« 「ボーイズ・ビー」 桂望実 | トップページ | 「八月の路上に捨てる」 伊藤たかみ »

2007年3月27日 (火)

「空中ブランコ」 奥田英朗

空中ブランコ 空中ブランコ

著者:奥田 英朗
販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する


久しぶりに奥田さんに手を付けてみました。
いやはや、やはり面白いです、伊良部さん。
今回も電車の中で笑ってしまうのを必死に堪えつつ、読み終えました。
あと、町長選挙も伊良部シリーズ?
後で借りてこようと思います。

「義父のヅラ」
エリート医師である達郎は病院に勤務しながら、大学の講師をしている。
そんな彼の一番気がかりな事は、院長である義父のヅラだった。
妻は、温室で育てられたような教育を受けているから、
行儀にはうるさくゲップをする事すら許されない。
ましてや、義父のカツラを指を指して笑う事など、持っての他だ。
しかし、いかにもカツラだと分かる生え際を見るたびに、
取ってやりたい衝動に悩まされ、達郎は伊良部総合病院へとやってくる。

思わず、「むふふ」と笑いたくなるエピソード満載。
それぞれの症状に悩まされ、伊良部総合病院にやってくる患者たち。
皆真剣に悩んでいるはずなのに、伊良部に相談した途端、
「こいつよりは自分の方がマシだ」と呟いている。
伊良部から次々に差し出される無謀な荒療治に大笑いです。
特に笑ってしまったのが「義父のヅラ」でした。
何故か義父のヅラを公衆の面前で剥がしてやりたい!
そんな心境をちょっと頷いてしまったりして、
取りたいけど、取れない、もどかしさが伝わってきました。
何かの原因で一つの事に固執してしまうことってあると思います。
今回はまぁヅラだったわけですが、その対処法にまた愕然。
治す方法はただ一つ、実際に一度とってみればいいのです。
ふとカツラを手にしてしまった時の何ともいえない感触がたまりません。
終わってから分かる事ですが、そう言う事は、
ちょっとしたストレスが原因だったりします。
例えば行儀作法が厳しすぎるとか。
そんな事でいちいち悩むのって馬鹿らしいじゃないか、
と伊良部を見ていると逆に思えてきます。
決してヤラセじゃない体当たり一番勝負、
と言うかむしろ何も悩まない5歳児に戻ってしまえみたいな、いいですね。

★★★★☆*87

|

« 「ボーイズ・ビー」 桂望実 | トップページ | 「八月の路上に捨てる」 伊藤たかみ »

コメント

るいさん、こんばんは。
奥田さんのこのシリーズ、ホントに面白いですね。
伊良部のキャラがまたいいんですよね。
キモいんですけど、自分の病んでたことを忘れちゃうくらいのインパクト!
こんな先生いたら面白いかな?

投稿: 由松 | 2007年3月29日 (木) 20:07

>由松さん

こんにちわ!
コメントどうもありがとうございます^^*

本当、面白いですよね~伊良部シリーズ!
「空中ブランコ」なんて表紙からは想像出来ないほど笑えますよね。
何と言うか、表紙でもっと「面白いですよ」的なアピールが、
必要なのではないか・・・と勝手に心配しています(笑)

伊良部のキャラいいですよねぇ~いそうで、いませんでしたね。
ここまで頭のネジが抜けてしまっているキャラクターは。
これで「先生」なのだから、ちょっと現実を疑いたくなる、
と言う主人公達の気持ちがよーくわかります。
毎度繰り広げられる、突飛な作戦?に笑わせられています。
こう、同じようなパターンのくせに飽きない楽しさって凄いですよね。
むしろ私は「イン・ザ・プール」よりもこちらの方が好きでした。

面白いかもしれませんね。
こんな先生いたら、確かにかかってみたい気もします。
まぁ症状が重すぎて仕方がない時の、最後の手段でしょうか(笑)

投稿: るい | 2007年3月30日 (金) 14:29

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/126354/5885536

この記事へのトラックバック一覧です: 「空中ブランコ」 奥田英朗:

» 空中ブランコ [本を読もう]
すごく面白い小説です。 安心して人に勧められます。 僕がこの作品がスゴいと思うのはただ笑えるだけじゃなくて、この作品に出てくる患者たちが現代を生きる僕たち一人一人を表してるのではないかと思わせることです。 彼ら、彼女らほどではないけど、僕らも程度の差こそあれどこかおかしい所があって非合理的 な行動を取る。 それはもしかして現代社会を生きるためには仕方のないことなのか ... [続きを読む]

受信: 2007年4月23日 (月) 17:25

« 「ボーイズ・ビー」 桂望実 | トップページ | 「八月の路上に捨てる」 伊藤たかみ »