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2007年6月22日 (金)

「メリーゴーランド」 荻原浩

メリーゴーランド (新潮文庫) メリーゴーランド (新潮文庫)

著者:荻原 浩
販売元:新潮社
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久しぶりに荻原さんでした。半年ぶり……?随分読んでませんでした;
読み始めて再認識しましたが、やっぱり荻原さんの話は面白いですわ。
途中まではページを忘れてすいすい読んでいました。
が、問題は展開の悪さかな……後半にかけて凄くつまらなくなるんですよね。

お役所勤めの啓一は、いつも何をするでもない仕事をこなし、
定時に帰宅するという味気ない生活を送っていた。
民間企業から転職した事もあり、会社での風当たりも強く、
また、友人などには「いいよな、公務員は」と嫌味を言われる。
そんな啓一はひょんな事から、市内にある錆びれたテーマパークを
再建する事になった。何のとりえも無いその観光施設は、閉演寸前だ。
啓一はどうにか繁栄させようと、公務員という柵を捨てる覚悟をする。

問題はどこをラストにするか、という所にあると思う。
読んでいて中盤まではとても面白い。
テーマパーク再建に向けて、旧友の大道芸人団体が登場したり、
手伝ってくれるボランティアがヤンキーだったり、
と個性も色々で楽しめるし、再建に向けた意気込みの表し方もよい。
再建に向けて絶対に成功させなければいけない、
ゴールデンウィークイベントと言うのも、何だかんだいって、
纏まり始め、公務員では味わえなかった達成感や、
遊びの楽しさを実感でき、お役所的なガチガチの仕事はダメだと教訓になる。
しかし、その冒頭から中盤にかけてほぼイベントの事しか触れてないから、
読者としては、「きっと素敵なテーマパークになり、そして、
メリーゴーランドが廻ってるんだろうなぁ…」という期待があるのだが、
そもそもメリーゴーランドが不許可で設置できない上に、
突如として、仲がよかった妻が敵対勢力になったり、
いきなり選挙で知事が変わり、テーマパーク閉鎖、などとなり、
かなり強引な展開のイメージを受けた。
その強引さが、折角の最後のシーンを台無しにしているだけでなく、
前半で主人公が頑張った成果が水の泡になり、一体何が言いたかったんだ?
と疑問が残る。せめて「――三年後」とかにして、
頑張ったがどうしても再建できず閉園になったテーマパークで、
メリーゴーランドを乗ったらいいのにと思った。
そのためには、選挙の部分は要らないし、イベントとともに終了でよさそう。
うーん、微妙。お薦めしない。これなら「オロロ~」や
「神様から~」の方が楽しいと思うのでそちらを是非。

★★☆☆☆*76

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おもしろかった! 痛快なストーリー展開、個性的な脇役陣、ほろ苦い現実なんかを織り交ぜて、暖かい読後感が残ります。 ★★★★☆ こ、この俺が、超赤字テーマパークを立て直す?!――地方都市の村興しに翻弄され... [続きを読む]

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