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2007年2月14日 (水)

「幸福ロケット」 山本幸久

幸福ロケット 幸福ロケット

著者:山本 幸久
販売元:ポプラ社
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山本さん初めて読みました~!なかなか好き。
雰囲気は「佐藤多佳子+瀬尾まいこ+伊藤たかみ÷3」
・・・なんて適当な事を言ってみましたが、そんな感じです。
最近児童向けの本をたくさん読んでいる気がする・・・のは気のせいかな?
これも主人公は小学生です。

香な子はお父さんが仕事を辞めたから、引越しして転校する事になった。
今までの吹き抜けつきのゴージャスなマンションから、3階建てのアパートにだ。
どう考えても香な子は前のほうが良かったとしか思えない。
小森と過ごす時間が日に日に楽しく、幸せになってゆくというのに、
香な子の中ではその事が気になって仕方が無かった。
大人は本当の事を子供に話してくれない、だから、
「お父さん、何であの仕事を辞めたの?」と言う言葉を言い出せない。
香な子の心の中では「カターンカターン」とひよこが不気味に揺れている。

自分の父親の退職の理由は何なのだろう?
昔はあんなに輝いて格好よかったお父さんが、あの仕事をやめた理由。
私も香な子と同じようにそれを気にしながら読んでいました。
今まで誇らしく思っていたものや、人が、急に陰る。
何で?理由は?
そう気になりつつも、結局のところいつまでも聞けないでいるのだ。
それは投影した自分のプライドを守るためと、人を傷つけないため。
しかしながら、いつまでも知らずに成長しても言いかと言うと、
そうではなく、子供ながらにそれを理解し
そう言った意味で大人になる事が必要なのだ。
そこでポイントなのがやはりコーモリこと、小森君。
病にかかった母親へ生きるためのエールを送りつつ、
もうそう長くは無い事を、彼は自分の中では知っている。
死んでしまう前に聞いておきたい事。
例えその内容が香な子が悩む、大人びた事柄だったとしても、
「死人に口なし」となる前に、是非死ぬ前にその口から聞いておきたい。
その人と人が分かち合い、繋がってゆく事が大切であり、
きっかけとなる最初の一言がとても重要なのだと訴えている。
それが、もし死にゆく人でないならば、これ幸いな事で、
お互いに理解をして生きてゆけるよね、と。
あの絵は・・・どうなのでしょう。アレだけでロケットですか?
・・・と思ってしまい、ちょっと残念な気もしますけど;
途中恋愛要素もあったりして、とてもよいスパイスになっていたと思います。
お嬢様は必要だったのか・・・むしろお嬢ではなくガチンコ対決の方が、
スリリングでよかったのでは・・・と言うのは私の意見で、
この本はとてもピュアにそして柔らかい恋が描かれています。
うん、是非とも中学生頃に読んでもらいたいですね。

★★★★☆*88

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コメント

可愛らしい物語でしたね。コウモリくんが好きだな~。二人で本の話をするところとかほのぼのしました。

投稿: れおぽん | 2007年2月16日 (金) 11:07

>れおぽんさん

こんにちわ!
TB&コメントどうもありがとうございます^^*

本当可愛らしいお話でしたね!
私も2人で本の話をするところ好きでした。
何となく本の話・・・となると「耳をすませば」とか、
思い出しちゃうんですけど、それにも劣らない素敵さでした。

「笑う招き猫」のキャラクターが出てきていたのですね。
お笑いの・・・まだ読んだ事が無いので、読んでみようと思います。

こちらからも後ほど遊びに伺いますね。

投稿: るい | 2007年2月16日 (金) 13:45

ごぶさたしております!
「耳をすませば」!あれはときめきのツボを激しく刺激しますね(笑)

本を通じて距離が縮まる二人がほほえましくありつつも、
現実をみつめて受け止めるさまにどきっとさせられました。

表紙があれでなかったらもっと早く手にとっていたかもしれない・・・。
すてきな話だけに残念!

投稿: くろ | 2007年2月17日 (土) 20:38

>くろさん

こんにちわ!
TB&コメントどうもありがとうございます^^*

そうそう、「耳をすませば」は本関係ではナンバー1の輝きです☆(笑)
あの胸のムズムズ感は他では味わえません・・・!!
何と言っても聖司君最後の告白、「雫、結婚しよう!」がね・・・。
もう私でさえも打ち抜かれてしまいましたよ。

>本を通じて距離が縮まる二人がほほえましくありつつも、
>現実をみつめて受け止めるさまにどきっとさせられました。

本当そうですよねぇ、大人びた内容を
徐々に受け入れてゆく2人の成長が素敵でしたね。
最後の香な子の疾走劇がスピード感があって好きでした。
走る走る走る。大人へ向かって走る。
未来の自分はスケッチブックにあるからね、と言うのも心が温まります。

表紙・・・確かに児童向けかも知れませんね。
私は実はくろさんの記事を読んで、「読んでみよう」と思ったのですけども!
期待を上回る素敵なお話でした。

後ほど遊びに伺いますね^^♪

投稿: るい | 2007年2月18日 (日) 10:28

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〜内容紹介〜 ふたり、同じ未来を見てた。京成電車に、ガタゴト揺られながら…。 クラスで8番目にカワイイ「あたし」と、深夜ラジオ好きでマユゲの太い「コーモリ」の、 可笑しくて切ない初恋未満の物語。 主人公は、小学5年生の山田香な子ちゃん。 そして、初恋未満の相手は同じクラスの“コーモリ”こと小森くん。 雰囲気は児童小説みたいな感じだけど、大人が読んでも心に響いてくるものが あると思います。 小学生の頃は、スポーツが得意な男の子やひょうきん者の男の子がモテませんでし..... [続きを読む]

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» 幸福ロケット(山本幸久、ポプラ社) [にゃんこと歩く。-読書日記-]
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受信: 2007年2月17日 (土) 20:22

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