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2007年6月18日 (月)

「この本が、世界に存在することに」 角田光代

この本が、世界に存在することに (ダ・ヴィンチ・ブックス) この本が、世界に存在することに (ダ・ヴィンチ・ブックス)

著者:角田 光代
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エッセイかと思ったら、エッセイではありませんでした。
タイトル通り、「この本が、世界に存在することに」感謝する本。
本好きならば、一度は感じたことのあるこの感覚を、
角田さんがSSで巧みに描いてくれています。

「彼と私の本棚」
彼の家に遊びに行き、彼の本棚を見たとき、
まるで自分の本棚を見た時のような親しみが湧いた。
実際に私が持っているものと、同じ本がいくつもある。
同棲する事になった私たちは、本棚も共有するようになった。
一緒にいるのだから同じ本は二冊要らない。
そう言ってお互いがちぐはぐに買い集めた本が本棚に納まっていて、
そして今、この家を出て行こうとする私は、また自分の本を選り分けている。
それは共有した思い出を、そっと引き剥がしているのと同じなのだ。

SSなので、10編も入っているのですが、
話が多いからか、微妙に「これはこじ付けがましくないか?」
と思う話がいくつかある。何せ全部本にまつわる話しなので。
私の希望としては、短編二本くらいの長い話にした方が良かったのでは、
と思いつつ、これだけ色々な本との接し方があると考えれば、
さもありなん、それもいいかも知れないと少し思う。
しかしながら、話の一本一本はとてもよい物でした。
最後の一編はエッセイになっているのですが、それを読んで
「この本がなかったら今の私はいないかもしれない」
と思う本、について考えていました。
本を読む、その行為は当たり前過ぎて、深く考える事が難しい。
だけど、よくよく振り返ってみると、私の人生の節目節目には、
あぁあの時はあんな本を読んでいた、と言う記憶があるのです。
小学校の時は森さんの「カラフル」とか、伊藤さんの「ミカ!」とか、
中学校の時はアレックス・シアラーの「青空の向こう」とか。
高校の時は夏目さんの「こころ」とか。
読書離れから引き戻してくれた、伊坂さんの「重力ピエロ」とか。
小説に引き込んでくれた、春樹さんの「ノルウェイの森」とか。
そんなこんな振り返ってみると、もしもあの時あの本がなかったら?
と少しだけ不安になるのです。当たり前の様に過ぎてきた読書生活を、
支えてくれた大切な「本」たち。是非皆さんも、スタートラインに立ち、
「この本が、世界に存在することに」ついて考えてみてはと。

★★★★☆*87

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コメント

 こんにちは♪

 私もエッセイかと思ってました。
 しかも、読み始めて途中まで^^;;

 「本」との関わりや、いろんな思い出について
 振り返って考えさせられますよね。
 本を読むことはもう私の生活の一部で、
 いろんなものを本からもらいましたから。

 すごくよい本だったなぁと思います。

投稿: miyukichi | 2007年8月19日 (日) 17:38

>miyukichiさん

こんにちわ!こちらもTB&コメントどうもありがとうございます^^*

そうそう、私もしっかりエッセイかと途中まで思っていました。笑
でも、明らかに違うだろう的な登場人物によって、
(おまけにあとがきを先に読んで)ようやく気付きました。

内容はいい本でしたね。
本について振返る事はたくさんありますもんね。
読みながら、「そうそう」とか頷いたり、
今部屋に散乱する本たちを処分する時は、
やっぱりこんな気持ちになるんだろうか?
とか想像しながら楽しめました。

やっぱり角田さんはいいなぁと思いますね。
角田さんの本も攻略計画中です。
結構出してるんですよねぇ^^;読み潰すの大変そう…。

投稿: るい | 2007年8月20日 (月) 11:24

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 角田光代:著 『この本が、世界に存在することに』  この本が、世界に存在することに (ダ・ヴィンチ・ブックス)角田 光代メディアファクトリーこのアイテムの詳細を見る  「本」にまつわる短篇集なのですが、  途中の何篇かまで、  てっきりエッセイだと思ってました^^;;  あとがきで角田さんが書いておられることに、  深く同感でした。  同じ本でも、読む年齢によって感じ方は変わる。  20歳のときに読んでつまらなかった本が、  30歳で読むと行間がいろいろ理解できて、  心にじゅわんと沁みるこ... [続きを読む]

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