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2007年3月 4日 (日)

「女たちは二度遊ぶ」 吉田修一

女たちは二度遊ぶ 女たちは二度遊ぶ

著者:吉田 修一
販売元:角川書店
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微妙・・・。
どうしたんだ?吉田さん。折角期待していたのにがっかりだよ・・・!
と言いたい気もしますが、単にSSに向いてないのかも知れないな、と思う。
11編入っていますが、大体どれもウケなしオチなし。
まぁ個人的には吉田さんの男視点の女の描き方が好きなので、
そこに文句はないですが、もうちょっと引っ掛けてくれても・・・な。

「最初の妻」
13歳の僕は、ある日かずみとデートをした。
いつものようなキャッチボールや裏山探検などではなく、
電車に乗ったちょっとした遠足だった。
たどり着いた小さな町で、かずみは唐突に
「私と結婚したらどんな家に住みたいか」と僕に尋ねた。
次第に周りの家々を指差し質問する。
僕は照れ隠しに「こんな汚い家なら死んだ方がましだ」と言った。
数日後、引っ越した彼女は学校に来なくなってしまう。
それを知った僕は「違う!そうじゃない!」と急に叫びたくなった。

これは11編に共通しているかと思いますが、
男である主人公「ぼく」(全部が同じ人間設定かは判りませんが)が、
女に男として人間として窘められている、と言うような感じがします。
一番印象に残っていたのが「最初の妻」なので紹介してみましたが、
これもデリカシーやそう言う裏側の何かを読み取れなかった「ぼく」が
描かれていて、少し絶望感も感じます。
ぼくってこんなに彼女のことを考えていなかったのか・・・。
彼女はぼくをこの事で試そうとしていたのか・・・。
と言う起きてしまった事を後悔するお話が満載です。
後は傾向的に「やられたな、こりゃ」と女の人に対してため息をつく、
情けない男の姿が吉田さん視点で巧みに描かれています。
が、出来る事なら、ここから発展してくれませんか?
と言いたいようなオチない話が多く、いつもの吉田さんならこんな感情を、
あとの話で活かせるのに・・・!と短い事を悔やみたい気分になりました。
一言感想を述べるならもったいない。
こんな密度の濃いものを11編も書いちゃって、長編に生かして下さいよ。
・・・とそれが私の気持ちでした。
うーん、この作品不評みたいですよ、可愛そうに。
やっぱり、もったいない。

★★☆☆☆*70

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