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2007年8月 5日 (日)

「ぼくは悪党になりたい」 笹生陽子

ぼくは悪党になりたい ぼくは悪党になりたい

著者:笹生 陽子
販売元:角川書店
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すきま風さんにお借りした本です、どうもありがとう^^*
一年ぶりくらいに読みました、笹生さん。
児童書の雰囲気というか、いい意味で子供っぽい雰囲気がとてもいい。
だけど笹生さんが平仮名で「ぼく」って書くと、
小学生に感じてしまうのが難点ですね。高校生には感じない…。

ぼくと八歳年下の弟・ヒロトには父親がいない。
母親はいわゆるシングルマザーで、その上仕事を優先してぼくたちを顧みない。
母親がいつものように出張で海外に出かけると、
タイミング悪くもヒロトが水疱瘡にかかってしまった。
おまけに明日からぼくは修学旅行を控えている。
弟の風邪のために修学旅行を休む高校生なんて、何かが間違っていると思い、
ぼくは、母親の友人リストから、助けを呼ぶ事にした。

最初にも書いたのだが、まず主人公が中学生位に感じてしまう。
その原因は一人称が平仮名で「ぼく」である点と、
小学生並の感情しか書かれていない点であると思われる。
主人公「ぼく」は父親に、ひょんな事から再会してしまうのだが、
不本意に出会ってしまったために、心の準備が出来ていなかった。
その心の葛藤がストレスになり、耐え切れなくなった主人公は
現実逃避したくなる、というのか趣旨である。
「悪党になりたい」は非行に走って、今の自分から抜け出すと言う事だ。
その表現したい子供の葛藤はモチーフとしてとてもいいと思うのだが、
いかんせん高校生と言う設定のくせに、主人公は楽観的である。
そのストレスと楽観的の差があまり描かれていなくて、
今回はちょっと残念だった。笑みの下に隠した苦しい心…
と言うことで、纏めておくべきなんだろうか?うーん。
かと言ってどんどん主人公に落ち込まれても、
笹生さんの本ではなくなってしまう。苦笑
これならば、主人公を中学生にして語ってくれた方が、
伝わった気もするんだけれど、ちょっと高校生の意味が分かりませんでしたね。
恋愛を混ぜたかったから?そうだとしたら、
自分は父親が中学生の時の子だっていうのは、問題がある気がするし。
うーん、やっぱり児童書な笹生さんがいいなぁと言う事で。

★★★☆☆*81

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» ぼくは悪党になりたい [No-music.No-life]
兎丸エイジ、17歳。ぼくの家庭に父親はいない。 奔放な母と腕白な異父弟・ヒロトの3人で平凡な生活を送っている。 毎日家事全般をこなす高校生が平凡がどうか疑問ではあるのだが・・・ ある日、ヒロトが病気で倒れたのをきっかけにぼくの平凡な日常は少しずつ壊れはじめる。 生きたいように生きる人たちの中で、ぼくだけが貧乏くじをひいいているのではないだろうか? −−− 笹生陽子さんの本です。 文庫新刊という事で、読んだ事あるような気がして買うのを躊躇っていたくせに結局買った私。 ..... [続きを読む]

受信: 2007年8月 6日 (月) 22:10

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