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2007年7月12日 (木)

「真夜中の五分前 side-B」 本多孝好

真夜中の五分前five minutes to tomorrow side-B 真夜中の五分前five minutes to tomorrow side-B

著者:本多 孝好
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私はAの方が好きでした。
なぜなら「超常現象の奇跡」っていうのが凄く苦手だからです。
だから市川拓司とかだめなんだと思うのですが、
「site-B」は全体的にうーん…と言った感じでした。

二年前出合った、僕の愛していた女が死んだ。
彼女は一卵性の双子で、容姿や性格がそっくりな妹がいる。
事故に遭い、双子の片方が生き残った今、尾崎さんが奇妙な事を言い始めた。
「これは本当にゆかりなのか?」
久々の再会に戸惑いながらも、僕は彼女がゆかりである証拠を探すのだが、
生き残ったゆかりを見るたび、その表情や仕草からかすみを思い出した。
もしかしたら、かすみがゆかりのフリを?疑惑が深まる中、
僕はまた真夜中の五分前に引き戻されてゆく。

とりあえず、ラストが「えー」って感じがしました。
せめて最後はどっちかにしてよ、って思ってしまい、
私にとって、その超常現象的事態は許せないところでした。
途中までは、彼女を泳がせてみればいいのに、って思っていたのです。
水泳に通っていたのはかすみだけなのだから、
泳げたとしたら、かすみ、そうじゃなかったらゆかりだと。
でもこの話では精神世界にまで入り込んでしまって、
何かの偶然で、二人が一つの体に!みたいな、超常現象を肯定して、
僕はどうにも出来ない、といった何だか切ない悩みに変わって残念でした。
結局、人類の歴史三回分の奇跡は、呪われていた?というか、
ここまでの奇跡を起こすのだ、とかそんな事を考えてしまう。
一方で、水穂のシーンはとても好きでした。
主人公が今まで乗り越えられなかった壁が崩れ、飛び越え、
あの日の水穂を好きだった自分に戻りに行く。
冷徹人間というレッテルを自分で作り上げていた主人公が、
ふと、人間の優しさに触れてみようとする瞬間が良かったと思います。
お店がどうなったのか、とても気になるのですが…。
そして迎える最後が何とも苦しいというか、これで良かったのだ、
と無理に決め付けているような、台風一過のような、
静けさが水穂のシーンととてもミスマッチ(狙ったのかな?)で、
あまり好きになれませんでした。Aの時はサッパリ、でも情熱的な感じ、
が良かったと思ったのですが、今回はうーん…です。
あ、読むときは勿論「side-A」を読んでから読んでくださいね。

★★★☆☆*83

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