作った。
ようやく犯人・バッドマンからの手紙が届き一憂し始めた時、
なぜか他局のテレビが、ナイトアイズを出し抜いた新情報を
放送していることが分かった。捜査員しか知らないはずの極秘情報。
果たしてそれはどこから漏れてしまったのか…
文章は読みやすいし、話も面白いので、かなりスムーズに読むことができる。
けれども、うーむ…と思う原因として、論点が途中でずれてしまうことだ。
巻島は六年前、自分の不注意で誘拐事件を殺人事件へと変えてしまった。
そのため亡くなった小さな子供と、マスコミにバッシングされ、
さらに逆ギレしてしまうという暗い過去がある。
そんな重みを背負いながら今回新に担当になった連続幼児誘拐事件、
長髪で漆黒のスーツ…まさに豊川悦司にイメージピッタリであるが、
巻島を見るたびに、その暗いベールが見え隠れし、かなりいい雰囲気だ。
が、しかし、下巻になると、巻島の出演しているニュース番組、
ナイトアイズが放送される前に、他局のニュースライブが
情報をリークし、すっぱ抜かれるという事件が続発してしまう。
警察しか知らないこの情報が、果たしてどこから漏れているのか…
下巻の約七割がその犯人探しにあてられ、
一番の目的であるはずのバッドマン探しは一体…という感じに。
おまけにその原因が巻島に恨みがあるならともかく、
過去の同級生との色恋沙汰…とか明後日の方向に話が飛ぶため、
何だかやり切れない気持ちでいっぱいになってくる。
ミステリにはリアリティが必要不可欠だけれども、
その植草みたいな人物は、きっと現実にはいないだろう…という
疑念から、若干白けた雰囲気が出てくるのが問題だろう。
最後、バッドマンはほんの数ページで捕まってしまう。
長い小説なのに、結びは十分なのだろうか…
と思いつつも、実際の事件でも意外に犯人は簡単に見つかったりするよな、
とか考えました。犯人だって、人間なのだから、
それと同時に、警察だって人間なのだ、そう考えられる小説ではありました。
★★★☆☆*85
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コメント
るいさん、こんにちはっ♪
私、この作品、とてもおもしろく読みました。
豊川悦司…ホント、ピッタリだよね。
>うーむ…と思う原因として、論点が途中でずれてしまうことだ。
そ、そうか。なるほど。
投稿: そら | 2008年1月23日 (水) 12:31
>そらさん
こんにちわ^^*
この本面白かったですよね!!
上下巻あったのに、どちらもすぐ読み終わりました。
文章が読みやすいのか…キャラクターがいいのか…
とりあえず楽しく読める小説でしたよね。
あと、なんと言っても豊川悦司がかなり似合っている!!
文庫化になってからよんだので、
思いっきり豊川悦司イメージの主人公で読んだのですが、
ギャップもなく、むしろ引き込まれた感じがしました。
論点…何だか横山秀夫でもよくあるんですけど、
いい話しだし、楽しいのに、なーんか言ってる事違うよね…
というのが、楽しい分それだけ敏感になってしまって。
植草のような憎まれ役も必要ですが、
今回は植草がいなくなるまでの時間が長かったように思ったのです。
楽しかったですけれども。
雫井さん、ほかのも読んでみようと思います。
投稿: るい | 2008年1月24日 (木) 10:59