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2007年6月 5日 (火)

「スタア」 清水義範

スタア (幻冬舎文庫 し 2-7) スタア (幻冬舎文庫 し 2-7)

著者:清水 義範
販売元:幻冬舎
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うーん、ごめんのむさん。あんまりいただけなかった。
ストーリーはいいと思うのですが……、
というよりも、むしろこの本はエッセイのような感じで、
物語性がない気がしてなりませんでした。特に前半。

一昔前アイドルとしてデビューした高杉は、
今年三十一歳を迎え、芸能人としての境地に立たされていた。
いつしか歌手としての道は閉ざされ、女優にもなれない。
そんな彼女が進むべくは、バラエティ・アイドル、通称バラドルだった。
後輩が次々とデビューし活躍する中、
必死に自分の存在意義を見つけようと、暗中模索する。

まず一番気になったのが、途中で語り手が三人称から一人称に変わっている。
「高杉は~」となっていたのが、途中「私は~」に変わっているのです。
「私は~だ。高杉は思った」ならいいのですが、「高杉は思った」がない。
まるで主人公が自ら語るような形になってしまい、日記部分と混同する。
これは小説では結構ありない事だと思うのですが、どうなのでしょう。
客観的に書けないなら、初めから「私は」に統一してしまえばいいのに、
とその部分が終始気になってしまって、あんまり楽しめませんでした。
ストーリー……というよりは、一人のアイドルの人生を振り返る、
という感じで、やたらと過去回想部分が多く、主人公が卑屈である。
途中で出てくる日記も、本当にアイドルとして頑張りたい人間なら、
あんなに赤裸々に語らないのではないか、と思いました。
なぜなら、テレビに写る仮初の自分が「アイドル」なのであって、
本音を語ってしまっては、ただの人になってしまうのでは?と思うから。
それに、主人公はやたらと一般人を差別的な眼で見る。
最近読んだ芸能ものでは、綿矢さんの「夢を与える」がありましたが、
まだこちらの方が感情移入できたような気がしました。
しかし、有頂天になった(私は芸能人なのよ!みたいな)アイドルの、
心境や、心配する物事や、プライドなんかは、とてもリアルです。
そこを生かして、もう少し物語性が強かったら、と思いました。
エッセイ苦手の私には、少し合いませんでした。

★★☆☆☆*77

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コメント

お~ぅ、の~ぅ。
無責任にむかーし読んでたやつ勧めちゃってごめんよ~。
今手元にないから何とも言えないんだけど、そっかぁ、合わなかったですか。残念でした。貴重な時間を。。。申し訳ない!!

私結構エッセイ好きなので、そこら辺はちょっとずれるのかも知れないですね~。
そういえば、私は「しゃべれどもしゃべれども」もすごく好きだったし。
だとしたら、「都立水商」もダメかなぁ。。。
どうだろう。。。お暇な時に図書館で試してみてくださいな。

最近、伊坂さんの「チルドレン」をようやく読みました。
…うーん、やっぱり、「重力ピエロ」「オーデュボン」あたりがすきだナぁ。つぎは「何とかとなんとかとコインロッカー」が読みたいです。

そういえば、友達の本だったので、すっかり話をするのを忘れてましたが、三崎亜紀さんって読みましたか?「となりまち戦争」私あれも結構好きです。文庫化したし、よろしければ。

実は日本近代文学のゼミに入っておりまして、最近はすっかり樋口一葉にうなされてます。「たけくらべ」。。。
面白いよ!!おもしろいんだけどっっ!!

腹いせに買った海外小説が想像どおりにつまらなくて腐っているのむよりでした。長々と失礼しました。

投稿: のむ | 2007年6月 7日 (木) 01:14

>のむさん

のむしゃん!!( ̄□ ̄;)ごめんよぅ、悪気はなかったのです。
いや、本当。エッセイ好きなら楽しめたと思う一冊でした。
いかんせん、私が悪い。大丈夫、私の時間は貴重ではないし、
麻疹で休みで暇すぎたので、本は生きる糧のようなもので。

>そういえば、私は「しゃべれどもしゃべれども」もすごく好きだったし。

あぁ、これは私夏目さん好きだからだと思う。
佐藤さんも嫌いじゃないよ、むしろ好きなんだけど、
あの夏目さんを模倣したような書き方が、うーんと思ったのであります。
映画観ようか、観まいか迷いつつ。のむさん観るの?

>だとしたら、「都立水商」もダメかなぁ。。。

探してみる~!今検索したら、これ漫画も出てるの?
猪熊しのぶが絵を描いているようで、「おぉ!」とか思っちゃいましたよ。
いや、昔サンデー読んでいたので「サラダデイズ」とか、好きだったな、と。
ごめん、マニアック話でした。

>最近、伊坂さんの「チルドレン」をようやく読みました。
>…うーん、やっぱり、「重力ピエロ」「オーデュボン」あたりがすきだナぁ。つぎは「何とかとなんとかとコインロッカー」が読みたいです。

「チルドレン」読みましたか!
私も~好きだけど「重力ピエロ」や「オーデュボン」には負けるね。
「アヒルと鴨」もどっちかって言うと、「チルドレン」方面かなぁ。
一応事件は起きるので、「重力ピエロ」の雰囲気はあるけど……。
私もそうだったのだけど、「重力」や「オーデュボン」を好きで、
他の作品を読んでしまうと、「うーん……」と思ってしまう事がある。
難しいね。私は「死神の精度」をお薦めしておこう。連続短編だけども。
文句はつけたけど、「アヒルと鴨」もなかなか良い方です。是非読んで!

>三崎亜紀さんって読みましたか?「となりまち戦争」私あれも結構好きです。

気になってました!三崎さん。「となり町戦争」
昨日読んだアンソロジーに三崎さんの短編があったのです。
この人戦争好きなんだろうか……?と言う疑問も抱きつつ。
図書館で借りてみますわ^^*

>最近はすっかり樋口一葉にうなされてます。「たけくらべ」。。。

樋口一葉ですか、五千円札じゃないですか。
「たけくらべ」なんかむかーし読んだ?というか学校でやったような。
難しそうねゼミかぁ、頑張って下され。
樋口さんの良さを後で熱く語って下さいな、焼肉の時にでも。

>腹いせに買った海外小説が想像どおりにつまらなくて腐っているのむよりでした。

海外小説ほぼ読んでないな、最近。
特に現代の物はさっぱり。継続して読んでいるのはハリーポッター位だよ。
そうだなぁ、随分前にはまっていたけど、
アレックス・シアラーさんの本はいいよ。大体外れない。
というか翻訳がいいのかな、アレックスさん原作で、
金原瑞人さん翻訳だと、面白いです。
中学生の時とか結構読んでいたんだけど、ちょっと児童書系かな。
「青空のむこう」とか「チョコレート・アンダーグラウンド」とか、
そのへん面白かった気がするよ。最近新作も出たみたいで、密かに気になる。

そんなところです。焼肉です。忘れちゃいけません。では。

投稿: るい | 2007年6月 7日 (木) 11:03

や…や…やきにく…(倒)。
テストとレポートで衰弱死目前のkobaです。
ここに来たのは息抜きという名の現実逃避です。
ひろい心で受け入れて下さい。
(すみませんやぶからぼうに無理な注文をつけて)

清水義範って「おもしろくても理科」書いてる清水義範?
そういう小説も書いてるんだ。(別人か?)
「スタア」というのは読んだことないけど
「おもしろくても理科」は面白かったです。
内容は若干うさんくさい部分があるけど、
西原理恵子がイラスト書いてるからおもしろいよ。
あと「永遠のジャック&ベティ」と「国語入試問題必勝法」は
T田井先生の推薦図書です。
この二つは短編なので、これだけなら立ち読みで即読み終わると思います。
ぜひどうぞ。「くすっ」と笑えます。

すみませんずっと寝てない(そしてこれからも寝れない)ので文章がへろへろです。
改行とかめちゃくちゃでごめん。
田舎の学校なのではしかはほとんど蔓延することなく、
休校になっている東京の学校をただ羨ましげに眺める毎日です。
いや、休校になったらあとあと補講とかで大変なんだろうってわかってるんだけど、
僕は今切実に休息を求めておるので、羨ましいのです。

ただの愚痴になってしまった。ごめんね。
はしかにはならなかったけど地味に胃腸をウイルスにやられて
地味に具合が悪いkobaでした。
何事も中途半端はよくないよね。
なるならはしかだったよね。
では。

投稿: koba | 2007年6月 8日 (金) 22:40

うぅ、先生の名前間違いました…
先生にはないしょでね。

投稿: koba | 2007年6月 8日 (金) 22:44

>kobaちゃん

焼肉~どうもぉ。
お疲れさんですわ。私もたっぷりレポートが溜まってるのに現実逃避中。
休日映画を観まくっている次第です。
私も月末あたり衰弱死予感ですわ、是非にポーションを実験で作って下さい。
心待ちにしておりますわ、本当。

>清水義範って「おもしろくても理科」書いてる清水義範?

うーん、多分同一人物だと思うよ。
本職はそっち系みたいなので。小説は少ないけどあるようです。
うさんくさい理科っていいんですか(笑)
西原恵理子をお知らないのですが……。
「永遠のジャック&ベティ」と「国語入試問題必勝法」も清水義範?
くすっと笑ってみようかな、レポートが終わったら図書館で借りてみるよ。

麻疹のお陰で夏休み返上ですよ……最悪。
胃腸のウィルス大丈夫かい?ノロウウィルス?O157?
むしろ麻疹よりそっちの方が直下型じゃないか。
お大事に。

ごめんよ、レポートが差し迫ってるので、そろそろ手をつけますわ。
落としたら絶望だからもう、この授業取るの二年目なので。ふふふ
では。

投稿: るい | 2007年6月10日 (日) 14:12

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