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2007年11月19日 (月)

「冷静と情熱の間」 辻仁成

冷静と情熱のあいだ―Blu (角川文庫) 冷静と情熱のあいだ―Blu (角川文庫)

著者:辻 仁成
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とても面白くなかった。
ので、江國さんの方を読んでみるべきだろうかと本気で迷っている。
昔は辻仁成好きだったんだけどなぁと思いつつ。
ちょっと読後、無駄な時間を過ごしたような気持ちになった。

七年前、僕の元を去っていた一人の女性を、忘れる事が出来なかった。
フィレンツェで修復士として絵と向き合う時も、
現在の彼女である芽実と過ごしている時も、
僕はそこかしこに「あおい」の面影を見つけ、そしてあの約束を思い出す。
「30歳の私の誕生日にドゥオモで会いましょう」
時が経ちすぎて、薄れ始めたこの約束を、
彼女も覚えていてくれているだろうか。

ストーリーに文句はない。問題なのは表現方法だった。
人と人の間の親密感を文章で表現できていない。
特に冒頭、修復士の先生と主人公の関係が出てくるのだが、
主人公はその先生に頼まれ、裸体モデルをしている設定だった。
後に事件が起き、離れ離れになった時、
「僕は先生の事を母親の様に慕っていたので」と言うような文があるのだが、
母親の様に慕っていた様子が描かれておらず、首をかしげた。
え?いつ親しそうにしてたの?と言う感じである。
モデルをし、裸を見せたら、母親のような親しさが生まれるのか?
ちょっと違うだろう。そう言った気になる点がいくつか見受けられ、
どうも素直に読む事が出来なかった。少なくても母親のようなのだから、
心の拠り所である、とか、困った時の相談役、という描写が欲しい。
それから、ストーリーは至ってシンプルである。
昔の女を忘れられず、今の女を代用品の様に扱っている事に気付き、
嫌々別れ、もう一度昔の女を追いかける。
ただそれだけの話だ。と、いう事はこのシンプルな話を、
素敵に仕上げるためには、主人公の心理描写をきめ細やかにし、
心の移り変わり、あおいが心に占める比重が段々増えている様子などを、
きちんと描く必要があるだろう。
この本は最初から最後まで同じように見えるのが難点。

★★☆☆☆*77

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