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2006年12月 4日 (月)

「チルドレン」 伊坂幸太郎

チルドレン チルドレン

著者:伊坂 幸太郎
販売元:講談社
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うーむ、鴨居が私的に好きでした(告白・笑)
なかなか、「ラッシュライフ」の考え方とか、
「重力ピエロ」の親子愛を混ぜ合わせたような、いい感じでした。
でもちょっとあっけない・・・?のか?
もしくは最初は短編だった物を繋げたからか・・・。
中身の全体が入り組んでいない雰囲気もある。

家庭裁判所の調査員・武藤と陣内の元へ日々様々な非行少年がやってくる。
子供は一人一人違うのだと区別して接しなければならないし、
周りを取り巻く環境も深く考慮しなくてはいけないのだ、と言う武藤をよそに、
陣内は「どうでもいい」と言いながら、面倒臭そうに支離滅裂な事を言う。
しかし、そんな彼は担当した非行少年から誰よりも慕われているし、
と言うことは、やはり誰よりも子供を理解していると言う事なのだろう。
大の大人も皆誰もが昔は子供だったし、何か問題を抱えて育っていた。
そう考えると、一人の子供が育つ世界でさえ、
とても重要で大切にすべき事なんだよ、と言う話。

展開的にこうなる・・・と前々から判りますが、思わずほろっとくる。
さすが伊坂さん、またしてもやられた・・・!
親は生まれてきた時から決まっているから、選ぶ事は出来ないし、
その上他人に平伏すような父親見てしまった子供は、悔しさよりも怒りを持つ。
だから親父は情け無いんだと蔑んで、非行に走ってしまうのだろう。
しかし、あのステージの上を見て「カッコイイ」と呟いたあと、
ハッと気づき「歌ってるの、親父だよ」と叫んだ明君の爆笑した笑顔。
それを見ると、武藤が考えていた答えよりも更に上を行く、
更生方法がが限りなく「正解」に近い答えだったのではないかと思う。
また、「目が見えたって目が見えなくたって同じ」と言う陣内の原理。
あの子の人生は羨ましいとか、そう言うことを言うのは、
根本的から間違っているし、それを盲目の人間に堂々と言ってやる。
「俺が気にして無いんだから、まさかお前が気にしてるわけ無いよな」と。
全ての引け目を無視し均等する。そしてそこから発せられる正解こそ、
今の人間に欠けている物であり、最も重要な物であると訴えられる。
そんな奔放で奇想天外で時には目を疑う様な陣内だけれど、
彼のやる事は子供たちの目に見えない根本的な問題を解決するためには、
やはり必要不可欠で、それでいて他人には絶対に持ち得ない能力。
この話で陣内はある意味、馬鹿っぽくて人間味の強い、
子供の神様のように描かれていて、それでいて彼も問題児だったと落ち着く。
それは人間が人生をリレーしているようで、いつしかまたどこかでは、
陣内が更生した(例えば)明君のような子供が育って大人になり、
また人を温かく導いたりするんだろうね、と言っているようです。
心温まる!
けど、武藤のイメージはは坂口憲二ではなかったような・・・。

★★★★☆*92

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コメント

 こんばんは♪
 TBどうもありがとうございました^^
 こちらからもTBさせていただきました。
 よろしくお願いします☆

 鴨居サン、私も好きでした(笑)
 盲目の永瀬サン(でしたっけ?)もステキ☆
 でも、時間が経つにつれ、陣内サンがなつかしい(笑)

 ちょっとあっけない、って感じ、わかるかも。
 まぁ、短編集ですからね。。。^^;;

 人生をリレー、って、なんかイイですね♪

投稿: miyukichi | 2006年12月 5日 (火) 20:31

はじめまして。TBありがとうございました~。

そう、坂口憲二ではなかったですよね(笑)
私がこの作品を読んで半年くらい経ちますけども、
いまだに陣内の印象は強烈に残っています。
自分の考えを持って突き進む姿・・・。
見ていて本当に気持ちいいです(笑)

投稿: くろ | 2006年12月 5日 (火) 20:59

>miyukichiさん

こんばんわ!TB&コメントありがとうございます^^*

miyukichiさんも鴨居さんがお好きだそうで^^*
ら、ライバル・・・!(笑)
なんて言うか陣内を突き放しておきながら、
歌が上手い事をキチンと認めて悔しがっている辺りが好きです(ピンポイント?笑
永瀬もよかったですよね、目が見えないのに、
あの謙虚さは素敵過ぎる。「甘いかな」ってグッときますね。

>でも、時間が経つにつれ、陣内サンがなつかしい(笑)

言えてる(笑)
インパクトが凄いですもんね、「砂漠」の西嶋の次ぐらいに。

そうそう、気づかなかったのですよ;
ずっと繋がっていると思っていたので、気にしてなくて。
まぁ順番も考えられて本になっていると思いますが、
あれってバラバラに読んでも意味が通じるのだろうか?
とちょっと興味を持ってみたり。
「死神の精度」はどこからでも平気でしたけども。
やっぱり意図的に順番は決められているらしく、
これもきっと陣内の少年時代が前に来て無いと、もっと呆気なかったのかな?
とか変に深く考えました。
いや、結局はバラバラに読んでみればいいことなのです。
そして「バラバラになってくっついちゃった~!」とか言えば。
(なんか今日テンションが妙に高いので変なコメントが飛び出します。笑)

人生をリレーいいですよね~。
最近読んだ物では・・・「一瞬の風になれ」でもそれを味わえます!

投稿: るい | 2006年12月 5日 (火) 22:59

>くろさん

こんばんわ!TB&コメントありがとうございます^^*
うふふ、実は2度目ましてだったりします、なんて。
結構前ですがお邪魔した事がありました☆

そうなんですよ、坂口憲二ではないです(笑)
帯に坂口憲二と大森南朋と小西真奈美が載っていたのですが、
読む前から、「大森さんと小西さんは判るけど、
伊坂さんって坂口さんがやる様なキャラって作らないような・・・」
と疑問視しながら読んだのですが、案の定です。
キャストが決まっているのに先入観なく読めるのもちょっと珍しいような。

陣内の印象は強烈ですよね!
でも・・・私の中で一番強烈なのは「砂漠」の西嶋です(笑)
「プレジデントマンですよ!」が聞いたわけではないのに頭に残ってます。
陣内は私的に大森さんとすごくイメージが合っていたので印象いいです。
バンドのあたりとかとても好きですね、自然に想像できる感じが・・・。
見ていて本当に気持ちいです、周りにいたら結構ビックリですが(笑)

そうそう、「アヒルと鴨~」単行本化らしいですね!
伊坂さんは文庫→単行本の時に加筆する事が多いので、
買おうか買うまいかまだ迷っています。(でもきっと買っちゃう
「重力ピエロ」も加筆されているんですよね。
これは単行本しか持っていないので、文庫買おうと目論み中です。

またお邪魔させてください^^*

投稿: るい | 2006年12月 5日 (火) 23:13

2度目ましてだったのですね!
大変たいへん失礼いたしました!!

そうそう、坂口憲二は、アツい男!さわやか笑顔!みたいな
イメージがあるので、伊坂さんという感じではないな、と
勝手ながら思っていたのでした。

西嶋かぁ~。懐かしい!!
伊坂さんの作品には、「え、そんなことしちゃうの?」と
ちょっとびっくりするような人が多々出てきますが、
それが全然嫌な感じじゃないんですよね。陣内然り。

伊坂さん、加筆することが多いのですね!知らなかった・・・。
きっと買っちゃいますよ☆

投稿: くろ | 2006年12月 6日 (水) 20:00

こんばんは。
コメント&TB、ありがとうございます。
こちらもTBさせていただきました。

るいさんは鴨居が好きなんですかぁ。
私は永瀬と陣内さんが好きです。
永瀬は文句なしに恰好良い。そして最後の「甘いかな」でグッときました。陣内さんはしっかりとした“自分”を持っていて、無茶苦茶なところがあるけれど、やっぱり恰好良い。

突拍子もないことしたり言ったりする陣内さんは、はじめて読んだときはカルチャーショックでした(笑)。それまでは宮部さんとか、ファンタジーとか、そんなにキャラの濃い人が出てこない作品ばっかり読んでいたので・・・。
こんな人が友達だったり、そばにいたらみんな鴨居のようになるんじゃないかな?
陣内さんの考え方や行動には恰好良いところがある。だけど普段の傍迷惑っぷりをそばで見ていたら、きっと認めたくない(笑)。

そして私も武藤さんは坂口憲二ではないと思う。観てもないのに言っちゃダメかなぁf(-_-)
そして「アヒルと鴨」の文庫版、私も買います。

投稿: ふぇるまーた | 2006年12月 6日 (水) 21:35

>くろさん

こんばんわ!コメントありがとうございます^^*
そうなのです、実は随分前からこっそりブックマークを・・・(ストーカー・笑
いえいえ、これからもお邪魔した際はどうぞよろしくお願いいたします。

>イメージがあるので、伊坂さんという感じではないな

やはりですか、私もです。
根本的にイメージがあっていないですよね(と言いつつドラマ見てませんが;
決して坂口さんを非難しているわけではなく、
もうちょっと合う人いなかったのかなぁ・・・みたいな。
個人的には地味にスーツの似合っちゃう、
感じのいい騙されやすそうなお兄さん系、なんて勝手に決めてますが。
鴨居は・・・「陽気なギャング~」の久遠同様、松田君がいいかも。笑

西嶋は私の中では最強に煙たい人間の枠に分類されています。笑
いや本当、憎めないんですけどね、実際。
「砂漠」に出てきた時の衝撃と言ったらなかったですよ、
「グラスホッパー」の蝉どころではなく、
「アヒル」のドルジほど、常識もわきまえていない。
物凄い威圧感のあるニューフェイスにびっくりでした。
今思い返すと「砂漠」の記憶はほぼ西嶋と言っても過言では無い。
陣内さんもそうですね、後になってゆっくり味が出てくる、いいタイプです。

伊坂さん加筆なさってますよー・・・財布の紐が;(げんなり
知ってる限りでは、「重力ピエロ」と「チルドレン」
チルドレンは雑誌→単行本の時点ですでに手が加わっているようです。
「アヒルと鴨~」楽しみですね!
間違い探し・・・と言うか読みながら違うところを探すのも楽しそうです。

投稿: るい | 2006年12月 6日 (水) 22:45

>ふぇるまーたさん

こんばんわ、いらっしゃいませ!
TB&コメントありがとうございます^^*

そうなのです、恥ずかしながら鴨井さんが、
「陽気なギャング~」の久遠同様、とてもタイプでした。笑
まぁ「=松田翔太」の方程式を当てはめて下さっても間違いでは・・・。
ふぇるまーたさんは「甘いかな」で落とされてしまいましたか!
確かに永瀬も凄く魅力的ですよね、伊坂さんが書くキャラの中で、
結構多いタイプかな、なんて思いますが私も好きです。
陣内はもう、言う言葉が見つからないですが、やっぱり格好いい。
自分でその皆を惹きつけちゃう能力に気づいてないところが、
とても憎たらしいですが(笑)見ていて爽快な気分になりますもんね。

お、もしかして初・伊坂さん本ですか・・・・?
確かに衝撃的ですよ陣内、だってこんなキャラ思いつかないし!
思いついたとしても下手に登場させたら話がめちゃめちゃになるだけですよ。笑
宮部さんが陣内を書いたら・・・とか考えて思わず笑っちゃいました。
推理小説系に陣内・・・うーん難しそう(笑)

>そばにいたらみんな鴨居のようになるんじゃないかな?

言えてますね。笑
ずっと傍になんていたくないけど、実は歌が上手かったり、
結構格好いい一面なんかもあったりして、周りはさぞ悔しいでしょうねぇ。
この話は全体的に陣内メインですもんね。
陣内は自分の本当の凄さに気づいて無いけど、
周りの鴨居とか永瀬とか武藤はしっかり判っていて、
「あの力は凄いよね・・・悔しいけど」と言うのが本音っぽい。
私は最後の永瀬の「甘いかな」は陣内を思い浮かべながら、
言ったのだと思うのですが、どうでしょうかね?

私もドラマみたいです、WOW入ってないので(涙)
意外に合ってたり・・・?
いや、そんなことは無いだろう・・・と否定してみたり。

私も「アヒルと鴨~」買っちゃいます、きっと(苦笑)
今までなんだかんだで買っちゃったので・・・。
表紙がどんな風になるか楽しみですね^^*
密かに加筆部分にも期待です。

投稿: るい | 2006年12月 6日 (水) 23:04

自分の武藤のイメージは、なぜか佐藤隆太でした。

投稿: banana | 2007年8月15日 (水) 13:51

>bananaさん

こんにちわ、コメントどうもありがとうございます^^*

確かに佐藤隆太でも合いそうですね。
爽やかでなんだか新入社員みたいなイメージがありましたね。
個人的に陣内はピッタリだと思ったのですが。
やる気のなさ具合とか…。

投稿: るい | 2007年8月16日 (木) 22:50

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