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2007年7月 3日 (火)

【映画】アヒルと鴨のコインロッカー

2007073_1 
待ちに待って、観てきてしまいました。
公式サイトに伊坂さんのコメントで、
「この映画を観てつまんないっていう人とは、
僕はあまり仲良くなれない気がする(笑)。」と言っていましたが、
私は、どうやら仲良くなれそうでよかったです。笑

「一緒に本屋を襲わないか?」
僕が引越してきて一日目に出会ったのは、
悪魔の様に真っ黒い服を着て、奇妙な提案をする怪しい男だった。
関わりたくないのだが、その男・河崎は残念ながら隣の部屋に住んでいる。
河崎と会話をしたり、本屋を襲ったり…そうしているうち、
僕は、いつの間にかある事件に巻き込まれてゆく。
三年前起きたペット殺し事件と、それにまつわる悲しい出来事に。

泣きました、案の定。
原作を思い返してみると、一体これをどうやって映像化するんだ?
と疑問が湧いていました。文章の中では伊坂さんの巧な文章で、
河崎を二人描く事が出来ましたが、いざ人を配置するとなると、
河崎がドルジであることがばれてしまうからです。
でも、ご心配なく。とてもいい映画に仕上がっていました。
小説を読んでいても、先入観なく観る事が出来、
そして、秘密が解かれた時の、心に響く感じがとても良かったです。
まず、この映画の良い点の一つは椎名役、濱田君がいい味を出している。
はっきり言って、原作は濱田君のイメージではなかったのですが、
あの素っ頓狂ぶりというか、考えていなさそうで考えているところが、
ちょうど物語の中の椎名とマッチして、良い流れが感じられました。
あとは、くどくないところがいい。観ていただければ分かるのですが、
椎名が、河崎の正体を見破ってから、もう一度物語りが回り始めます。
一度出てきた映像、演技なのに、配役が変わり、背景描写を知った後に、
それを観ると、どうしても胸が熱くなり、涙が流れました。
死んでしまった人間に成りすまし、殺人計画を練る。
それはどんなに辛かったろうか、どんなに寂しかったろうか、と考えると、
所々で見え隠れする、彼らの仕草や口癖が悲しくてたまりませんでした。
「ディラン」
そう、瑛太が濱田君に話し掛けるシーンがあります。
一番最初に椎名が聞いたドルジの言葉「ディラン」と、
「うわぁぁぁ!」というドルジの嘆きの後に聞く最後の「ディラン」、
この二つを聞くと、あの時のドルジは、こんな事を考えていたのかと、
しみじみと感じ、あの一言「一緒に本屋を襲わないか?」が、
どれだけ思いつめた言葉だったのかが、よくわかりここでも涙を堪えました。

一つ難点だったのは、この映画お金をかけてないのか?とふと思ったこと。
無言のシーンで小さく「カタカタカタカタ」と聞こえていて、
これはわざとなのか?それともお金がないのかと悩みました。
そういえば、「シッポサキマルマリ」が出てこなかったなぁ。
まぁ音楽は「ボブディラン」、効果音も適切で文句なし。
とても良かったです。一度見て損はない映画です。

*90

■公式サイト
http://www.ahiru-kamo.jp/

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コメント

私も泣きました...。
ドルジが2度目に『ボブ・ディラン』を聴いた時は、こういう状況だったのか、と。

『シッポサキマルマリ』は出て来ませんでしたね(笑)この言葉、可愛い。
きっと、しっぽの先が曲がって丸くなっている黒猫がいなかったでしょうね。

投稿: あん | 2007年8月 3日 (金) 12:31

>あんさん

よかったですよねぇ。
私もちょっと原作を越える感動があったのでは?と思いました。
伊坂さんの原作も勿論よかったのですが、泣かなかったので。
そう今度「死神の精度」と「重力ピエロ」も映画化らしいですね。
是非「重力ピエロ」も読んでみてくださいね。

「シッポサキマルマリ」は、
無駄にCG使わなくてはいけないからじゃないか、
と私は思ったのですが…どうだろう。
だって尻尾に何か付いてたら、猫って取っちゃいますからね。
それに宝くじを当てるという要素しかなかったから、
盛り込みすぎな分を省いたのかも知れませんね^^;

関めぐみは「恋は五・七・五」もいい味出してますよ。
映画全体はそうでもないんですが…(言っちゃった・笑)
こちらは主人公なので是非。

投稿: るい | 2007年8月 3日 (金) 14:43

るいさん、やっと観にいくことできました!
今自分で書いたブログとるいさんのブログを読んでみたら、なんか内容かぶっている・・・・。ごめんなさい(^^;
以前読んだのが頭に残っていたんですね。
瑛太って『アンフェア』のときもそうでしたけど、こういうちょっとダークな部分を不本意にも持ってしまった若い青年の役が合いますよね。
『のだめ』の時のはじけぶりも好きでしたけど。
濱田くんは演技がうまくて感動しました。

投稿: 由松 | 2007年8月 4日 (土) 11:32

>由松さん

こんばんわ~こちらにもコメントありがとうございます^^*

無事観にいけたようでよかったですね^^*
これは絶対観ておいた方がいい作品だと思います。
瑛太は確かに「アンフェア」のイメージが強いかもしれませんね。
あとはちょっと古いけど「オレンジデイズ」
「ウォーターボーイズ」のイメージも残ってます。
そうそう、ちょっと秘密を持っているようなところがいいですね。
本人、役をやっていない時は、超暗い人らしいですよ。笑
楽屋で会っても話しかけないと喋らない、とか雑誌に載ってました。
そんな彼も好きですが、今回のプータン人もよかったですよね。
あと素っ頓狂な役の濱田くんといいようにマッチして、
思いっきり泣いちゃいました。

これなら伊坂さんも大満足だろうなぁ、の一作。
よかったですよね。DVD欲しいかも。

投稿: るい | 2007年8月 4日 (土) 23:21

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