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2007年9月30日 (日)

【映画】サウスバウンド

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どうも、試写会で観てきました。
そして試写会でみせてもらっておいて難なのですが、相当イマイチでした。
私は原作を読んでしまっていたからでしょうかね、
豊川悦司を観るの楽しみにしていたのですが…申し訳ない。

■あらすじ(本のレビューから引用)
世の中は色々複雑だ…平凡な小学生である僕がこんな事を感じるのは、
元過激派であるお父さんが、毎日のように戦っているからだ。
「俺は税金を払わないぞ」「文句があるのか、国家の犬どもめ」
いつもは家でゴロゴロしているくせに、こうして口論を始めると、
水を得た魚のように元気になり、オマケに息子の僕にも格好よく見える。
でも僕にとってはいい迷惑だ。絶対にお父さんのようにはなりたくない。
そろそろ修学旅行という頃、またもお父さんは学校に喧嘩を吹っかけた。
ついには警察に連行…世間に疎まれた僕たちは沖縄に移住する事になった。

この映画が詰まらない原因として、根本的に脚本がいけないのだと思う。
まず問題なのは、主人公が誰なのかさっぱり分からなくなっている点だろう。
原作では、はた迷惑な父を持つ息子・次郎視点で物語が進んでいくのだが、
今回映画は、新しい子役を抜擢した関係か、主人公は父(豊川悦司)という
設定になっている。その時点で、原作で感じた、
「父さん、お願いだからやめてくれよ…」「父さんのようにはならない」的な、
面白みを感じさせるオーラが消え失せている他、
映像化に当たって省略した部分の繋げ方が下手で、
何がどうして上原一家が沖縄に移住に到ったのかよく分からなくなっていた。
おまけに、カツアゲのシーンや、小学生の会話で、
「まだ何かくれるのかい、ベイビー」なんて言わないし、
「僕は、不得意だな」なんて堅苦しい会話の小学生がいるはずがないだろう。
お陰でタダでさえ棒読みな子供たちの会話が、まるで面白みがないし、
クリーニング屋の楠田役の子は、長台詞が多いのだが、
丸暗記がバレバレで、観ている方が哀れんでしまいそうだった。
他にもカツアゲの後、次郎と黒田が逃走する時、逃げてるように見えないとか、
(原作では初めて非行に走る次郎の焦燥などが描かれているはずなのに、
映画ではさっぱりで、船の上で何してんの?という感じに見える)
呉服屋のお母さんが突如現れるとか(原作では次郎が先に、
お婆ちゃんの家に訪れる設定になっている)、色々可笑しな点があり、
本当にそのシーンは必要だったのか?と物凄く疑問である。
どれだけ打ち合わせしたのかはわかりませんが、
これでは原作者・奥田さんの思いは通じないだろうなぁ…と、
原作を読んで感動した人間としては非常に残念だった。
それと映画としては、音楽も悪い。
何故なら沖縄に移住するまで、音楽・効果音・音響、すべてないのだから。
ただ黙々と棒読みのセリフの物語が続き、沖縄に来てからやっと
思い出したように音楽が流れ始めるのには驚いた。
せめて面白い効果音が入っていたら、父親のはた迷惑具合を強調できたし、
次郎の心のセリフが入ったら、観客も同感でき、面白みが増しただろう。
と、ずたずたに書いてしまいましたが…個人的には豊川悦司はよかった。
でもちょっと「ナンセンス」って多用しすぎて、役柄臭いんですけど。
原作にそんなに「ナンセンス」って出てきませんよねぇ?
うーん。なんだか色々な意味で疑問と不満が残る映画でした。

原作読んだ方にはお薦めしません。
読んでいないのだったら、また違った面白さがあるのかも…!

*--

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コメント

こんばんは。
実は今この小説を読み終えたところです。
この作家の他の作品を選ぶためにるいさんのブログにきたら、サウスバウンドの記事があって驚きました。
(この前に映画のHPを見たところです)
ちょっと過激な部分があるけど…。
色々な情報が錯綜するなか、自分で考え物事の本質を見極める自信がないなぁと反省してしまいます。
映画でお父さんのセリフを耳にしたいけど、やっぱり止めた方がいい気がしてきました。

投稿: fumika | 2007年10月 1日 (月) 23:25

>fumikaさん

コメントありがとうございます!

奥田さんは「空中ブランコ」「イン・ザ・プール」「町長選挙」
シリーズがよいと思います。とりあえず笑えます。
私も読んでいない本が多いので、模索中なのですが。

あぁこの映画は原作を読んでしまったらお薦めしません。
何かもうイメージが崩れるし、子役はダメだし壊滅的でした。
ヤフーなどの映画レビューを見てみたらどうでしょうかね。
結構当たっているなぁと思う作品もありますよ。

お父さんのセリフ…「ナンセンス」が無性に臭いです。

投稿: るい | 2007年10月 3日 (水) 17:01

るいさん、こんばんは。
このお父さんに会ってみたかったのですが…
響は、パレードを読み終えました。
吉田修一さんはるいさんのお気に入りの作家さんでしたね。
うまく感想は述べられませんけど、退屈せずに読めた作品でした。ただサトルくんが仲間になっていくところはとても微笑ましかったですね。
今夜から「空中ブランコ」を読みます。

投稿: fumika | 2007年10月 3日 (水) 20:35

>fumikaさん

こんにちわ!お返事遅くなってしまってすみません;
最近本も読めず更新もまばらです(涙)

そうですねぇ金曜ロードショー待ちもいいかも…?
いっそどれだけなのか観てみるのもよいかもしれませんよ。
怖い物も見たさってやつで。
意外によいかもしれません。

「パレード」読まれたそうで~^^*
飽きずに読んでいただけてよかったです。
パレードは吉田さんの作品の中でもとっつきやすい作品かと。
何だか言いたい事がわからない作品もあったりするので…(苦笑)
そこんとこはお気をつけを。
私は吉田さんの文章が好きなんですけれどもね。
読んでいて落ち着きます。

「空中ブランコ」も是非に。

投稿: るい | 2007年10月10日 (水) 17:06

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