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2007年6月29日 (金)

「クローズド・ノート」 雫井脩介

クローズド・ノート クローズド・ノート

著者:雫井 脩介
販売元:角川書店
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うーん微妙。惜しいなぁ、雰囲気は瀬尾さんみたいで好きだったのですが。
途中であぁ書いてるの男の人だな、と分かっちゃうあたりが悲しい。
文中に出てくる手紙やノートは、作者のお姉さんの実物のようで、
とてもいい感じでした。あ、映画やりますが、沢尻エリカは似合いません。

何をやっても中途半端な香恵は、いつも葉菜の事を羨んでいた。
葉菜には彼氏もいるし、自分の目標もはっきりしていて、
そろそろ留学する事も決めている。
急かされるように自分の未来を想像するのだが、上手くいかない。
不安を抱え始めた香恵は、気を紛らわすため「ノート」を読むことにした。
これはこのアパートに前住んでいた人が置き忘れた一冊のノート。
香恵は読むほどに共感し、そして持ち主・伊吹の思いに引き込まれてゆく。

第一に感じてしまうのは、ノートありきの本だ、ということ。
この伊吹という先生は作者の亡くなられた、
実のお姉さんをイメージして書かれたようです。
それを大事にしている様子が、文章からも滲み出ていて、
また臨場感のある伊吹と生徒の母親とのやりとりが、
より物語を広げるという点で、良い効果だったと思います。
残念なのは、全てはノートのために!
という作者の固定観念が、うっすらと見えるため、
共感できないところにあると思いました。
はっきり言ってしまえばノート以外の部分は杜撰でした。
主人公がいじけそうになるとノートを読み、恋をするとノートを読み、
そして主人公が、全てノートを肯定する…。
そんな様子が何となく白々しいと思える部分があり、
あとがきを読んだ時に、原因がわかり、なるほどと思ったのです。
特に何だかなぁと思ったのが、主人公が石飛さんの恋に気づくあたり。
勝手に一人で盛り上がって、お花が欲しいというようなことを言ったのに、
たまたま来なかったからといって、一人激昂していじけている。
メールが来ても恋人きどりで返信しない…そんな様子を想像し、
これは男性的な感情なんだろうな、と少し思ったりしました。
ところどころで見られるそんな描写で、主人公が女なのに…
と歪な心理表現に感じてしまい共感できませんでした。
折角いいノートなのに…もっといい使い方あったんじゃない、と思う。
少し残念なお話でした。映画はきっと観ないな。
主人公は沢尻エリカというよりは、私は綾瀬はるかのように感じたのですが;

★★★☆☆*84

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