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2007年2月 8日 (木)

「県庁の星」 桂望実

県庁の星 県庁の星

著者:桂 望実
販売元:小学館
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映画が気になっていた作品でした。
何せ母が織田祐二のファンなので「観に行こうよ」とうるさかったのです。
しかしながら、映画の主人公は公務員、
そしてヒロインは柴咲コウ扮する、パートのお姉さんでしたよね?
原作を読んでビックリですよ、ヒロインは子持ちのおばちゃんです。

県庁職員の俺は、県の指令で民間企業に、
1年間研修へ行くプロジェクトに参加する事になった。
研修を受けるからには、店の規則を徹底的に把握し、
この店は何が売れるのか、どうしたら経済が上向きになるのか、
過去の数値データより上昇率を換算して導き出してやろう。
躍起になっていた俺だったが、大変な事が起きた。
なんとこの店には規則が無い。おまけに営業マニュアルさえない。
管理文書が無いなんてありえない、
これじゃ一体どうやって経営していけばいいというのだ。

題材的にはとても面白いと思うのですよ。
だから本屋大賞にノミネートされたのだと思うし。
しかしながら、何でだか文章が単調に感じてしまって残念。
全て物事は契約書で成り立っていると言う堅物の県庁職員・聡と、
独自の判断でその人に合った柔軟な対応を求められるスーパーのパート二宮。
その2人の間には厚い壁が存在し、自分が正しいと主張して
そりが合わず、話を聞いてみようと言う気も無い。
でも実際のところ、聡は人の事を考えると言う能力が欠落し、
二宮は不正を繰り返し低迷しつづけるスーパーに安住し向上心が無い。
どちらも足りない部分があり、それを補う事が大切なのだ。
2人の心の隙間が徐々になくなって、1つの目標を目指すようになった時、
物凄い達成感と新しい追い風に身震いを感じた。
願わくば・・・ですが、何かもうちょっと、こう・・・。
「あの人と私たちが協力したら凄い事になるかも・・・!」
と二宮を興奮させても良かったような気がした。
まぁそれは口下手な二宮、と言う設定からして、
難しいかもしれないけど、何となく勿体無い気がした。
二宮と息子の関係はよかったですけどね、あの後どうなったか気になったり、
食事にがっつく母親に向ける親しみのこもった優しい視線が好きでした。
問題は正攻法に移るまでが坦々としすぎていたのと、
桜井が挫折してイライラとした聡が、
どんな思い変わったか詳しく書いて欲しかったような気がするかな。
でも最後は好きですけどね、「やる気の欄」最高です。

★★★★☆*89

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コメント

コメント&トラバありがとうございました!映画化では柴崎コウちゃんになってしまいましたが、原作通りに映像化して欲しかったようにも思います^^;二宮と息子の関係が良くなっていく感じとか私も好きな場面でした。
こちらからもトラバさせていただこうと思ったのですがエラーになってしまいました。また試してみますね~。

投稿: れおぽん | 2007年2月 9日 (金) 23:08

>れおぽんさん

こんばんわ!
こちらこそ、TB&コメントどうもありがとうございます^^*
TBどうぞ調子のよい時にまたしてやって下さい。

>映画化では柴崎コウちゃんになってしまいましたが、
>原作通りに映像化して欲しかったようにも思います^^;

私もそう思いました!
聞いたところ、映画の柴咲コウの役では、息子ではなく弟だったらしいです。
本ではボランティアについても熱心な息子ですが、
映画の中での弟は、ニート状態で家でゴロゴロな感じだったらしいです。
うーん、あの母親と息子の空気が柔らかくなるところ、
私もとても好きだったので、やっぱり原作通りがいいですね。
結構、原作通りの映画って少ないですけどねぇ・・・。
何で変えててしまうのか、なかなか疑問です。

またお邪魔させていただきますね!

投稿: るい | 2007年2月11日 (日) 01:24

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◆出版社 / 著者からの内容紹介 前代未聞! 抱腹絶倒の娯楽公務員小説。 野村聡。31歳。Y県職員一種試験に合格。入庁9年目。Y県県庁産業局産業振興課主任。 Y県初の民間人事交流研修対象者6名の一人に選ばれた期待のホープだ。 一年間の研修を無事にこなして戻れば、念願の係長への階段を同期に先んじて確実に登ることができる。ところが、鼻高々で望んだ辞令交付式で命じられた赴任先は…スーパー? しかも…H町の?  えらくマイナーな感じがした。だがそのイヤな予感は現実のものとなる。  大勘違い野..... [続きを読む]

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