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2007年12月24日 (月)

「レモン・ドロップス」 石井睦美

レモン・ドロップス レモン・ドロップス

著者:石井 睦美
販売元:講談社
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名前も聞いたことない作家さんでしたが(失礼な)、
本のソムリエの選んだ本が置いてある本屋に行って、
ピックアップされていたので、読んでみました。
雰囲気は「瀬尾まいこ+佐藤多佳子」2人をお好きな方にお薦めです。

姉は当然のように美希のことをこき使う。
頭のいい姉と、そうでない自分、その差は当たり前のものであって、
反抗的な言葉とは裏腹に、美希は姉を気遣ってしまうのだった。
父親ともすれ違いの日々が続き、家族との関係がぎくしゃくすると、
美希はいつもおじいちゃんとおばあちゃんの部屋へ向う。
そこで聞くレコードの音や、おばあちゃんのクッキーは、
そんな淀んだ心を癒してくれるのだった。しかし、おじいちゃんが死に、
おばあちゃんが段々に惚け始めると、美希は動揺してしまう。

青春、というかこの設定では中学校三年生ですが、
とてもその年代の女の子の心を上手く描いていると思う。
あらすじとは別に、伏線でまだ恋に落ちることが出来ない少女の心、
というもの含まれていて、まだ青い心が育ってゆく様子が、
おばあちゃんという心の救いがなくなるという事と上手く混ざり合っている。
支えだった人に忘れられるという現実に直面した時、
苦しくて仕方がない思いを、助けてくれたのは、
嫌っていたはずの姉だったという、ちょっぴり皮肉な結果は、
これから残り、生きてゆく人間関係をスムーズにするようになったし、
去り行く人を良い形で送り出すことも出来きた。
シンプルで、展開も少なく、だた今とは微妙に少し違うだけなのに、
こんなにも見方が変わり、新しい世界を見ることが出来る、
そんな井戸の中の変えるが、少しだけ外の様子を見て、
育ってゆくような、心地の良い話だった。
雰囲気は瀬尾まいこと、佐藤多佳子を足したような、
軽く読みやすい感じの雰囲気である。石井さん他にも読んでみようかなぁ。

★★★★☆*88

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コメント

おお!私もこの本最近読んだよ。

アンソロジーとかで、よくこの人の話が収録されているのだけれど、気になっていて。

個人的に終わり方が唐突な感じが消化不良感があったけど、なかなか悪くない感じだね。

時々児童書を読みたくなるんだよね、衝動的に(笑)

投稿: すきま風 | 2007年12月30日 (日) 22:24

>すーちゃん

本のソムリエのお店で佐藤多佳子と一緒に置いてあった。
なるほど、雰囲気似てるし、なかなかいい本だと思った。

アンソロジーに入ってるんだ!
というか、私あんまりアンソロジー読まない人だからなぁ;

確かにおばあちゃんが死んでからラストが急速だったね。
レモンドロップも結局重要性が薄かった気もするし。

私も児童書、私も時々急に読みたくなる。
昔読んだ森絵都でも読み漁ろうかなぁ。

投稿: るい | 2008年1月 6日 (日) 13:41

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» レモン・ドロップス [No-music.No-life]
結局、思春期ってのがいけないんだと思う。少女期の繊細な恋心を守るため、彼女は三日月形のレモン・ドロップを手にした。10代の光り輝く一瞬を閉じこめた硝子のような物語。 −−− 石井睦美さんの本です。 アンソロジー小説の広告部分?とかでよくこの本の紹介が載っていて、気になっていた本です。 でも期待していた程悪くもないけれど、最後の終わり方が少し不満足だったり。 −−− 友達の綾音は、最近恋をしている。 好きな人のいない美希は、恋の話をされてもどうにも親身に聴..... [続きを読む]

受信: 2007年12月30日 (日) 22:22

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