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2006年10月

2006年10月31日 (火)

「ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師」 上遠野浩平

2006080806_2

ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師

著者:上遠野 浩平
販売元:メディアワークス
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ブギーポップなんだけど、ブギーポップじゃない。
ここまでくると、ブギーポップの括りにしておくのがもったいない。
電撃コミックにしておくのももったいないような、いい話。
でもまぁファンタジー感がいいのだと思いますが。
多分、本家「ブギーポップは笑わない」よりいけそう。

人造人間の失敗作・軌川十助は物心ついた時からアイスクリームを作っていた。
肌が緑色であるため、不自由な地下生活をしていていたが、
唯一そこを訪れる人物、軌川典助のために作るアイスを作る事が生きがいだった。
しかし典助が死に世に出て、悪の組織に目を付けられた十助は知らずのうちに
その秘められた、痛みに共鳴するアイスが世界にもたらす実験をさせられていた。
アイスを食べ、痛みの感情を失った人間はその味に虜になり、依存する。
十助は人を喜ばせ、美味しいと言ってもらう事が生きがいだが、
その力はあまりに強力で残酷だった・・・と言う話。

「自分の胸の奥にある痛みを少しでも忘れるため」
作り続ける十助のアイスは、実は自分の悲しみを消すためだった。
肌が緑色で、自分の存在価値もわからない人造人間が、夢中になって作ったアイス。
人を喜ばせていると思っていたそれが、
本当は自分の痛みを麻痺させるために行っていた行為であるなんて皮肉で虚しい。
初めて自分が大切だと気づき始めた人間を失い、気づいた事実。
人間は失ってからじゃないと判らない、とよく言いますが、
その極地がここに表現されている気がします。
自分の定めを知り、人の痛みを探る事を受け入れ、
大切な人に姿を隠しながらも生きてゆく、いい話です。
今回はブギーポップの出番が少なく、
これにブギーポップを出す必要があるのか?と少し怪しい感じ。
でも悪かどうかを見分ける、と言う機能ではブギーポップ登場で締められてる気も。
ちゃんと同情もしてくれますしね。
この本はシリーズを色々読み終わった最後がいいかも知れません。

★★★☆☆*83

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2006年10月28日 (土)

「パイロットフィッシュ」 大崎善生

パイロットフィッシュ パイロットフィッシュ

著者:大崎 善生
販売元:角川書店
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大崎さんの本て、やっぱり透明感があるよなぁ、と改めて思った。
金魚や熱帯魚が似合う感じ、素敵です。
話の中にエロイ要素・今回もエロ本編集者ですが、
結構生々しく書いてあるのに、過去を淡々と語る様子は、
どことなく切なくてそれさえも美しく見えてしまう、と言う感じ。
硝子越しに見ている物語、って言うのが大崎さんの印象です。
今回も「アジアンタムブルー」の主人公と同じ。

優柔不断で頼りなくて、どうしようもない人間だった僕は、
たまたま入った喫茶店で、男を友人に寝取られ泣いている少女・由希子に出会った。
付き合い始めた2人は、とあるバーのマスターと仲良くなるが、
ある日マスターは家族を残したまま理不尽な理由で死んでしまう。
その知らせに僕が落ち込み、部屋に閉じ篭っている時にやって来た人物・・
それは由希子の昔の男を寝取った伊都子だった。
壊れた愛情は19年越しに思い出され、本当の別れを告げ去ってゆく。
そんな話。

「傘の自由化は成功しましたか?」
ここを読んだ時、ぞわぞわと鳥肌が立ちました。
「アジアンタム」の時も、名刺の所で、「まさか、そんな!」の衝撃でしたが、
今回は運命的というか、輪廻的?な物を感じて身震いしました。
それにまさかここにマスターが!と言う驚きで。
大崎さんは、2度あることは3度ある、とかそう言う訴えがあるようで。
あと何か大切な物を失った時の絶望感と使命感、
これか凄く綺麗に描かれていると思います。
沢井が死ぬ間際、手足を拘束されながら僕の名前を呼びつづけていたのは、
幻覚の見える世界であっても、「きっと私を助けてくれるはずだ」
と言う僕への思いがあったのだろうと思うと、心を締め付けられるようでした。
ちょっと残念だったのが、七海の登場。
可奈でもよかったんじゃないのかなぁ・・・と思ってしまう。
でも可奈だったら「傘の自由化~」は無かったわけで。
でもたまたま来た女の子と、その日に寝ちゃうなんてどうよ?とか思いました。
いや、結構それ現実的だから、とか言われたら文句は言えませんけど。苦笑
それと、せっかくのパイロットフィッシュが、ちょっと曖昧すぎるような?
私の理解不足かもしれませんけど、なかなか判りづらい。
マスターは僕たちのために住み良い世界を作ってくれたんだ、とかその位?
私的には「アジアンタム」先に読んで良かった、と思いました。
「パイロット」の方が先に出てますけどね。
話は断然「アジアンタム」の方がいいですが、続編的に楽しめます。

★★★☆☆*81

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2006年10月26日 (木)

「砂漠」 伊坂幸太郎

砂漠 砂漠

著者:伊坂 幸太郎
販売元:実業之日本社
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うーん、つまらない。と言うわけではないのだけれど。苦笑
読むのがめっちゃ遅かった。
最近は1日1冊読めていたのに、これ1週間ですよ。
読む速さと言うよりは、むしろ気分的な問題だと思うのですが。
なんたって伊坂さんなのに、申し訳ない・・・。
と言うわけで、久しぶりのブログ更新?

大学の1年はなんて早いんだ!の一言。
入学し仲良くなった風変わりな中間達、そこにはいつしか恋が生まれたり、
その上事件に巻き込まれてみたり、人って凄いなって驚いてみたり。
時には、それでもやっぱり戦争は続いていて、
それに国民の意見が反映されないまま賛同する日本ってどうよ?と訴える。
オアシスのような4年が終り、砂漠に投げ出された僕たちの
これから先の未来は予想なんて出来ないんだってば、という話。

今回は全体的に主要登場人物が低年齢層化。
思い返してみれば、伊坂さんって学生書かないよね・・・とか思った。
まだ未読の本があるので、そこには出てるかもですが。
なんだか新鮮な感じがしました、大学生。毎日ワイワイ騒いでる感。
まだ大人に成りきれてない子供の表現がとってもよかった。
あとは、いつも奇想天外な登場人物が多いですが、
今回は特に多かった。と言うか、変なこだわりを持った人がわんさか。
一番インパクトが強かったのはやっぱり西嶋ですが、
他に超能力少女とか出てきて「おぉ盛りだくさん!」と楽しんでました。笑
でもやっぱり伊坂さんの凄いのは、その特殊な人物を
違和感なく話しに馴染ませ、尚且つ主張させる事。
今回は青年期の子供たちが教育システムから抜け出し、
社会へ放り出されるまでの美しいオアシスを描いている。
砂漠のように行き先が決められていない荒野で過去を振り返ると、
全てやるべき事が与えられ、何の目標もなく過ごす毎日がまるでオアシス。
そこに着目したのかぁ、と感嘆。確かにそうだよね、本当。納得。
終始賑やかな話ですが、うるっとくる一コマも。
西嶋の一言「友達に恵まれましたよ」で、かなりきました、いいわぁ。
話の途中にアクセントとして出てくる麻雀、さっぱり判らなかった。涙
あぁ麻雀出来る様になったらもう一回読もうかな、とか本気で思いました。
知ってるか知らないかで面白さ3割り増しですよ。

★★★☆☆*89

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2006年10月20日 (金)

「地下鉄(メトロ)に乗って」 浅田次郎

地下鉄(メトロ)に乗って 地下鉄(メトロ)に乗って

著者:浅田 次郎
販売元:講談社
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あぁ・・・期待してたのに。(意気消沈
何となく「ALWAYS 三丁目の夕日」的なのりで、
最後に「父さん、あなたを父親に持てて幸せでした!」とか、
主人公が臭いセリフを言っちゃうのかな?(妄想しすぎ)
とか思って、ある意味変な期待をしていました。
が、ところがどっこい、何も無しかよ浅田さん。がっくりだ。

兄の命日・30回忌。地下鉄の駅の構内を抜け、
外に出る階段を上った先、そこは30年前の懐かしい街だった。
兄はまだ生きている、そう悟った僕は兄を探し出し救おうとした。
その後愛人・みち子と共に、ベットの中で夢の中で時代を遡る経験をし、
戦下でアムールと言う青年に会う。彼は家族や兄弟を守るため必死だった。
父を知りたいのとは裏腹に、僕は一体何のためにこの時代を見るのだろう?と言う話。

別に地下鉄じゃなくても良かったんじゃない・・・?
と若干題名を覆す文句を言ってみます。(浅田さん、すみませんと一応謝っておく
だってさ、ベットで寝てる時でも向こうの世界に行けたら意味ないって!
うーん。
向こうに行ってからの描写とかは私的にとても好きだったのですが、
(特に兄さんのところとか)現実の世界が、あまり描かれていない?
と言うか、特に愛人・みち子との関係がクールすぎて、
仲の深さが掴みにくいって言うか・・・まぁそれが父譲りの僕なのかもですが。
最後のシーンは「おいおい、大胆だな。急展開過ぎるような?」と現実離れ。
願わくば、ラストがねぇ・・・父の見舞いに行くシーンで終わるとか、
母に兄(亡霊?)でも会わせて終わるとか、そんな感じがよかったなぁ。
そこでは兄さんが死んだ理由もなんだかなー・・・。
結局は、父が好きだったのに・・・!と絶望したんでしょうか。
なんだか、本当に愛し合っているのかいまいち微妙な愛人のために、
時代を遡ってまで父親の姿を見たのに、それでいて父に会いに行かない。
うーん。
そんな感じです。
浅田さんだったので、ちょっと期待を上乗せし過ぎました。
それと過大広告?(苦笑)映画の評価も低いみたいなので、
折角だけど、金曜ロードショーを待とう。(気長っ
前知識なしで読むとなかなかいけるかも知れません、
ってこれ読んだ人だめじゃんとかツッコミ入れて終りにします。

★☆☆☆☆*-

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2006年10月16日 (月)

「アジアンタムブルー」 大崎善生

アジアンタムブルー アジアンタムブルー

著者:大崎 善生
販売元:角川書店
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お、なかなかいいかも、と思って読んでいたら、実は映画化らしい。
しかも主人公が阿部寛!
「おいおい、冗談じゃない、めっちゃ合わないよ」
と読んでからツッコミを入れてしまったのは私だけですか?
阿部さんはお願いだからいつまでもトリックの阿部さんでいて下さい・・・。

端的に言うと、愛する人を失った悲しみを描いた純愛ストーリー。
だけど、どことなく泥臭くてエロティックで馬鹿らしい。
エロ本編集部に勤める「僕」は、エロさを追求し続ける編集の極意に飽き始めていた。
そこで水溜りだけを撮り続ける、カメラマン・葉子を新しく抜擢する。
次第に「僕」と葉子は互いに惹かれ合ってゆくが、長くは続かなかった。
愛する人がいなくなった時の絶望感は計り知れず、
つい面影を探そうと、「僕」はデパートの屋上で一人佇んでいる。
人は何かを乗り越えるために生きなくてはいけない、そう伝わってくる本です。

「僕はテロリストなのだ」
この言葉が後半になってこんなに響く言葉になろうとは。
ベットに潜り、手を繋ぎながら2人でテロリストになっただろう瞬間、とても好きでした。
脈絡でいきなりテロリスト、と出てきたので、ん?なんでいきなり。
と思っていたのですが、そこはさすが重要な鍵に繋がっていました。
それと名刺を受け取った瞬間は鳥肌もの。
人生を狂わす人間は、自分が死ぬまでつきまとってくるのではないか?
と言う恐怖心と、まさかここに来てこいつがまた現れるなんてと驚愕しました。
本自体の雰囲気は「陽気じゃない伊坂幸太郎+村上春樹+横山秀夫」※偏見です
病気とかSMとか自殺とかセックスとか、あんまり綺麗ではない物が
ごちゃごちゃ出てきていますが、すべてが上手い具合にやんわりと表現されています。
あと音楽もお好きなようで、「君が生きている時間、僕は幸せだった(?)」
みたいな歌詞が出てきていますが、それはいい感じに纏まっていました。
が・・・・なんだか色々出しすぎた感。
ストリートライブの2人は正直なくてもいいし、
せっかくのタイトルの「アジアンタム」の出番が少ない。
枯れてゆくアジアンタムを食い止めるのは至難の技で、
それはきっと癌にかけているのだと思いますが、あまり伝わっていない。
初めの方で屋上で出会うヒロミも、設定が突然消えるって感じでしたが、
それでも彼女は何のために出現したんだ?と疑問が強め。
同じ恋人をなくした悲しみなら沢井で十分だったろうに・・・と残念。
私的には本の中盤あたりまでが凄く良かったです。笹井に宣告される辺り?
でもその後がねぇ・・・ちょっとくどいような、ニース。
前半にで悲しみを押し出しすぎているからか、
後半にも愛を詰めこまなくちゃ!みたいな感じがし重い。
最後の水溜りの写真展がもう少しボリュームアップでも良かった気も。
うーん。
文章が凄く好きだったためか、ラストにかけての持って行き方が惜しいと思ってしまう。
そんな感じでした。

★★★☆☆*85

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2006年10月15日 (日)

「ジュリエットの悲鳴」 有栖川有栖

ジュリエットの悲鳴 ジュリエットの悲鳴

著者:有栖川 有栖
販売元:角川書店
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実は有栖川さん初でした。
そして、衝撃的事実・・・有栖川さんて男だった!!!!
いや、もう読み始めて中盤で気づきましたが、それまで全く判らない。
そして案外遊んでいる文章にガッカリ・・・?この本だけだろうか。
本格ミステリーとか合いそうな気がするんですけど、
微妙に切り返し展開が早く、乙一さんを上回るオチ狙い。
そんな感じです。

有栖川さんは作家ネタが多い。
「登竜門が多すぎる」とか、あぁこんな悩んだ時期があったんですねぇ。
可哀相に・・・と言う気持ちが湧いてくるぐらいリアリティ有り。笑
作家を目指して躍起になる人間に、訪問販売人が色々売りつける話なんですが。
変換が凄いソフトとか、あらすじ考えてくれるソフトとか。
話の成り行きでネタがバレバレなんだけど、笑っちゃう。

あとは「タイタンの殺人」かなぁ。
これも狙いすぎ。
宇宙人と人間が共存したら・・・見たな話なんですが。
ターナカとかスーズキとか見え見えすぎるから!!
とか思いつつ、最後はシュールに終わっちゃったりして。
これもこれでいいのですが、あぁちょっと笑ってもらおうって考えてるよね、
って言うあからさまなオーラがもったいない気がする。

他の本読んでみないとなぁ。
今度は長編がいいな、これは短編とSSの21本立て!
21本って凄いな、とか最初思いましたが、どれもなかなか楽しめました。

★☆☆☆☆*79

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2006年10月14日 (土)

■雑談:慶應第九コンサート

ベートーヴェン:交響曲第9番 ベートーヴェン:交響曲第9番

販売元:ニホンモニター・ドリームライフ
発売日:2005/12/07
Amazon.co.jpで詳細を確認する

こんばんわ。

本日はコンサートに行ってまいりました☆
第九ですよ、第九!!
しかも慶應の。笑
バイトの男の子が出るって言うので、
ここぞとばかりに招待で入場させてもらいました!(お金は払いましたけど
それがそれが、物凄いいい席で感動!!
あぁクラシックっていいなぁ、とまだ余韻に浸っていたりします。
つい、「私もヴァイオリン弾きたいなぁ~」とか、
「あ、ここ大変だったよな~」とか「ここよく間違えたよな(苦笑)」とか、
高校時代を振り返りながら聞けました。
出来栄えとしては、良かった方だと思いますよ。(偉そう
音も綺麗でしたし!
間違っても私が弾くヴァイオリンよりは、皆さんお上手でした。
でも、プレストが始まる時の管楽器のインパクトが弱くて凄く残念でした。
管が少なかったんだろうか?
それともうちの高校の管が盛大すぎたのか?
定かではありませんが・・・・。
そんな感じで。
「あぁ慶應ボーイはいいな」笑
と言う個人的な感想はなかった事にして、
明日もバイト、頑張りたいと思います、はい。

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2006年10月12日 (木)

「グラスホッパー」 伊坂幸太郎

グラスホッパー グラスホッパー

著者:伊坂 幸太郎
販売元:角川書店
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えーと。
いいかげん忘れないうちに書いて置かなくちゃね、って事で伊坂さん。
殺人的要素たっぷりで結構好きだったりしましたが、
積み込み感が今回は弱い気もしました。
2画面ならぬ、3画面描写はいやはやお見事でした。

一言で言うなら殺人トライアングル。
綺麗な三角形じゃないかも知れないけど・・・。
そしてそこに首を突っ込んでしまった「僕」の話。
ある裏の頭が臆病でずる賢かったために引き寄せられた3種類の人間。
言葉で自殺に追い込む力を持つ鯨に、切り裂き魔・蝉。
それに、その名の通り突き落とす殺人職「押し屋」が加わり、
螺旋状の殺人戦線が繰り広げられる。

殺人って言っても伊坂さんなので然程生々しくもなくクールな感じで。
毎度の事ながら、「え?この話結末が読めないんだけど」と中盤で不安になる。笑
今回は、世の中に理不尽な死や出来事があるように、
理不尽な力と理由で人を殺しちゃうのってどう?と言いたげです。
キャラクターもいつもながら的確に配置されていて文句なし。
伊坂さんは傾向的にちょっとドジ?と言うか優柔不断な主人公が多いですが、
この主人公・鈴木も引けを取らない優柔不断さがたまらない、なんて。
復讐を考えて乗り込んだくせに、いつの間にか敵?の家族と仲良くなったり、
心配しちゃったりと結構笑いもので、その滑稽さが伊坂さんらしい。
目の前で人を殺しているにも関わらず、俺には関係ないと言う鯨も、
実は故人の幻覚や幻聴に悩まされて命の危機に立ったりする。
その、人間やればやっただけの仕打ちが来るんだって、
やっぱり覚悟しなくちゃねと訴えかけているようです。
まさか「バカジャナイノー」の2人があんな結末で終わると思いませんでしたけど。
ラストのシーンでは、死を思いのままに操る信じ固い経験をした!
と衝撃と共になってくる興奮が、後の穏やか過ぎてしまう日常にかき消され、
妻のための復讐は本当に果たせたのだろうか、そもそも嘘?
と疑問になる気持ちを「バカジャナイノー」と吹き消してくれるところが、
すごく爽やかで、シュールなんだけど陽気に伝えようと言う伊坂さんらしい。
なかなかです。短めなのによく纏まってるし。やっぱ凄いよ伊坂さん。

★★★★☆*91

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2006年10月11日 (水)

「ねじまき鳥クロニクル 第1部:泥棒かささぎ編」 村上春樹

ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編

著者:村上 春樹
販売元:新潮社
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さて、春樹さんはノーベル賞とれるでしょうかねぇ・・・。
あと15時間後?位に発表かと思いますが。
是非とも受賞してしいてはインタビューコメントとか聞いてみたいですね。
多分、予想は文章でコメントだと思いますけれども・・・。

ねじまき鳥、いつ読んだんだっけ?と疑問に思うくらい昔に読みました。
中学生かなぁ。その時はこりゃ凄いや、と思った物でしたが、
今日は再読してみて、少し暖簾に腕押し気味でした。
何となくくどい感じがするんですけども、どうなんでしょう。
こんなに春樹さんの文章くどかった・・・?
久しぶりに「ノルウェイの森」も読みたくなりました。

失業した「僕」が、日常に中で遭遇する、奇妙な出来事や人物の話。
家の猫を捜索して出会った、水を薦める不思議な力を持った加納マルタ。
突然電話を掛けてくる謎の女。裏路地で出会った足を引きずる少女。
「僕」に水に注意を促した死んだ占い師の遺品を配る義腕の老人・・・。
あまりに突飛な出来事が起きるため、順序立てて妻に話す事を諦めてしまい、
そこにちょっとした秘密が生まれてしまう。
そんな時、妻が「僕」の知らない香水の香りを漂わせていた。
出来事はこれから始まる予感がするし、それぞれのちょっとした秘密は、
いつの間にか取り返しがつかないものになってしまったようだと言う話。
3部作、1部目。

久しぶりに春樹さんを読んだ気がする。
やっぱりこの頃の文章がすきかなぁ。「世界の終り~」もいいんだけども。
そしてこの本の大部分は会話(と言うか一方的な語り)で成り立っている。
それがどうにもくどいなぁ、という感想を持ってしまったのですがね。
会った人、会った人が、こんなに長い話をしてくれる物だろうか?
とかちょっと皮肉な意見をもってしまい・・・・。
ストーリはまさに序章、と言った感じ。随分前に読んだままだったので、
水と井戸と不思議な能力の発端はここにあったのか、と納得した。
あと「僕」の義兄との対立?というか蟠りを長々と語った後の、
「オーケー、正直に認めよう、おそらく僕は綿谷ノボルを憎んでいるのだ」
と言う文で思わず苦笑。やってくれるね、春樹さんと。笑
前文で綿谷ノボルがどうなろうと関係ない、と言ってるくせに、
この開き直りに清々した気分にもなった。
後は、ノモンハン事件の事ばかりが頭に残っていますね。
老人が語る過去話は泥臭くリアリティがあり、グロテスク。
皮を剥ぐあたりは正直飛ばし読みしました。苦笑
相変わらず、まだまだこれから。次はどうなるの?
って漂わせる終りで読者を長編に引き込む力は抜群ですね。

★★★☆☆*86

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2006年10月10日 (火)

「The MANZAI 3」 あさのあつこ

The MANZAI〈3〉 The MANZAI〈3〉

著者:あさの あつこ
販売元:ジャイブ
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あさのワールド炸裂、第三巻目。
なんだか凄い方向になってゆく感・・・思い出すのは
「バッテリー」の「姫さん」・・・!!笑。今回は「あゆむ~」に大ウケ。
可愛いわぁ~とか思っちゃうのは年とったせいかしら?
あさのさんは可愛い男の子を書くのがとっても上手くて、
胸キュンですね(死語)今風?に「キュン死に」とか言っておきましょうか。

夏祭りのステージで漫才をやる事になった歩と秋山。
同時期に何かを我慢すようにメグの様子がおかしくなっていた。
出場が決まってからもそれを拒みつづける歩だったが、
メグの事が気にかかり、ついには皆を笑わせるために(特にメグを)
漫才をやってやろうじゃないの!と気合を入れる。

3巻目だけあってか、ボケ満載のツッコミ満載。
しかもカップル誕生・・・!とか色々盛りだくさん。
一番受けたのは、高原が、
「おれのことを下心の帝王と呼んでくれ」といったところ。
思わず電車内で吹き出しそうになる危険な感じでした。笑
もうねぇ愛は盲目っていいますから、
そう言うところがしっかり過ぎるほど描かれています。
後は「バッテリー」の時もそうだったのですが、
相方・秋山のミステリアス加減倍増。優しいのですけれども、
バッテリーの豪の時みたいに豪の言葉で書かれた文章がないので、どうしてもね。
いい感じです、いい感じ。
再婚話とか、恋話とか盛りだくさんで結構漫才そっちのけですけど。笑
きっと次の巻ではロミジュリデビューを果たすでしょう、期待してます。
楽しみだ。
是非1、2巻の後に。

★★★★☆*96

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2006年10月 9日 (月)

「最後の息子」 吉田修一

最後の息子 最後の息子

著者:吉田 修一
販売元:文藝春秋
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最後の息子・・・そう言う意味でしたか。
ブックoffで購入したため、カバーなしで平然と電車で読んでいたのですが、
まいった、まいった。
ホモ要素が混ざってるんじゃなくて、話が初めからホモ肯定。
いや、別に非難しているわけではないのですが、ちょっぴり衝撃的だっただけです。
なんせ「後味が爽やかな本」ってお薦めしてもらったもので。苦笑

3本入り短編です。

「最後の息子」
一言で言うとホモの世界の話・・・。(纏めすぎ
僕と閻魔ちゃん(男)との間に生じる蟠りをメインに描かれている。
僕は女の子を好きになれないわけではない、
だけどなんで閻魔ちゃんなんだ?と言う説明し様がない現実がある。
一緒に住み、暮らしてゆく中で、一体僕は何を求めているか判らないし、
世間にはやはり(ホモなんて)公言するべきではないとする。
お互いに好きあっているけれど、結婚なんて考えるべきじゃないわって話。
いわゆるホモの憂鬱ってヤツでしょうか。
大変だなと客観的な感想しかもてませんでしたが、
描写が独特で楽しかったです。初めはいきなり「大統領」って誰だよ、
とかツッコミながら読んでましたが、最後の部分では
「おぉ!凄い纏まった」と感心しました。最後の息子、意味が最高です。

「WATER」
これまたホモ要素?微量配合。
これを「後味爽やか」と薦めてもらったのですが、なるほどなかなかでした。
水泳の話ですが、雰囲気で言うと、森さんの「DIVE!!」風味。短編だけど。
メドレーで、今回は団体競技ですが、4人それぞれの思惑が錯誤して、
尚且つ纏まってるよ!みたいな連帯感が良かったです。
登場人物は高校生ですが、作者が男性であるからか、
エロチズム?な描き方が私的にとても好きでした。(だから男性作家が好きなのか?
後は感動要素の入れ具合が絶妙で思わず、うるうるなシーンも。
主人公主体で進んでいますが、泳げない後輩を笑い飛ばしていても、
実は自分が一番心配していて、泳ぎきった後泣いてしまうくらい情に脆い。
その上、兄(「破片」に出てますが)が死んでしまった事によって、
母親が狂ってしまった息子の心境がともて素敵でした。
確かに後味爽やか!「最高記録を破るために生きて行く」、いい言葉です。

★★★★☆*90

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2006年10月 7日 (土)

■雑談:帰省中

実家に帰省中&免許の卒業検定中です。

いやはや、昨日の嵐はすごかったですね。
東京の家から最寄駅まで徒歩5分ですが、
駅につくまでにビニール傘の残骸を30本近く見かけました。
今日の警察のお仕事は、全国の傘拾いでしょうねぇ、大変だ。

明後日、卒業検定です。
落ちなきゃいいんですけどー・・・。
不安です。
2週間ぶり位に車を運転しましたが、まだ大丈夫でした。
これから免許を取れたとしても明らかにペーパーになるんですが、
一体どれくらいの期間乗っていないと怖くなるんでしょうね。苦笑

先日から吉田修一の「最後の息子」読書中。
短編なのですが、なんで「最後の息子」を表題にしたんだろう?
と激しく疑問に思っているところです。
まあ、確かにこれが短編の中盤に置いてあったら衝撃的ですもんね。
とか、そういう理由なんでしょうか?
とりあえずお目当ての「WATER」はまだなので楽しみたいと思います。

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2006年10月 5日 (木)

「The MANZAI 2」 あさのあつこ

The MANZAI 2 The MANZAI 2

著者:あさの あつこ
販売元:ジャイブ
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ダメでした・・・あさのさんの誘惑に負けた。笑
「バッテリー」に引き続き、また止められなくなり一気読み。
面白い、面白すぎるよ歩君。
あとがきで知ったのですが、あさのさんの娘さんは20歳らしいです。
え?って事はあさのさんうちの母親ぐらいの年だったのか、と衝撃。
だってこんな生き生きした文章を書けるお母さんなんて素敵ですってば。

学校際での劇、「ロミオとジュリエット~ほんまはあんたがアホやねん」
を無事成功(?)させ、ひと段落ついた頃、
歩むは人を楽しませると言う喜びを知ってしまう。
そんな時、校内一の美女・メグへの嫌がらせやホームレス暴行事件が発生し、
歩むは喜来を疑い始める。疑っちゃいけないのに、疑ってしまう。
そんな歩の葛藤の心理表現がとても素敵です。
歩は今まで殻に閉じ篭っていたから、
秋本の様にずかずかと心に入って来るなんて許せない。
だから漫才なんてやりたくない。そう口で言っているくせに、
あの学校祭で覚えた快感が頭を過ぎり、躊躇する。
何もかもを考え過ぎてしまう歩が少しかわいそうに思う。
多分心の中には嫌世的なところがある反面、
もしも僕があいつだったら、と他人のことばかり考え、
その上自分の出来の悪さに自己嫌悪している。
でもそう言う気持ちは人の心の中にきっとある物ではないだろうか。
人を傷つけてしまった時や何かを失ってしまった時、きっとある物だと思います。
人は何かに傷つき何かに悩んでいる。
だけど、大勢で話をする事は楽しいしかけがいのない物だ。
わいわい騒いでいる時の笑顔の様に、
漫才で本当の笑いを見つけたっていいじゃない。
あさのさんが言いたいのはそんなところかな。(1巻のときにも書いたかも;)
今回はそれプラス「他人を疑ってしまいそうな時」と言う話題。
自分はダメなんだ、って決め付けるけど、
歩に助けられる人だっているんだから、気づきなさいよ。って感じです。
あぁもう本当いい話。
是非読め!の一冊です。1巻の後にどうぞ。

★★★★☆*96

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2006年10月 4日 (水)

「明日の記憶」 荻原浩

明日の記憶 明日の記憶

著者:荻原 浩
販売元:光文社
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泣けた、泣けた。
荻原さんの他の作品でもいいお話は多いですが、
いつも「いいなぁ」と思うだけで、泣いた事はありませんでした。
今回は何でかな、渡辺謙とか樋口可南子のイメージが当てはまり過ぎて、
あまりにもシリアスで現実的に読んだからだろうか。
理由は判らないけど、泣いちゃうくらいいい本。

広告会社に勤める佐伯は50歳を迎え、会社でのポストも部長を勤めていた。
一人娘が結婚する話がでた頃、佐伯は徐々に物忘れが激しくなった。
初めは更年期やストレスからくる度忘れだと決め付けていたが、
病院に掛かってみると検査の結果、若年性アルツハイマーだと診断される。
妻と一緒に次第に消えてゆく記憶と、必死に戦う姿が美しく描かれている。

記憶が消える、それは一体どなんな感覚なのだろうか。
つい先程机に置いてあった物を忘れ、数分前に問いかけた質問をもう一度する。
誰にでも起きる記憶の交差だろうと願い、いっそ誤診だと告げて欲しい、
病院で診断された後もその結果を信じる事が出来ず否定する姿が悲しかった。
さっきまで知った道を歩いていたはずなのに、
次の瞬間見覚えのない空間になって、辺りを見回すのが怖い。
見知った人間に「初めまして」と言い、傷つけるのではないかと言う恐怖もある。
まるで頭の中の地図が欠落し、代わりに黒い物がどろりと流れ出ているようだった。
朝起きたら、妻や娘の顔さえも忘れているかも知れない。
自分の記憶が消えるなんて考えただけでも身震いした。
文章は「私」が語りかけるように書かれていますが、話が進むにつれ、
自分の症状を再確認するように自らの口から述べられる部分が泣けてきます。
それと中に出てくる日記も同じ事が2回書いてある。
そんな様子を文章で読むのが辛くて、もしも自分がしていたら、と不安になりました。
ラスト、泣けます。CMにもなっていたみたいですが。
「こんにちは」
その一言がどれだけ心に響いたろう、と考えるだけで泣けました。
重い題材だからか、清々しいまでの美しい終わり方がとても気持ちがいいです。
映画観たかったな、渡辺さんと樋口さんはイメージにピッタリです。
DVDそろそろ出るみたいなので借りてこよう。
小説もかなりお薦めです。荻原さんはシリアス路線の方がいいです。
渋好きなのだろうか、私は「神様からひと言」より断然好きですね。

★★★★★*97

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Winding Road

Winding Road

アーティスト:ポルノグラフィティ
販売元:SE
発売日:2006/10/04
Amazon.co.jpで詳細を確認する


買っちゃいました。
予約して。
しかも2枚。
だって初回限定が2種類あるって言うから、買わないわけいかないでしょう!
うふふ。
昭仁さん作詞・作曲なのに(禁句)、一般ウケのなかなかいいバラードです。
ハネウマライダー並びに、お薦めしておきます。
そうそう、なんとこの3曲目ハルイチさんが歌ってます・・・!!
いや、音楽的にどうなんだろう?とか思いますが、うーん。
まぁ違った観点から見ればいいテンポの曲です。
一度しっかり熱唱してるのを聞いてみたいですけどもねぇ。笑

正直言って「あやかし妖し(?)」と言うアニメ(漫画?)知らないです。
この間6時くらいにキャイー○が司会で、
「超話題漫画アニメ化!」とかやってっましたけど、さっぱり知りません。
話題じゃねぇよ。(うわ
とか言いつつしっかり見てるあたりが私のポルノオタクぶり発揮されてるかと。

さて、今日は
「グラスホッパー」か
「死者の奢り」か
「The MANZAI 2」か
「明日の記憶」の感想を書こうと思います。
順に書いていかないと忘れるのに、つい順番狂います。
ってなわけで、今日は「グラスホッパー」かな。

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2006年10月 3日 (火)

「The MANZAI 1」 あさのあつこ

The MANZAI 1 The MANZAI 1

著者:あさの あつこ
販売元:ジャイブ
Amazon.co.jpで詳細を確認する


おもしろ~い!!あさのさん、やっぱり凄いわ。感激。
「バッテリー」も楽しかったけど、こっちも格別にいい。
漫才がこんなに奥深い物に見えるなんて、びっくりですよ。
楽しいから一度読みなさいよ、と差し出したい一冊。
3巻までイッキ読みしそうな予感。笑

転校1ヶ月目の瀬田が告白されたのは、秋本と言う男だった。
一際強引に相方を申し出る秋元に戸惑う瀬田であったが、
「ほんまにおかしゅうてたまらん笑い」
を心から求める秋本の思いに折れ、少しずつ心を開いてゆく。
2人が繰り広げる絶妙なコントがたまりません。

蝕む過去の記憶と、心から笑う笑いのパートナーに
自分を求める秋本が交差し、瀬田が葛藤する様子がとても共感できる。
今まで腫れ物に扱われ、自分の事でも、他人の事でも本音を聞いた事が無い。
それは改めて再認識すると凄く虚しく感じてしまうかも知れない、
だけれど、その心の奥に詰まった言葉を紡ぎ出させてくれる相手が出来た、
ただそれだけの事だって実はとても大きなことなんだ。
そう感じさせてくれる話です。
周りの環境が変わり、急に自分を求める人間が出現し、戸惑う。
もしかしたら、以前のように自分はからかわれているだけなのかも知れない、
なんて本当はちょっとした杞憂に過ぎないのに、
肩を張って身を固めすぎていた瀬田が、秋本と一緒にいる事によって、
まるで冷たい氷が温められて解けていくような様子が素敵です。
あとは、ウケる漫才。笑えます。
中学校の記憶を思い出しながら、こんなメンバーであんな事やったら、
そりゃもう絶対ウケるって!と一人でニヤニヤして読みました。
もしかしたら頭が笑いの方向に向いたのかも、って言う瀬田の言葉があったのですが、
その言葉どおり、会話で無い部分の瀬田の一人ツッコミにも受けてしまった。
「いや、森口の匂いっていいなと、ぼんやりしてました、なんて言えるわけなかった」
のところが、瀬田の言葉かと思うと可笑しくて仕方なかったです。
楽しいから一度読みなさい、と差し出す一冊。
青春はいいです。是非に。

★★★★☆*96

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2006年10月 2日 (月)

「4TEEN」 石田衣良

4TEEN 4TEEN

著者:石田 衣良
販売元:新潮社
Amazon.co.jpで詳細を確認する


随分前だけど、もしかしたら初石田さんの本だったような気がする。
読み返しましたが、やっぱり昔から石田さんは長編のような短編だったのか・・・
と納得した。文章の構成とかは「池袋~」より好きかも。
取りあえず直木賞受賞作。

早老症の病気と戦うナオトを含む、まぶ達4人組の話。
中身が短編集のように細切れになっているので、
説明しようにもしにくいのですが・・・・。
中学生4人の青春と言うか日常から繰り出すちょっとした冒険が。
一番いいのはやはり「びっくりプレゼント」かな。
早老症の悪化で倒れたナオトに3人がびっくりなプレゼントをする話。
悪知恵の働くジュンを初め、ノリの良いダイとテツローが
ナオトを思いやっている気持ちがとても素直に表れています。
ナオトの病気について調べた3人が驚愕した事実、寿命が30代である事。
そんな病にかかりながらも明るく過ごすナオトに心を動かされる。
友達だから気を使いすぎるとギクシャクしてしまうから、
口にはせずに皆心の中で思い合っている、その姿がとても素敵でした。
中学生の設定ながら、なかなか楽しませてくれますが・・・
まぁ小説だからと言ってしまえば、それもそうなのですが、
結構非現実的、な感じがします。
ルミナの太り方とか、ユズルのイカレ具合も。
あと、病気のおじいさんのところも、4人で騒ぐあまり、
おじいさんについての話にならず、4人が主体になってしまったのが残念です。
4人で騒ぐ姿は青春って感じでいいんですけどね、
その説明をするあまり、他の事が希薄だった気がしました。

分類で言うなら、宮部さんの「夢にも思わない」「今夜は眠れない」系です。
事件物ではありませんが、雰囲気がとても。
ということは、これが好きな方は上記2冊もお薦めです。

*80

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2006年10月 1日 (日)

【映画】夜のピクニック

夜のピクニック 夜のピクニック

著者:恩田 陸
販売元:新潮社
Amazon.co.jpで詳細を確認する


映画観ようか観まいか悩んだ挙句、結局公開2日目に観てしまいました。
なかなか、キャストはいい感じでした。
忍派の私としては許せない・・・という感じもしましたが。笑
結構演技は自然な感じで、貴子役の多部未華子ちゃんも私的好きでした。
が、えーと。

あ、ここからネタバレですのでご注意。

「あの妖精何よ・・・」が第一声です。
確かにあのシーンはありましたけど、まさかアニメ使うなんて。と落胆。
なんだかまだ人形劇とかの方が良かった気がしますよ。
これのおかげでちょっと映画の質が落ちていたような・・・。
あとヘビメタロックがヘビメタ過ぎてビビリました。笑
あれはあれで良かったけど、しっとりとしていたはずの小説のイメージが一変
何だか笑い狙いな雰囲気もあって、館内でも笑い声が聞こえました。
そして最大の難点はラストが違う・・・!!
えーなんで「家においでよ」って言わないの?と残念でした。
あそこが結構ミソだったような気がするのに。
でも小説の本質的なコンセプト、青春の終りに異母兄弟とピクニック!なんて素敵。
ってのと、ただ歩くだけなのに、夜だと言うだけで不思議なパワーがあるよ。
っていうのはキチンと伝わっていた気がします。

そんな感じ。(どんな感じ?
観ても後悔はしない、いい感じだと思います。
小説を読まずに観た友人も良かったと言っていましたし。
うーん。どうも私は原作を読んでから映画を観てはいけない人間のようです。
今まで「半落ち」位しかいいと思ったことがない。(小説も良かったですが

*80

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