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2007年3月18日 (日)

「あかね空」 山本一力

あかね空 あかね空

著者:山本 一力
販売元:文藝春秋
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おとっつあんが死んだ辺りで読むのを止めていたのを思い出しました。
何だかやり切れなかったんですよねぇ、あの時は。
勿論、今回読んでみてもやり切れなかったのですけれども。
のむさん、しっかりお薦め読ませていただきやした。

京都から江戸に身一つでやってきた永吉は豆腐職人だった。
永吉は幼い頃、親に邪険にされ豆腐屋に奉公に出されたから、
いつもその事を考えていたつもりだったが、
ふいに我が子を見ると、自分がそうしているようにも感じる。
京都と江戸の味覚の違いの苦労や、人の人情、
家族の関係を親子2代にわたり描かれている。

まるで時代劇を見ているような、完璧な配役、展開、江戸人情でした。
この時代劇オタクの私(そうだったんだ)が言うのですから間違いない。
京都の豆腐を判ってくれる人が現れた喜び、
豆腐作りという素朴な職に命を掛ける江戸の心意気。
そう言った粋な感情が溢れ、貧しいながら華やいだ場面を思い浮かべました。
ようやく上向きになった時に起こる不況や、騒動、
お決まり事項ですが、それを乗り越えた時に感じる、
達成感と言うか清々しさは、一筋の思いに比例し格別な気がします。
しかし残念だったのは、親子2代を描いているところなんですよね。
いや、それが良い所なのかもしれないのですが、
私は話を早口で飛ばす部分が、略年表のようだ・・・
と思ってしまい、永吉が不憫に見えてなりませんでした。
結局のところ、最後に強情なおふみしか見ぬまま世を去ってしまう、
それはあまりに可愛そうな事で、子供たちもやり切れないだろうと思います。
せめて永吉が「俺は親に邪険にされて育ったから、自分もそうするのは嫌だ」
とか、おふみが「実はお参りの時に罰が当たったかもしれなくて」
等の夫婦の相談があり、子も更生して、これからも頑張ります!
みたいな感じの部分を経て、死んでほしかったんですよね。
ただでさえ、おふみの両親があんな死に方をしてるのですから。
しかしながら、全体を見てみれば、とてもよいお話でした。
始めに書きましたが、完璧なるお江戸を描いた作品です。
呆気なく死んでしまう、それこそ本来の人間の姿なのかもしれませんね。

★★★★☆*90

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コメント

無理矢理におすすめしたものをしっかり読んでいただいてありがとうございます!!
確かに、私も読んでいて苦しくて、苦しくて、つらかったです。
その苦しさから早く解放されたくて、一気に読んだのでした。
それと山本さんの描き出す江戸が完璧で、リアルだからこそ登場人物の息づかいまで聞こえてきそうでより苦しいのですよね。。。だんだんと変わっていってしまうおふみの切ないこと。
しかし私はこの話は長く、二代にわたって書いたからこそ意味があると思うのです。変わらざるを得ないのとすれちがいやすいのは、人間や家族の宿命だから。

といいつつも、やっぱり小説の登場人物にはみんな幸せになって欲しくなってしまうんですが。。。
その点、伊坂さんの「重力ピエロ」はいい意味で予想を裏切られ、さわやかな読後感でした。

いつも一方的に薦めてばかりで申し訳ないですが、今度は北村薫さんの「円紫さんとわたしシリーズ(創元推理文庫)」おすすめです!
以前『「スキップ」は高校生の時に読みたかった』と書かれてましたが、このシリーズは今が読みどきだと思います!

長々と失礼いたしました。ではまた。

そうそう、Dグレイマンデビュー、いたしました。

投稿: のむ | 2007年3月30日 (金) 19:25

>のむさん

こんばんわ~コメントどうもです^^*
先日はお花見に行けなくてすみません・・・行きたかったです(涙)
今度遊びましょう。焼肉が食べたい今日この頃です(笑)
是非焼肉誘ってください。(ピンポイントですか)

お薦め、しかと読ませていただきましたよ☆
これ、映画やるんだよねぇ、最近知りましたよ!
でも見たいような、観たく無いような・・・ちょっと微妙な線です。
時代劇としては完璧なストーリーだから、
観たら観たで面白いんだろうけどもね。

>確かに、私も読んでいて苦しくて、苦しくて、つらかったです。
>その苦しさから早く解放されたくて、一気に読んだのでした。

そうなんですよ、問題はそこなんです。
私もとっつあんが死んだ辺りでもう・・・と言う感じで、
苦しくして仕方なかったです。そして一気に読み進む。
こんなに辛い思いをしたんだ、きっとこの後この夫婦には輝かしい未来が来る!
と思っていると、来ない・・そこのなんて言うか物足りなさが目立ちました。
いや、勿論いいおはなしなのですけどもね、と一言付け加えさせてもらうけど、
やっぱりやり切れないことってあるじゃないですか、と。
主人公はやはり幸せになって読者を泣かせるぜ、くらいな心意気がほしいかな。

「重力ピエロ」はそうですねぇ、最後自首しませんもんね。
そこは、よかった~と安心するところではあります。
個人的にはあの最後の火葬場?のシーンで泉水が缶を振って春に渡す、
と言うシーンが何故か印象深く残っています。
爽やかですねぇ、結構最近読み返しましたが、
2度読んでも飽きない素敵な作品でした。

「円紫さんとわたしシリーズ(創元推理文庫)」ですねぇ~ラジャーです。
北村さんは好きですが、何となく最近ドロドロしたもの読んでいたので、
隅においやっていました。もしかしたら、探せばあるかも・・・。
ブックオフで大量購入しつつ、放置する人間なので、
買ったものをすぐ忘れます・・・。そしてまた買ったり。最低ですね。
とまぁ、個人的なことは抜きに、読んでみようと思います。
「スキップ」は某O先生がしきりに薦めていました。
読んでおけば良かったなぁ・・・と今更後悔していますよ。
では、この本も旬を逃さぬうちに読もうかと。

Dグレ読まれましたか!
何だかもう最終回まっしぐら?な気がするんですけど・・・。
どうなんだろう。最近漫画には興味がなくなりつつあります。
私から漫画を取ったら何が残るんでしょう(苦笑)
薄っぺらい人間になりそうで、怯えている今日この頃です。
最近夜中やっている、「コードギアス」とか言う、
随分痛々しい内容のアニメを見かけていたのですが、
何とこれマジコ!さんだった・・・。
凄いね、マジコ!さんアニメ化なんて。ちょっと応援したくなりました。
まぁ内容原作は違う方みたいですが、絵は綺麗ですからね。
何となくアニメはいつもCLAMPのアニメ担当の方なのか?と思いました。
セル画綺麗で・・・ってこんな事さり気無く話している辺りがオタクの証です。
マジコ!さんは、まじめたかこさんですよ。確か本名だったかと。
ミカさんが好きだった?方だったような。
まぁいいや、この話は。
そんな感じです。
私はまだ黒みたいです。
誘ってくれれば多分ビックサイトも行きますよ?(笑)

Dグレはアニメを見て見たい今日この頃です。
見たこと無いのですよ、一度も。深夜枠に入ればよかったのに・・・。
と恨めしく思っております。

投稿: るい | 2007年3月31日 (土) 22:19

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