« ■雑談:のだめ大流行 | トップページ | 「陽の子雨の子」 豊島ミホ »

2007年2月24日 (土)

「暗いところで待ち合わせ」 乙一

Otuiti20112_2 
久しぶりの乙一さんでした~ちょっと手に取ったら一気読み。
初めに一言言うのであれば、「こんなにいい話なら早く読んでおくんだった」
に尽きます。いや、本当に、個人的には「GOTH」に次ぐ、
「ZOO」と同率2位をしめようとしています。
田中れな主演で映画もやっていて(観てないですが)、雰囲気が合っています。
何だよ、乙一さんこんな泣けちゃう小説も書けるんじゃないですか・・・!
と、言うか表紙の怖い写真止めた方がいいと思います、本当に、マジで(笑)

ミチルは視力を失い、そして頼りにしていた父さえも失った。
残った家にはミチルと、彼女を取り巻く闇。
誰もいない家に一人で横になり目を瞑ると、光の無い暗い闇の世界で、
どうせ自分はこのまま死んでゆくのだ、と思っていた。
いつも聞こえるのは家の傍を通る電車の音だけ。
しかし、誰もいるはずのない家の中で、妙な違和感を覚えた。
衣擦れの音がしたり、食器が鳴ったりするのだ。
そんな時、ミチルは駅で起きた殺人事件の犯人が逃走中だと知る。

未だかつて、乙一さんのお話でこんなに幸せを呼ぶ「ビックリ」はあったろうか。
いや、この本を私が読んでいなかっただけなんだけれども。
目の見えない女性の家に潜り込む殺人犯。
無音の中に始まる奇妙な共同生活が、とても不安定でヒヤヒヤさせた。
目の見えないミチルは、自分がこの家を出る事によって掛けてしまう、
他人への迷惑を必要以上に考え、誰もいない闇の世界に染まろうとする。
対する殺人犯アキヒロは、極度に悲観的にしか物事を見れず、
孤独を愛し人を蔑み続けると言う、病んだ心を持ち合わせている。
お互いに世の中を絶望視する傾向があり、人から離れ自分を守ろうとする。
しかし、当然のことながら、人は一人で生きてゆけるはずも無く、
人が人と出会う事を避け続けると言う事は当然無理なのだ。
そんな事をより鮮明に教えてくれるのは、言葉でもなく、態度でもなく、
目に見えないところで伝わる他人の優しさである。
2人が作る、音の無い世界には、
実はたくさんの人を思いやる気持ちと、たくさんの優しさが詰まっていた。
それに気が付いて、2人が詰めようろうとした瞬間、
立ちはだかるのは、「殺人を犯した」と言う壁。
でも大丈夫、そこんとこは乙一さんなんだからどうにかしてくれるって!
と大船に乗ったつもりでページを進めて下さい。
ここは是非読んでから味わっていただきたい。
悔しいですが、乙一さんなのに私は思わず泣いてしまいましたからね(笑)

映画もあとでDVDででも観てみようと思います。

★★★★★*95

|

« ■雑談:のだめ大流行 | トップページ | 「陽の子雨の子」 豊島ミホ »

コメント

 これ、映画になってるのは知ってて
 興味あったんですけど、
 (別のDVDに入ってた予告編を観たんです)
 原作があったんですね。
 まったく知らなかったです。

 乙一さん、実は読んだことないんですよ。
 これは一度読んでみなくてはですねー。
 映画と原作、どちらが先になるかはわかりませんが、
 観たい&読みたいリストに追加しておきます♪

投稿: miyukichi | 2007年2月25日 (日) 17:07

私も、この表紙は内容と合っていないというか・・この表紙で手に取るのを辞めてしまう人がいるのでは?と本気で心配した作品です。

しかしながら、白乙一の一筋縄ではいかない心温まるこの作品は私も読んで安堵したのを覚えています。

映画では、アキヒロの設定が若干違いますがそれはそれでいい味を出していました。
何気に泣きましたし。

ただ、ラストが映像化すると突拍子もなく感じてしまうのは惜しかったです。
ぜひ映画も観てみて下さい。

投稿: すきま風 | 2007年2月25日 (日) 17:54

>miyukichiさん

こんばんわ~!コメントどうもありがとうございます^^*

そうそう、実は乙一さんだったのですよ。
乙一さんと言えばグロテスクなイメージがあるかも?しれませんけど、
これは大丈夫です、心温まるいいお話でした^^*
お薦めしておきます!

予告私も見ましたが、ビビッときましたよね~!
原作は目の見えない女の子と印刷所で働く日本人男の組み合わせなのですが、
映画だと台湾人か何かになっていたと思います。
微妙に脚色されているので、小説→映画もいいかも。
いや、でも映画を読んでから小説の方が文句が少ない?(笑)、なんて。

とか、言いつつ私も映画見ていないので、
後ほどレンタルしてこようと思います♪
最近、近所にレンタルショップ見つけたんですよねぇ、
2年も住んでて気づかないのってどうよ?、
って感じですが、まぁこれから一杯借りよう、と言うことで(笑)

投稿: るい | 2007年2月25日 (日) 19:03

>すきま風さん

こんばんわ!コメントどうもありがとうございます^^*

私もその一人でした(笑)
「あぁきっとグロいんだろうなぁ・・・」
とか「死にぞこないの青」みたいのかなぁとか、イメージが広がってました。
表紙変えたらいいのに~とか思っても、
これ自体書き下ろし文庫本だから難しいかも・・・?(涙)
取りあえず表紙の絵、清々しく温まる感じのを希望ですね。

そうそう、白乙一!
さすが、すきま風さん判っていますね(笑)
私はどうしても黒乙一ばかりいい評価をしてきたのですが、
この作品は素直に「いいなぁ」と感じたお話でした。
他の「失踪HOLIDAY」あたりは、個人的に
何だか間延びした感じがしたものでしたが・・・。

アキヒロは台湾人?か何かに設定されていましたよね。
それにしても、田中麗奈と、チェン・ボーリンは同じ映画によく出ますね。
何気に泣いてしまわれましたか(笑)
私もDVDが出たら早速見てみようと思います♪

投稿: るい | 2007年2月25日 (日) 19:26

るいさん、こんにちはっ♪
私も、この作品は乙一の中でも好きな作品です。
(頑張って(?)白乙一だけをセレクトしているヘタレなんですけどね^^;)
映画も、観たかったんだけど気づいたときにはもう終わっていました。なんか、密かに始まり密かに終わった感じで、映画自体、ビミョーなのかなぁと思っていましたが。。。やっぱりおもしろそうだなぁ。観たいなぁと思ったのでした。

投稿: そら | 2007年2月25日 (日) 19:35

>そらさん

こんにちわ!
コメント&TBどうもありがとうございます^^*

>私も、この作品は乙一の中でも好きな作品です。
>(頑張って(?)白乙一だけをセレクトしているヘタレなんですけどね^^;)

このお話とてもよかったですよねぇ!私も好きな作品です。
私はどちらかと言えば、黒乙一派かもしれません・・・。
何となく一番最初に読んだのが「GOTH」だったものですから、
あの衝撃と言ったら他に思いつかないくらいで(笑)
でも基本的に私もグロいのダメなんですよね。
(なので、例え乙一さんと言えども、
際どいシーンは少し飛ばしてしまったり(苦笑))
だからか、白乙一作品は何と言うか、そのグロさのインパクトがないからか、
物足りない感じがしてしまって、手を出していなかったのですよ。
(と言ってもこの表紙からして黒乙一なのかと思っていたのですけど)
「さみしさの周波数」とか「君にしか聞こえない」とか、白乙一ですよね。
今度少しずつ読んでいこうと思います。

映画、私も観たいです!
DVD出たら借りてこようと思います。
何となく小説読む前は怖い話なのかと思っていたので、
映画の予告を見て、こんな話だったんだ!と私は知りました。
キャストもなかなかいいですよね、アキヒロの国籍が変わっていますが。
確かに小説→映画になったものは微妙な物が多いですよねぇ。
でもこの作品はちょっと映像で味わってみたい気もします。
DVD発売が待ち遠しいですね。

投稿: るい | 2007年2月26日 (月) 15:30

はじめまして♪早速コメントします。
僕が初めて乙一さんを読んだのがこの「暗いところで待ち合わせ」でした。
映画版も鑑賞し僕にとっては不動の1位。
映画のアキヒロは多少設定上での脚色が施されてますが、逆にそれが原作以上に説得性を高めていると個人的には◎です。
(それによりラストは原作に近い涙が溢れました)

次は短編「Calling You」が映画化ですね♪

投稿: 学文路 | 2007年2月26日 (月) 20:23

>学文路さん

こんばんわ~早速コメントどうもありがとうございます^^*

>僕が初めて乙一さんを読んだのがこの「暗いところで待ち合わせ」でした。
>映画版も鑑賞し僕にとっては不動の1位。

なるほど~確かにそれだけの存在感はある作品でしたね。
私も白乙一作品の中では一番好きです。
他の作品は何となく間延びした感じを覚えていたのですが、
この作品は作品に入り込めたと言うのもあり、
話の終わり方がとても好きだったと言うのもあり、
偉そうな事を言うようですが、乙一さんを見直した感がありました。

確かにアキヒロの設定が変わっていますよね。
その変わることによって生まれる、
原作とは違った味を楽しんでみたいなぁと思います。
なかなか小説を忠実に再現した映画は少ない気もしますけど、
皆さんがお薦めしてくださるので、この映画には期待大ですねぇ。
絶対ラスト泣きます(笑)
もうサイトにある予告ムービーを見ただけで泣けそうでした。
あのメレンゲの曲も凄く合っていますしねぇ。
DVDになるのが待ち遠しいです。

「Calling You」も映画化だそうですね、私も先日知りました~。
前に読んだような・・・確か「失はれる物語」に入っていましたよね。
小出君がなかなか好きなので、楽しみです♪

投稿: るい | 2007年2月26日 (月) 22:00

 るいさん、こんばんは♪

 これ、よかったですー、すごく!!
 何度も泣いちゃいましたよ。
 2人の優しい気持ちの応酬が、
 とてもよかったです。

投稿: miyukichi | 2007年8月 7日 (火) 00:21

>miyukichiさん

こんにちわ、コメントどうもありがとうございます^^*

よかったですよね!
この表紙やめた方がいいって思いませんでした?(笑)
私も読む前はあんまり期待していなかったので、
読んだ後は凄く爽やかでじーんときました。
よかったですよねぇ二人の無言の優しさが!

DVD観よう観ようと思いながら、結局観れていないのです。
お盆に実家に帰ったら家族で観てみようかな、と。

投稿: るい | 2007年8月 7日 (火) 09:56

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/126354/5479243

この記事へのトラックバック一覧です: 「暗いところで待ち合わせ」 乙一:

» 暗いところで待ち合わせ [No-music.No-life]
交通事故によって視力を失った本間ミチルは、父親と二人で静かに暮らしていた。 そんな父の、突然の死。 親戚の同情も断り、一人での生活を始めたミチルだった。 そんな頃、家の窓から見えるほどの距離にある駅で事件が起こった。 人身事故。 しかもそれは、意図的にやったであろう殺人事件だという。 その容疑者、大石アキヒロは盲目のミチルに気づかれないようにそっと家の中へ忍び込む。 家の中に、かすかな何者かの気配を感じ始めたミチルだったが・・。 2006年 監督:天願大介 原..... [続きを読む]

受信: 2007年2月25日 (日) 17:55

» 「暗いところで待ち合わせ」 [日だまりで読書]
孤独の寒さとこわごわ伸ばした手の先のぬくもりに、 胸がギュッとしめつけられるような作品でした。 ★★★★★ 中途失明者のミチルは、線路の脇の古い家で、静かに植物のように暮らしていた。 家の中に漂う気配。そ... [続きを読む]

受信: 2007年2月25日 (日) 19:38

« ■雑談:のだめ大流行 | トップページ | 「陽の子雨の子」 豊島ミホ »