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2007年11月25日 (日)

「猛スピードで母は」 長嶋有

猛スピードで母は 猛スピードで母は

著者:長嶋 有
販売元:文藝春秋
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私は有川浩さんと、長嶋有さんがどうも同じ人物だと勘違いしていた。
何をどう間違ったのか知らんが…。
今回は長嶋有さん、タイトルの「猛スピードで母は」の他に、
「サイドカーに犬」が入っている。うーん…映像化するほどでも…。

「サイドカーに犬」
私が小四の時、母は家出をし、その後知らない女が家へとやってきた。
ヨウコと名乗ったその女は、夕方やって来て夕飯と朝食を作り、
朝になると自転車で帰ってゆく。初めは警戒していた私だったが、
次第に陽気なヨウコさんに気を許し、餌付けされていったのだった。
好物である麦チョコをねだる私と弟は、まるで犬みたいだ。
ヨウコさんのいる生活にすっかり慣れてしまった頃、
私とヨウコさんは二人で夜中の街に出かけることにした。

ラストが実に良いのだろうが、私は好きではない。
「そろそろなんじゃないか」の伏線が曖昧すぎて、
判断が読者に任せすぎているというのが一点。
それと、小学生が「あっという間」というのは少し違うなと言う点。
今振り返ればあっという間かも知れないが、
小学四年生の「私」はあっという間だと思うことはないだろう。
その大人と子供の微妙な時間軸の差が描かれていないのが難点だ。
これは長嶋さんに限らないのであるが、
児童書(子供が主人公で)を書く時に気をつけなくてはならないのは、
いつまでも永遠に感じるような時間感覚だと思っている。
私は小さい頃から本を読んでいた方だと思うが、
文中で、「三日後僕は、」などという文章があると、
まだまだ訪れない三日という隔たりに興ざめした記憶がある。
今になって考えてみれば、三日なんてあっという間だ。
しかし、小学生のときどうだったか、じっくり思い返してみると、
ゆっくりと佇んでいた時間の流れを感じる事が出来るのではないだろうか。
雰囲気は嫌いではないのだが…
でも男の人にしてこれだけやさしい文章が書けるのいいなぁ、
と個人的には思った。ので、違う本も読んでみよう。

★★★★☆*86

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