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2006年12月17日 (日)

「黄色い目の魚」 佐藤多佳子

黄色い目の魚 黄色い目の魚

著者:佐藤 多佳子
販売元:新潮社
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現代版「耳をすませば」みたいな雰囲気を感じた。(耳をすませばも現代か?
うーん、でももうちょっとゴタゴタしてるかな?
それにしても佐藤さんっていつの間にストーリーに引き込んでくれるんだろう?
途中から止まらなくなりました、青春っていいなとか思ったり(笑)
しかしながら、最初の章はどうして読みにくいんだ?
「一瞬の風になれ」もそうでしたが、どうも佐藤さんは最初でつまづく・・・;

絵の虜になって死んだ父のようになるもんか、と意地を張る少年・木島。
家族を嫌い、絵描きである叔父を絵も彼も心から好きになる少女・みのり。
ある日の美術の授業中ひょんな事から2人はお互いにデッサンする事になる。
人前で絵を描くのが恥ずかしい事だと思っていた木島の心に芽生えたのは、
「彼女をもっと描きたい」と言う素直な一つの願いだった。
モチーフとしてのみのりと、恋としての憧れの似鳥ちゃんへの感情。
しかしいつも頭のどこかに住む父が邪魔をし、その思いのゆくえを阻んでしまう。
キャンパスの上から伝わるデッサンの様々な思いと、
絵に対する真直ぐな感情にある、温かい気持ちが2人を少しずつ成長させてゆく。

この話、どうしても木島中心で見ちゃったのですが、どうなんだろう?
だって木島で始まって木島で終わってるし・・・とか言ってみる。
中盤まではお互いに話をしないからか、主体である時の性格の印象と、
相手を通した時の印象が異なっていて少し違和感があった。
特に木島は無口でサッカーをしてるヤツ、としか伝わらなかったし、
木島が語りになるとしょくしゃべるし(当たり前ですが;)、
「へぇこんな一面もあったんだ」と言う感じがしていたけど、
後半過ぎからは徐々に親しくなりお互いに心を許し始め馴染んでいる様子が好き。
ここで、「あぁ青春!」とか遠い目をしたりする私(寂しい人
やっぱり、「え?あ、村田」のシーンがいいかな、木島が可愛い(笑)
私的に木島のキャラクターがとてもよかった気がします。
ちょっと控えめで時には騒ぐけど心から真面目なヤツ。それが絵に伝わっている。
しかしながら、恋愛だけではなくて、みのりの他人をすぐ嫌いになる性質とか、
木島のやる前に諦めてしまうところとか、そう言うそれぞれの悩みに
必死にもがき葛藤して、突破口を見つけようとする所もしっかり描かれている。
佐藤さんは話し言葉で感情表現型な文章で、直にその気持ちが伝わってくるし、
主人公たちが考えている言葉が年相応でなるほどね、とも思う。
でも、それが裏目に出ている部分も有り・・・。
私だけかもしれませんが第一章の10歳の木島。
ちょっと無理があるのでは?と思ったりした。
だって10歳で語り手やらせたらそりゃ幼くなるって・・・と言う感じで。
確かに臨場感?は出ますけど、過去の回想シーンにした方がいい気もしてしまった。
そこでそうしないのが佐藤さんなんだよ!
とか言われそうなので、個人的意見として閉まっておきます。
全体的に良かったです。
ちょっとウルウル来るところもあったりして。

★★★★☆*92

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コメント

 読まれたんですね♪
 TBさせていただきました☆

 「え?あ、村田」のシーン、私も好きです(笑)
 なんかもう、村田さんの照れる感じもすごくわかる!^^

 1章、私はとくに感じなかったかも。
 人それぞれですねぇー。

 ちなみに、1章から号泣してました(笑)

投稿: miyukichi | 2006年12月18日 (月) 21:54

>miyukichiさん

こんばんわ!
TB&コメントどうもありがとうございます^^*

>「え?あ、村田」のシーン、私も好きです(笑)

やっぱりですか~!!(笑)
あのついポロッと言っちゃう所とか可愛いいなぁ、
とか思いつつ、むふむふ微笑みながら読んできました(変態!
木島好きです!「一瞬の~」では特に好きな登場人物はいませんでしたが、
今回は木島。断然木島、可愛い・・・!
とか言っているのは年を取った証拠じゃ・・・( ̄□ ̄;)!!

1章そうですかぁ・・・私だけかもしれません。
どうも佐藤さんの本は出だしの食いつきが悪いようです・・・。
途中から飲まれてるんですけどね(笑)
何となく女性版石田さんみたいな雰囲気があったのですよ、1章は。

>ちなみに、1章から号泣してました(笑)

そうなんですか!!それは凄い。
私は通ちゃんのいざこざのあたりかなぁ、
2箇所くらいウルウル来たところがありました!

次は「しゃべれども~」で!
そろそろ図書館で予約しておいた順番が廻ってくるみたいで楽しみです♪
ふと気が付いたのですが、10冊までしか借りられないのに、
気づかないうちにMAXまで借りていて昨日ビックリしました(苦笑)
本屋と同じく「読みたい!」と思うとつい手に取ってしまうのですよ。
でもお金が掛からず本が読めるなんてやっぱり最高だなぁ、と思っていたりします。
正月もばしばし借りようと^^♪

投稿: るい | 2006年12月19日 (火) 01:25

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» 黄色い目の魚 [miyukichin’mu*me*mo*]
 佐藤多佳子:著 『黄色い目の魚』    『しゃべれども しゃべれども 』 で初めて佐藤さんを読んで、  この作家さん、イイ{/ee_3/} すごい好きな感じだぁ{/heartss_pink/}  って思ったのは、ついこの間のことでした。  その後、短編をいくつか読んで、  『しゃべれども〜』には及ばないにせよ、  やっぱりけっこう好きで、  で、この『黄色い目の魚』で、決定づけられました。 ... [続きを読む]

受信: 2006年12月18日 (月) 21:51

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