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2007年11月 8日 (木)

「ぽろぽろドール」 豊島ミホ

ぽろぽろドール ぽろぽろドール

著者:豊島 ミホ
販売元:幻冬舎
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うーん、短編集でしたが、傾向が全部一緒じゃん?と言う感じで。
人形=八つ当たりの道具、もしくは人形=人間の化姿、
という固定観念が豊島さんにはあるようで、何となく偏った感がありました。
自分の事を書いてる、みたいであまりよろしくないような。

「きみのいない夜には」
私は他人の運命に呑まれ、それを引き裂くのが好きだ。
具体的に挙げるのであれば、友人が一番可愛がっている人形を奪い、
悲しみに暮れている姿を眺めるとわくわくする、というところだろうか。
ある日オークションで中古人形を手に入れた私だったが、
その中には人形宛ての手紙が入っていた。
元持ち主からの、人形への手紙…そんなことするのは、
尋常ではなく人形を愛していた証拠だろう。私は再び胸が躍り始めた。

実は結構期待して読み始めた。と言うのも、私も実は小さい頃から、
ずっと持ちつづけているぬいぐるみがあるからだ。
そんなに大事に愛でていた訳ではないが、それでも、
そのぬいぐるみが部屋の中にないと落ち着かない…
というような感じで、今も私のベットの隅に鎮座している。
そんな人間と人形という微妙な関係を、
豊島さんはどんな風に描いてくれるのだろうと楽しみだったのだ。
だが、この本に書かれている人形愛について、私は少しも同調出来なかった。
唯一納得できたのは、「きみのいない夜には」の男の気持ちである。
事情により手放したが、やっぱり人形が気になり手紙まで書いてしまう。
私はまさか手紙を書いたりはしないが、拠り所がなくなった不安、
みたいなものに共感を得る事が出来た。
しかし、この他の話はと言うと、自分や他人にそっくりな身代わり、
であったり、ストレスを発散する道具として描かれていた。
それって、ごく一部の人ですよね?と私は思う。
他人に見立てたり、ストレスを発散する気持ちは分からなくはない。
むしろ私もぬいぐるみでそんな事をしてきたかも知れない。
だけれど、結局のところはぬいぐるみは心の拠り所、
もしくはなくてはならないもの、というような書き方をした方が、
もっと共感してくれる読者が増えたのではないか、と思った。
あとは個人的なことですが、文法がはちゃめちゃで、読みにくかった。
豊島さんってこんな文章だった…?と思いつつ。
文章は長けりゃいいわけではなく、長くても角田さんのような、
美しい文体にして頂かないと読みにくくて仕方がない。
「―」の乱用も気になり、色々な意味でなんだかなぁでした。

★★★☆☆*80

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