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2007年4月11日 (水)

「家日和」 奥田英朗

家日和 家日和

著者:奥田 英朗
販売元:集英社
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20070410_1 
新刊をすかさずかって読んでみました、短編集。
日記にも書きましたが実はサイン本です。うふふ。得した気分です。
伊良部シリーズ以外読むのは実は初めてだったのですが、
この本もユーモア路線でした。伊良部は出てないけど、そんな感じの雰囲気。
初め読んで面白さに感激だったのですが、
徐々に慣れるのか一番最初が良くて、最後が微妙に感じました。

「サニーデイ」
42歳の紀子は、夫と子供が2人いる。
何不自由の無い生活だったのだが、何もイベントがなく
過ぎ去ってゆく日々にマンネリ化し、飽き飽きしていた。
そんな時ひょんなことからオークションに興味を持ち、
家にある、いらない物を次々に出品し始める。
落札者の感謝の言葉にそのつど一喜一憂し、
嬉しさを家族に伝えるのだが、誰も相手にしてくれない。
腹が立った紀子は、夫の大事にしていた物を売ってやろうと悪事を働く。

「サニーデイ」は一番目に載っているのですが、私は一番好きでした。
日常の退屈さのあまり、オークションにはまってしまうところや、
落札された時の喜びを、思わず「ねぇねぇ売れたよ!」
と報告したくなるところにとても親近感が持てて、紀子を応援していました。
こっそりと悪事を働き、夫の大切な物を売ってしまう。
だけど、全然使って無いし、必要あるとも思えない、
それに、私を全然構ってくれないのがいけないのよ、と憂さ晴らしするのだ。
でも、子供たちの持ってきた花束に思わず泣ける。
「あぁちゃんと私の事を考えてくれていたのか」と言う感激と、
自分がやってしまった大変な事を思い出す。
紀子の慌てようがまた面白くて、でもそこにはたっぷりと愛情が詰まっている。
求めていた物はサニーデイ。食卓に花を飾るであろう明るい日々が、
紀子に待っている気がして、温かい気持ちになれました。
その他、5本短編が入っているのですが、個人的には後ろに行くにつれ、
あんまり楽しくなかった・・・うーん。順番って決めるの大変ですね。
特に一番最後の「妻と玄米御飯」は、ちょっと自虐ネタと言うか、
自虐ネタだと思っている読者をあざ笑ったかのような話で、
読んでいて素直に笑えませんでした。
作家が出てくるのは分かるのですが、自分にしなくても・・・みたいな。
いや、でも全体的にはとても好きでした。
ほのぼののんびりした、家族の温かさを感じたい時に。

★★★☆☆*87

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コメント

こんにちは!ご無沙汰でした。忙しかった日々も終わり
待ちに待ったGWも・・・あっという間に終わり
釈然としない思いをしながらも明日から仕事です(--

るいさんサイン本じゃないですか!早速オークション?
「サニーデイ」は私も楽しめました。
旦那の持ち物をオークションに出す!異様に値が上がる
ので調べてみると・・・
そしてまた腹いせに旦那のオーディオを出品またしても
高額に・・・出品する前に調べてあげてよ~って思ったよ

「ここが青山」も好きな一編です。旦那と奥さん立場が
入れ替わってみるとあらびっくり!倒産が一つの家族を
より潤滑に一つにしてしまったってお話ですね
「家においでよ」は共感できる作品でした。まあ私も
独身で家は私好みにしてるわけだし部屋のレイアウトは
好きな映画と本に囲まれ好きなときに好きなだけ映画を
見て本を読んでと凄い「贅沢」な環境です。
でも好きな人と結婚して趣味が二人を引き離すというのも
おかしな話ですね・・・

投稿: せつら | 2007年5月 7日 (月) 09:10

>せつらさん

こんにちわ~TB&コメントどうもありがとうございます^^*

こちらこそご無沙汰です!!いらしてくださってありがとうございます。
私もやれ仕事、やれ学校、やれGW・・・と何やら忙しいです。
連休明け辛いですよねぇ・・・頑張りましょう。

そうそう、サイン本なのです。いや、これは普通に書店で。
東京の本屋って凄い!と感激しました。
今度からは大きな書店で買おうと決めました。

「サニーデイ」楽しかったですね。
私もオークション始めたばっかりだったので、
主人公の気持ちが凄く良く分かりました。
「評価:1」になった時の嬉しさ。とか。笑
あの最後の必死さには愛情を感じましたね、思わずウルっときました。

>でも好きな人と結婚して趣味が二人を引き離すというのも
>おかしな話ですね・・・

まぁ確かに・・・でも熟年離婚とか、それの延長なのかしら、
なんて最近思ってしまうのですけども。
こう、子供も出て行って、やれ自由だと思った時、
趣味趣向が違うから離婚しちゃうんだろうなぁ、と。

どれも良かったですねぇ、伊良部シリーズばかりだったので、
とても新鮮でよかったです。次はマドンナでも。
そう言えば、このタイトル「夫婦日和」でも良い気がするのです。
そう思うのは私だけかな・・・。

投稿: るい | 2007年5月 8日 (火) 14:54

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» 家日和 [本を読もう]
この短編集は、6つの短編で出来上がっています。 それぞれ、いかにも今風で、いかにもありそうな家族風景です。 でありながら、凡百の人々でもないのです。 倒産で失職したからすぐに職を求める訳でもなく。 妻との別居も愉しみに変えてしまう。 平凡そうに見えても、平均とはちょっと違う行き方の方が楽しいよ、って言ってるみたいで面白いのですね。 ... [続きを読む]

受信: 2007年4月22日 (日) 07:49

» 『家日和』 [眠り猫の憂鬱]
 著者:奥田秀郎  出版社:集英社  初版:2006年  作品発表年:2005〜2006年 ネットオークションにはまる専業主婦。会社が倒産し、主夫となる 営業マン。夫と妻。ちょっとずれていて、でも愛情がないわけでな く…。ずっと外にいた夫の王国か。ずっと家にいた妻の城か。 ... [続きを読む]

受信: 2007年5月 7日 (月) 09:03

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