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2007年9月18日 (火)

【映画】包帯クラブ

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全ては柳楽君のために映画館に足を運びました…笑
今回はすきま風さんに原作は微妙だとのアドバイスを受けたので、
あえて原作を読まずに観てみました。
結果、なかなか良かったです。いやはや、柳楽君惚れ直しましたよ。

変わらない自分、変わらない日々。そう思っているのだけれど、
気付かぬうちに大切なものは、少しずつ失われていく。
笑子は、屋上のフェンスに立ち、そうぼんやりと考えていた。
自分の作ったリストカットに似た傷は、妙に死を連想させた。
ここから足を踏み出し死ぬ事が出来たら…そんな時、
奇妙な関西弁で話す、ちょっと変わった男に出会った。
「ここには血が流れてんねん」
そう言うと、彼は包帯をフェンスに結び始めた。

「包帯一本巻いて世界が変わったら、めっけもんやん」
というディノ(柳楽優弥)のセリフがあるのだが、
その言葉が後半まで、とてもいい余韻を残す。
ほんのちっぽけな事から始まった、包帯を傷ついた場所に、
結びつけるという行為は、一目見ればとても馬鹿馬鹿しいことだった。
たかが布きれで、他者の心を弄ぶ、低脳な事。
おまけに巻いたところで、何が変わるわけでもない。
主人公であるワラ(笑子・石原さとみ)も、そう思っているのだが、
いつの間にか率先して包帯を巻くようになっていく。
「人の事を助けるために、自分にできることは?」
そう考える事はとても難しい事だ。
まずは自分が助けられるほどの広い心を持ち合わせ、
また自分が何かしらで傷ついたことがあり、
そしてその上で他人の気持ちを想像し、癒しを求める。
それが出来るようになった時、初めてこの映画は感動を得られるのだ。
「包帯一本巻いて世界が変わったら、めっけもんやん」
このセリフは、「~たら」という、半信半疑なところがいい。
「人によります」でも分かるように、全員の人が良くなるとは限らない。
けれど、少なくても自分達が尽くせる限りのことは成し遂げた努力と、
その分「めっけもん」で、実った時の素晴らしさは計り知れないのだ。
全体的な印象として、この話は、臭くてクドイ。
それは「バッカじゃねぇの」と言いたくなるくらい、
主人公達が正面を真っ直ぐ向いて突き進んでいるからだ。
私は中学生の時、友達を自殺で失っているから、
いま傍にいる人もまた、自殺をしようとしていたとしたら、
絶対に死なせはしまいと、必死になるのではないかと思う。
もう何も失いたくはないし、二度とあんな悲しみを味わいたくはない。
今の子供は、人の事を考えなさ過ぎる。
もしくは、人の事をきちんと思いやる心を養えていない。
そう言えば偏見かも知れないが、私はきっと友人を失わなかったら、
こんな事は考えなかったかも知れないと、正直なところ思うのだ。
そう言った意味で、何かを「失った」事がある人が、
もう一度それを失わないために心を開いた時、
その人がどんな気持ちであるのかを考えてみる、
それが出来た時、この映画を見て涙を流す事ができると思う。
勿論その「失った」ものの大きさは関係ない。
痛みは人それぞれ違うのだし、どれも同じように大切なのだから。

この映画、全てはキャストのよさで、
かなりくどさが軽減され、いい感じに仕上がっている。
贔屓目で見ているのは承知だが、柳楽君は素晴らしい演技だった。
むしろ演技ではなく、元々「ディノ」という少年であったかのような、
素晴らしい素振りで、例えボソボソと喋るシーンでも、
不思議なくらいに存在感があり、感動した。
個人的には「ほな、逃げるで!」と陽気な姿と、
静かに涙を流しながら手紙を読み上げる姿が対照的で、心に残っている。
「クニミツの政」「誰も知らない」「星になった少年」とは、
一味違った破天荒な柳楽君を是非一度味わっていただきたい。

*90

■公式サイト
http://www.ho-tai.jp/

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コメント

すみません、やっぱり掲示板の書き込み方がわからな…

機械に散々嫌われているkobaです。
こんばんは。

やぎらくんを観に行ってきましたか。
実はちょっと興味あったりします。
エヴァの次にでも行ってきましょうかね。
てかエヴァまだ行ってないんかって感じですよね。
この話したのいつだっけ(遠い目)。

部屋、もとい本を片付けたらずいぶん生活のスペースが広くなりました。
整理したらこんなに本があったんだ~とちょっと驚きでした。
自分の本だけで1000冊はあるようです。
漫画と雑誌込みですが(むしろそれが大部分・笑)。
中には、大学で買わされたにも関わらず一度も開かなかった教科書などがあります。
こんなのとっといてどうするんだって感じですけど;
いらないもの捨てたら半数くらいになるんですけどね。
本を捨てられなくて…
床抜けんぞといわれてもなかなか決心がつかず。。。
るいさんはいらない本をどうしてますか。
あ、でもセンター試験の参考書は捨てたな。
ごめん、本捨ててました。
似非本愛護主義者でした。

んではでは、またね~

投稿: koba | 2007年9月19日 (水) 21:22

 柳楽クン、よかったですねー。
 これまでの映画でも好演だったけど、
 これはほんとよかった!!
 ハチャメチャとも思える人物像に
 全然負けてなかったですもんね。

 原作もなかなかよかったですよ。
 映画観ながら、ところどころ原作を思い出して
 補完してました。
 気が向いたら読んでみてくださいね^^

投稿: miyukichi | 2007年9月19日 (水) 21:59

>kobaちゃん

え?何言ってるんですか、
何でも好きなことかいてくれて良いんですってば。
そのための掲示板ではありませぬか。

柳楽君、観てきました。
いい男になっていましたよ。
年を取ったら益々いい俳優になりそうなランキング(るい調べ)
堂々の第二位です。
ちなみに一位は松山ケンイチです。

あぁエヴァ…弟が観たと言っていました。
感想を聞いたら「次が本番って感じ」だ、そうです。
もしや次を観たらまた「次が本番って感じ」だと思うかもしれませんな。
いやぁ、何だかアニメ版を思い出しそうなんですけど(笑)
まさか前回二本あった映画版よりはマシであることを、
期待したいところですよ。何たって観るだけで5000円近くかかるしね。

はっ!!私とした事が( ̄□ ̄;)
赤本まだ持ってる…!!

私は東京に引っ越す時、実家の漫画を約1000冊、
CDアルバムを数十枚、ブックoffに売り飛ばしました。
約一万円になりました。
清々した気分になりました。
その帰りに本を買いました。
超のつく悪循環です。
そんなもんです。
ちなみに一番値段が高かったのは「猿岩石」の初回アルバム。
どうやら杯盤だったようです。500円でした、良く覚えてます。
あぁでも雑誌は買ってくれないからねぇ、
そいつらはスズランテープで縛って捨てるしかないかも…。

学校の教科書もすぐブックoffです。
毎年買い換える「六法全書」もブックoffです。
ちなみに「六法全書」は買取価格150円です。
5000円以上するのに…古いものは利用価値がないから仕方がない。
他の「何とか心理学入門」や「刑法各論基礎」、
「構造主義と哲学」なる教授著の本も売りましたが、
こちらも100円前後。3000円もするのに…。

しかし、部屋の床が抜けるよりマシです。
是非古本屋に売って、100円アイスでも買って食べましょう!
そしてうっかり本屋でまた本を買って帰りましょう!
そんなあなたに「明るい明日が待ってるぜ!」
と、懐かしいセリフも付けておきます。

投稿: るい | 2007年9月21日 (金) 11:12

>miyukichiさん

TB&コメントどうもありがとうございます^^*

柳楽君よかったです。
ストーリーは少し臭いような気がしましたが(笑)
柳楽君を見ただけで、少し緩和されました。
それにしてもあのはちゃめちゃな男の子役、
よく柳楽君を抜擢してくれましたよねぇ。
意外なる一面を見れた気がして、
今後こういう明るい役が増えるといいなぁ~
なんて思ってみたりしました。
次の作品にも期待ですねぇ。

原作も良かったんですねぇ読んでみようかなぁ。
天童さんの本を読んだ事がないので、
どんな感じなのか、ちょっと楽しみです。

投稿: るい | 2007年9月21日 (金) 11:17

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