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2008年1月11日 (金)

「チーム・バチスタの栄光 下」 海堂尊

チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600) チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)

著者:海堂 尊
販売元:宝島社
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読み終わったので、映画のサイトを見てみたら、主人公が女性になっていた。
思わずなるほどね、と思う。それは多分皆さんも読んでみれば
分かると思いますが、女性のほうがしっくりくるような感じがしますから。
まぁ、そう言った色々な意味で、惜しい小説でした。

素晴らしい成功手術歴をもつ「チーム・バチスタ」だったが、
ある日から突然術内死が続くようになってしまった。
疑いを掛けられた「チーム・バチスタ」の犯罪是非を問うため、
俺は調査を開始した。だが、関係者を一人ずつ面接していくが、
手術について門外漢である俺は、それ以上の事が分からなかった。
仕方なく白旗を揚げようというとき、厚生省から役人・白鳥がやって来た。
見るからに嫌悪感を抱かせる白鳥と、俺は一連の事件を解決できるのか。

かなりネタバレ感想になりました、ご注意下さい。
後編になりいきなり登場する白鳥。
この男が、物語り全体を斜めにした印象がある。
勿論それを狙ったのだろうが、範囲はいきすぎ・やりすぎ、
という感じで、読者が置いてきぼりになっている気がした。
作者の筆の調子が乗ってしまい、自分だけ楽しんでいる感じがするのだ。
原因は奇抜な比喩。この話をコメディに持って行くなら、
かなりのユーモアセンスに脱帽、というところだが、
腐っても鯛…もとい腐ってもミステリなわけで、
これが何とも質を下げていると思われる。
それともう一つ残念なのが、犯人の推定の仕方。
私は犯人は始めからずっと鳴海先生だと思っていた。
というのも、桐生が鳴海と手を組んで手術をしている、と出たときから、
桐生に指図でき、桐生が考慮するのは鳴海だけだ、
と状況から判断できるからだ。と結構自信を持っていた。
しかし、これは伏線であって、実際はそうではない。
だが、その伏線の処理の仕方が、実は桐生の視力が衰えてました、
と来て、読者にさっぱり予想できない範疇である。
それに加え、氷室は、絶対に犯罪は出来ないだろうと途中で断言されている。
すると読者にはヒントがまったくなく、一体誰を疑ったらいいのか、
皆目検討が付かない状態になってしまう。
そして結局解決するのは白鳥。
これはどうしたもんかなぁ、とミステリ好きとしては思うんですが、
皆さんどう思われるのでしょうか。私は、氷室の文献を探し出すのが、
主人公、という設定だったとしたら、もっと緊迫したいい話になったのでは、
と思うのですけれども。些細な事で屁理屈に聞こえるかも知れませんが、
結果として言えるのは、読者にヒントが少なすぎる点と、
主人公ではなく白鳥が全て解決してしまうと言うやり切れない点、
と言うのが残念でした、と言う事で。
医療的な背景・工夫はピカ一なので、そう言う物語的なことを、
頑張って欲しいなぁ…と思いつつ、今後に期待しましょう。

★★★☆☆*83

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