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2006年9月 2日 (土)

「死神の精度」 伊坂幸太郎

死神の精度 死神の精度

著者:伊坂 幸太郎
販売元:文藝春秋
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上手いなぁ~伊坂さんは。
と相も変わらず感嘆の声ををあげてしまう。
人間を客観的に見るって今まであったようでなかったような。
そんな絶妙なポイントをいとも簡単に突いてくれちゃって!みたいな。笑
パターンの展開も素敵。面白い、の一言に尽きます。

題名の通り、死神が人間の死期を判断する話。
この話の一番の面白みは主人公が死神であるところ。
死神であるから、人間の考えている事と若干常識がずれているし、
通常人間が恐れている死に対する恐怖や関心も、
勿論「死」と言う観念がない存在だからあるはずがない。
そんな超越した精神から、傍観者的に死期を迎える人間を観察し、
本当にこの人間が死ぬに相応しいかどうかを死神的に見る。
人間的に見ると、「おいおい、折角そこからの人生なのに勿体無いよ」
とちょっと同情したくなる場面も、勿論「死神的」に見るのでお構いなし。
でもその結果、ある意味この人間は救われていたんだよ、的な場面が多々。
人間の死期って事故であったり事件であったり、人それぞれ要因はあるけど、
結局のところ来るべくして訪れるものなんだよ、って言うのがコンセプトっぽい。
そしてそれは「死神」の偏った判断によって決められているんだよ、
と言う洒落た語り口で話が進み、間接的に事実を見る事が出来るようになっている。
伊坂さん凄いや。
何だか凄い凄いと馬鹿の一つ覚えみたいで恥ずかしい限りですが。苦笑
もうこの才能には乾杯って感じですね。
特にこの本は形式上短編集みたいになっていますが、
同じ目的(死期を見極める)なのに全く違った書き方がされていて、
読んでいる側をまったく飽きさせない。
特に「恋愛で死神」の話では予想もしない進み方でビックリ。
最後の「これはこれで」よかった、と言う男の気の持ち様が
とても清々しくて素敵でした。切ない終わり方もいい。
勿論、他の話も抜群に面白いです。
ちなみにこの本には「重力ピエロ」の春が出ています。
他にも他の本の登場人物が出てるかも知れませんが、
まだ未読なのでこれからどしどし読もうかと。
ぜひ「重力ピエロ」の後にお読みください。

*93

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コメント

 う、またエラー・・・。
 二重投稿になってたらゴメンナサイ!

 これ、おもしろかったですねー!
 
 ただ、荻原クンは「見送り」にしてほしかったですけど。。
 
 「死神対老女」には、泣かされました。
 まさか彼女とは思いもしませんでした。

 これからCDショップを通りかかるたびに、
 「あ、死神が」なんて思っちゃいそうですね(笑)

投稿: miyukichi | 2007年1月23日 (火) 22:29

>miyukichiさん

こんばんわ!
TB&コメントどうもありがとうございます^^*
今日は大丈夫ですよ~♪
メンテナンスも終わったようですし。
もしかしたら記事が多くなってきて重くなってきたのかも知れません;
うー・・・そう考えると、引っ越そうかなぁとか思っちゃうんですよね。
まだ未定ですけど。もう少しスムーズに過ごせるところへ・・・(笑)

そうそう、これ、面白いですよね!!
単純に「面白さ」で言えば、伊坂作品ではこれが一番面白い様に思います。

荻原君・・・「見送り」に・・・確かに!
でも仲良くなってから「実は癌なんだ」って自分が苦しむ姿を彼女に見せるより、
これはこれで「良かったんですよね」と最後の別れに思いを馳せる姿が、
よかったなぁ~とか思ったりしました。
でもどちらがいい?と言われて簡単に決められる事じゃないですけどね。

> まさか彼女とは思いもしませんでした。

私もです!
伊坂さんの人間の「繋がり」ここにも健在、と思うと同時に、
一種の思い入れと言うか伝えたかった事を感じました。
なんて言うか荻原が死神と言う絶対的な力であっさり死んで、
そのあと悲しみに打ちひしがれたであろう彼女・・・
でもその彼女だってこうして死ぬべき時期を迎えるんだよ、と。
うるうる来ましたね~。

>これからCDショップを通りかかるたびに、
>「あ、死神が」なんて思っちゃいそうですね(笑)

一時期、そんな風に気にした事がありました、タワレコで(笑)
この本を読んだ直後だったので「まさかね」とか思いつつ、
本に影響されている自分に苦笑してみたり。
そんなタワレコで視聴コーナー入り浸る私も、
もしかしたら死神だと思われてるかも?と思うと面白いですね、なんて^^*

投稿: るい | 2007年1月24日 (水) 02:53

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» 死神の精度 [miyukichin’mu*me*mo*]
 伊坂幸太郎:著 『死神の精度』    タイトルから、えっらく暗くて怖そうな、  そして堅い系統の作品を、想像していました。  それがなんと、大違い!  こんなに楽しい死神サンの物語だったなんて!(笑)  「死」が決定した人間には、担当の死神がつき、  1週間の調査ののち、判断が下される。  「可」すなわち死、または「見送り」。  これは、ある1死神の出会った人たちの、  それぞれの1... [続きを読む]

受信: 2007年1月23日 (火) 22:23

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主人公は死神の連作短編集。 事故死や不慮の死というのは、死神が7日間の調査の元に「可」or「不可」と決定するもの、ということにこの物語ではなっている。 死神が死神であるという物語の本筋にはそれほど目新しいものは無いのだけど、死神の浮世離れた(当たり前だけど)セリフが面白い。 ... [続きを読む]

受信: 2007年2月26日 (月) 09:25

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