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2008年1月15日 (火)

「ぼくとひかりと園庭で」 石田衣良

ぼくとひかりと園庭で ぼくとひかりと園庭で

著者:石田 衣良
販売元:徳間書店
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石田さん、子供の時に本を読んでいなかったのだろうか…
と本気で心配してしまう本でした。うん、なんかもう、
ぜんぜん児童向けな文章じゃないし、物語怖いし、で。
きっと石田さんは子供の時の感情を忘れてしまったんだろうなぁと。

幼稚園児のあさひとみずきは、転入生のひかりに一目惚れした。
仲良く三人で遊ぶようになった頃、お泊り保育の日になる。
夜中トイレに目覚めてしまったひかりは、あさひを起こし、
一緒についてきてもらうことにした。その帰り道、
目映く光った園庭に吸い寄せられるように、二人は足を運んでゆく。
そこにいた花の精霊と話しているうち、いつの間にか二人は高校生になり、
そしてみずきが将来凶悪犯になる、という事実を知る。

なんじゃこりゃ、な本でした。
ちなみに、私が幼稚園の時に一番感銘を受けたのは、王道ながら
「人魚姫」でした。確か本によって「人魚姫」には二通りのラストがあり、
一つは人間になり王子様とハッピーエンドに、
もう一つは海に沈んで泡になる、という話でした。
私の持っていた本は後者の、沈んで泡になってしまう方です。
他に読んできた童話の中で、こうして主人公が、はっきり
「死」を迎えるものがなかったので、子供ながらに衝撃を受けました。
「人魚姫はなんと健気なのか!自分を差し引いて王子様を助けるなんて!」
と、当時からクールガール(捻くれたの間違い)だった私は思ったのでした。
さてさて、話は脱線しましたが、人魚姫は子供ではありませんでした。
子供が感銘、感動を受けるにおいて、何も主人公が子供である必要は
まったくないのです。他の「かぐや姫」や「鶴の恩返し」「竹取物語」、
など、どれも大人の女性が主人公ではありませんか。
人間の優しい心や、抗えない運命、などを柔らかく書いてあればいいのです。
もしも子供を主人公にしたら「赤ずきん」や「赤い靴の少女」、
「マッチ売りの少女」など、その少女の年代の子供が理解出来る言葉、
行動、描写、をするという縛りが生まれます。
主人公に感情移入し易くするためです。で、遠巻きになりましたが、
この本はまったくもってそれが考えられていない本でした。
しかも主人公とあかりはいきなり「高校生に成長しました」となっており、
いやいや、幼稚園生で自分が高校生になる姿なんか想像出来ませんよ、
とまずツッコミたくなります。その後「みずきが将来殺人鬼になりますから、
それを頑張って阻止してください」となって、おいおい、って感じです。
うん、言いたいことはわかりますよ、将来三角関係になって、
仲間割れになるかもしれないんでしょう?そうしたら、
幼稚園生にも分かるように、同じ年代で物語を作ったらどうでしょうか、
と提案したいところです。たとえそれが殺人ではなくても、
二人のうちどちらかを選ばなくてはいけない、という大変な気持ちは、
少なくても子供に伝わると思いますしね。
石田さん好きな方は、幻滅すると思うので、読まない方が…
基本的に性質が向いてないんだと思います。石田さん精神的に大人、
な感じがしますからね。児童書は伊藤さんに任せましょう。笑
私は伊藤さんの児童書は大好きなので。

★☆☆☆☆*-

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