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2008年1月 6日 (日)

「顔に降りかかる雨」 桐野夏生

顔に降りかかる雨 (講談社文庫) 顔に降りかかる雨 (講談社文庫)

著者:桐野 夏生
販売元:講談社
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デビュー作です。桐野さんなので期待していたのですが、
しかも江戸川乱歩賞だし…ですが、まぁさすがデビュー作という感じです。 
あおりには「二転三転事件の真相」が面白みとされてますが、
それが逆に仇になったような感じのする作品でした。

ベルが鳴り響いていたが、夜中になる電話を私は取らない事にしていた。
それは亡くなった夫からの電話を思い出さぬようにするためだ。
次の日、ライターである親友・耀子が、突然姿を消したと知らされた。
それも一億円もの大金を持ち逃走したらしかった。
耀子の部屋の着信履歴から、最後に電話した人間が自分であると分かり、
私は耀子の恋人である成瀬と、チンピラの君島に疑われ始めた。
耀子が持ち逃げしたのは、いわゆる闇の金であり、公にできない。
一方で企業から疑われる成瀬と私は、耀子を探すため動き始めた。
果たして耀子は大金を持ちどこへどうして逃げたのか…

何が悪かったかと聞かれると、非常に困るのですが、
何と言うか、話が纏まってない…というかそんな感じでしょうか。
ヤクザの金が出てきたり、ドイツの人種問題が出てきたり、
乳首にピアスを開けるSMが出てきたり、変な演奏家が出てきたり、
かと思えば、ライターや出版の話が出てきたり、探偵?だったり。
とにかく「さて、どうやって纏めようかしらね」と頭をひねるほどの
方向性の違うものたちが、わらわらと沢山出てくる、という印象があった。
まず、主人公は探偵なのか、という疑問についてよくわからない。
描写もないので、きっとだた父親が探偵だった、というだけなのだろうが、
そのことがかなり微妙な分量しか書いてないので、煮え切らない。
私的にどうせなら、父親がどうの~というのはなくてもいい気がするのだが…
でもこの主人公はシリーズものらしいので、
そうするとやっぱり探偵っていうのを強調したかったのかな、と思えてくる。
だとしたら、描写不足だなぁ、という感じがした。
それと死体愛好家っていうのも、結構突然出てきたような気がして、
話の中盤から、いきなり方向性が逆転した雰囲気があり、
前半の話いらなくない?とか思えてくる。
極めつけは、「二転三転」のくどさ。
一回目の逆転でかなり終わった感があるのに、
三転目はさすがに勘弁してくれという感じだった。
女性作家のハードボイルドを確立した、とか言われてますが、
それについては、やっぱり凄いと思いますね。
「OUT」読み途中なので、もう一回読もうと思います。

★★☆☆☆*74

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コメント

るいさん、明けましておめでとうございます♪

『顔に降りかかる雨』…ふ~む、話が纏まっていなかったのかぁ。私、この作品、読んだそばからポロポロ忘れてしまって、感想書くのに困った覚えがあります(^^;)
そうかそうか、纏まってなかったのか。ちと安心(←と、自分の記憶力のなさを作者のせいにする私^^;)

ストーリーはよく覚えてないけど、小糠雨の降っている雰囲気がとても印象的でした。
デビュー作で「雰囲気」のある作品を書く作家さんは大成するのかなぁなんて、密かにエラそうに思ったことを覚えてます(*^_^*)

今年もるいさんと本のお話などができたらうれしいなぁと思ってます。
よろしくねっ☆

投稿: そら | 2008年1月 7日 (月) 09:10

>そらさん

明けましておめでとうございます!
今年もどうぞよろしくお願いします^^*

そうなんですよねぇ、この小説…
纏まっていないと言うか、何と言うか…
確かに私も栞を挿むたびに、前回読んだ内容を忘れました(苦笑)
ということは、あまりに印象に残らないストーリーだったのでしょうかね。
何か、一つ一つ(SMとか、恋愛話とか、ドイツの話とか)の題材はいいのに、
上手く生かしきれずに、お互い殺しあってる、って感じがしました。

そう言えば、小糠雨とか、天気がどんよりしている、
というイメージが作品の中に漂ってました。
それって結構凄い事ですよね。にゃるほど。
私は桐野さんのどちらかと言えば沈んだ雰囲気が、好きですね。
いつも落ち着いて読める感じがいいなと。

こちらこそ、本話や情報交換、楽しみにしてます^^*
そらさんの記事を読んで金城さん読んでみようかなぁ…
と思いました。SPも面白いし気になっています。

投稿: るい | 2008年1月 8日 (火) 02:14

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