« 「Run!Run!Run!」 桂望実 | トップページ | 【映画】檸檬のころ »

2007年3月15日 (木)

「さみしさの周波数」 乙一

さみしさの周波数 さみしさの周波数

著者:乙一
販売元:角川書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する


乙一さんも残り少なくなってきてしまいましたが、
やっぱり読みたさには勝てなくて読んでしまいました。
とは言っても、「失はれる物語」に入っていたものもあったので、
新しく読んだのは2編しかなかったのですけども。
「さみしさの周波数」って言う題の話があるのかと思っていたので、少し残念。
そしてあとがきの方が面白いという難点も然り。

「フィルムの中の少女」
唯一の趣味であった映画に携わろうと、
大学生になった私は映画研究会に入ることにした。
監督や役者でなくてもいい、映画が作られる様子を見ているだけで満足だった。
しかしある日、一人部室へやっ来た私は奇妙な一本のフィルムをみつけてしまう。
言いようの無い強烈な興味を引かれ、映写機で映し始めると、
そこにはいるはずの無い少女の後姿が映っていた。
気になりもう一度再生すると、少女が少しだけこちらに体を向けた気がする。

こわ~い!と思って読んでいたのですが、結局そうでもなかった・・・。
そうだよな、スニーカー文庫だし。
とちょっと残念な気もしましたが、この薄暗い怖さは、
久々に乙一さんを味わったという満足感を得ました。
あとがきによると乙一さんは大変苦戦したらしい、
切羽詰った作品のようですが、これはこれで個人的に好きでした。
やっぱりねぇ、いいんですよこの怖さの源である乙一さんの語り口。
淡々と続けているだけの怪談話なのに、いつの間にか
周りを気にするほど話に引きこまれ、必死にいるはずのない少女を怖がりました。
だってだんだんこっち向いてくるんですよ?怖いじゃないですか!
そんな発想と言うか、人間が恐れるポイントを上手く突いてくれるんですよね。
しかしながら、最後は猟奇的で終わってほしいよなぁと言うのが、
黒乙一ファンとしての一言です。
最後の犯人が先生でした、って言うのを途中からずっと期待していたのですが、
なんだ~残念、と言う感じで怖ろしいながらも心温まる話でした。
それはそれでいいのですけども。
個人的には「失はれる物語」が好きですね。

★★★☆☆*80

|

« 「Run!Run!Run!」 桂望実 | トップページ | 【映画】檸檬のころ »

コメント

大分前に読んだせいで、その少女が少しずつ動いて・・という話を想像して怖い!っていう事しか覚えていないのはどういうことでしょう!(覚えが悪いだけという話でしょうが)

毎回楽しみなのはあとがきですよね。やはり。

私は乙一さんの書かれた本で「小生物語」を一番始めに読んだせいもあると思うのですが・・
あんなに面白い日記を書ける人が、何であそこまで謙遜するのか?と疑問に思った位ですよ(笑)

話は変わりますが、「L25」がとうとう毎週木曜日発行に変わりますね!
豊島さんは締め切りに追われるのか?それとも更に他の作家が巻末エッセイを担当するのか?
どうなるんでしょう。

個人的には豊島さんのエッセイが沢山読みたいですが。

投稿: すきま風 | 2007年3月16日 (金) 21:09

>すきま風さん

こんにちわ~
コメントどうもありがとうございます^^*

そうそう、私ももう怖いという記憶しか・・・(忘れるの早い)
怖いですよねぇちょっとずつ振り向いてくるなんて・・・!
これはぜったい物凄い結末が待っているはず、
と期待してしまったのですが、残念。
そうなんですよ、一番面白いのがあとがき、って言うのかね、
いいのか、悪いのか(笑)まぁ締めで笑えていいですけどもね。

「小生物語」読んだ事ないんですよねぇ;
昔中身読んで、「あぁエッセイか」と買うのをやめたのですが、
今思えば面白いはずですよね、だってあとがきがあんなに面白いし。
乙一さんの謙遜癖はオタクならではなのでは・・・と。
意味が判りませんね。

そうそう、毎週になりますね・・・!
でも、ちょっと待ってください、ってことは私は毎週木曜日、
朝から徒歩通勤ですよ(涙)
設置場所を今の3倍って書いてありましたが、
私の利用している駅には絶対置かないでしょう、絶対。
例え「R25」はあってもマイナーすぎる駅なのですよ。
そのお陰であろう事かおくのを忘れられる事もあり、
夕方にしかおかれない事もあり、そんな不安定な収穫は嫌だ、
とか思っております。と言うことはやはり歩いてあの穴場のローソンでしょう。
頑張ります。

私も吉田さんのコラムが読めると思うと嬉しくて仕方ありません。
勿論豊島さんのもですけども。
「R25」では石田さんと高橋さんが交互ですから、
このまま2人で交互になるのでは?と思いますけど、どうでしょうね。
確かに締め切りに追われることになるでしょうけど、
そこはまぁ、ファンのために頑張って下さいよ、って事で(笑)
楽しみですね。

投稿: るい | 2007年3月17日 (土) 12:50

初めまして。昨日から底辺女子高生にはまって、ここに来ました。web本の雑誌のインタビューで前から気になっていたのですが、やはり面白かった。
僕は関東じゃないので、RとかLとか読めないのですが、あ、リクルートに直接行けば読めるのか、いやそれはないか、えーと、いいですね、読めて。
それと、コメントの中の、「吉田さん」って誰だ、と思ったけど、カテゴリー見て分かりました。この作家の横のあいうえお、分かりやすいし見た目も面白いですね。そこからも、本にはまっている楽しい感じが伝わりました。
あと、読む本もブログを読んでいる人に教えてもらったりしているのでしょうか。それってすごいことだなあ、と思いました。
失はれる物語は文庫だったら知ってます。ウソカノっていうのを覚えてます。

投稿: ぜんそく | 2007年3月24日 (土) 10:39

>ぜんそくさん

こんばんわ、コメントどうもありがとうございます^^*

>昨日から底辺女子高生にはまって、ここに来ました。
>web本の雑誌のインタビューで前から気になっていたのですが、やはり面白かった。

「底辺女子高生」よかったですよねぇ~私もエッセイ苦手なのですが、
そんな思いを吹き飛ばして読むことが出来ました。
面白い中に切なさや寂しさ、悲しさが詰まっていて、
読み終わった後に温かい気持ちになれたと思います。

>僕は関東じゃないので、RとかLとか読めないのですが、あ、
>リクルートに直接行けば読めるのか、いやそれはないか、えーと、いいですね、読めて。

そうですねぇ;都心以外では配っていないので、
手に入れるとなると、リクルートの公式サイトで直接注文しかなさそうです。
一応バックナンバーもあるみたいなので、
昔の物も手にはいるかと思いますが、送料が高いのですよ;
フリーなのにそこまでお金払えるか!ってなりますよね;
ちなみに「L25」には吉田修一と豊島ミホが、
「R25」には石田衣良と高橋秀実がエッセイ(コラム?)を書いています。

そうそう、吉田さん=吉田修一です。
最近の私の一押し作家さんです。
明るい話は少ないのですが、読んでいてとても落ち着きます。
今日新作「初恋温泉」も買ってしまったので、
これを読み終えれば全作品制覇になります。
嬉しいような、もったいないような・・・そんな気分です。
作家さんをあいうえお順にしたのは、何となく本棚をイメージしてです。
左から右に順番に並んでいないとダメな性分なので、サイトも。
自分でもどの作家をどれだけ読んだのか判るので結構好きなんです。

>あと、読む本もブログを読んでいる人に教えてもらったりしているのでしょうか。
>それってすごいことだなあ、と思いました。

本当ですね、凄い事です!
私も最近お付き合いしてくださる方が増えたので、
お薦め本が色々わかって、とても有り難いんですよ。
こう、趣味が似ている方とか、同じ作家さんを好きな方とか、
そう言う方が「この本いいよ」と言っているものは、
大体自分の好みにも合っているので、書評等とは別に利用させて頂いています。

乙一さんのウソカノは書下ろしでしたね!
単行本も買ったのですが、それには載っていなかったので、
そのお陰で文庫も買ってしまいました。
乙一さんもお薦め作家さんです「GOTH」「ZOO」
「暗いところで待ち合わせ」はとても好きな作品です。

では、またお時間がありましたら、是非遊びにいらして下さい♪

投稿: るい | 2007年3月26日 (月) 01:24

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/126354/5703925

この記事へのトラックバック一覧です: 「さみしさの周波数」 乙一:

« 「Run!Run!Run!」 桂望実 | トップページ | 【映画】檸檬のころ »