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2006年10月31日 (火)

「ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師」 上遠野浩平

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ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師

著者:上遠野 浩平
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ブギーポップなんだけど、ブギーポップじゃない。
ここまでくると、ブギーポップの括りにしておくのがもったいない。
電撃コミックにしておくのももったいないような、いい話。
でもまぁファンタジー感がいいのだと思いますが。
多分、本家「ブギーポップは笑わない」よりいけそう。

人造人間の失敗作・軌川十助は物心ついた時からアイスクリームを作っていた。
肌が緑色であるため、不自由な地下生活をしていていたが、
唯一そこを訪れる人物、軌川典助のために作るアイスを作る事が生きがいだった。
しかし典助が死に世に出て、悪の組織に目を付けられた十助は知らずのうちに
その秘められた、痛みに共鳴するアイスが世界にもたらす実験をさせられていた。
アイスを食べ、痛みの感情を失った人間はその味に虜になり、依存する。
十助は人を喜ばせ、美味しいと言ってもらう事が生きがいだが、
その力はあまりに強力で残酷だった・・・と言う話。

「自分の胸の奥にある痛みを少しでも忘れるため」
作り続ける十助のアイスは、実は自分の悲しみを消すためだった。
肌が緑色で、自分の存在価値もわからない人造人間が、夢中になって作ったアイス。
人を喜ばせていると思っていたそれが、
本当は自分の痛みを麻痺させるために行っていた行為であるなんて皮肉で虚しい。
初めて自分が大切だと気づき始めた人間を失い、気づいた事実。
人間は失ってからじゃないと判らない、とよく言いますが、
その極地がここに表現されている気がします。
自分の定めを知り、人の痛みを探る事を受け入れ、
大切な人に姿を隠しながらも生きてゆく、いい話です。
今回はブギーポップの出番が少なく、
これにブギーポップを出す必要があるのか?と少し怪しい感じ。
でも悪かどうかを見分ける、と言う機能ではブギーポップ登場で締められてる気も。
ちゃんと同情もしてくれますしね。
この本はシリーズを色々読み終わった最後がいいかも知れません。

★★★☆☆*83

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