« 「死神の精度」 伊坂幸太郎 | トップページ | 「イン・ザ・プール」 奥田英朗 »

2006年9月 4日 (月)

「蛇にピアス」 金原ひとみ

蛇にピアス 蛇にピアス

著者:金原 ひとみ
販売元:集英社
Amazon.co.jpで詳細を確認する


綿谷さんよりもいいよ!ってお薦めいただいたので早速。
なるほど、なるほど。
やっぱり2歳(?)の差でも変わるもの?
金原さんの方が文章が安定してて読みやすいです。
でも内容が暗い・・・と言うか黒いので選り好みあるかもですが;

耳のピアス穴を拡張し、大きな穴にする事によって達成感を得る少女・ルイ。
ひょんな事から蛇のように割れた舌を持つ少年・アマと出会い、
その奇妙な舌の魅惑的な感覚に洗脳され、自分も舌を割る決心をする。
ルイとアマ、それからルイの舌にピアスをした男・シバの、
奇妙な三角関係が生まれ、次第に形が崩れ崩壊する。
頼りにしていた人が死ぬ辛さと、真実の残酷さが綺麗に描かれている。

こんな話だったのか・・・!とちょっと衝撃的でした。
雰囲気を説明するなら、「村山由香+村上龍÷2=金原ひとみ」。
勿論私的イメージですけども、予想以上に黒くてびっくりした。
村上龍の黒さは徹底的に黒いですが(あまり私は受け付けないのですが;)
そこに女性的な弱さが加わったら、こんなかな?と言う絶妙な感じ。
なるほど、なるほど、これで芥川賞は納得できるかも知れないと思った。
「一体どっちが健康的なんだろう」
主人公ルイはアマが死ぬことによって、自分の抱いていた愛情に気づき始める。
でも気づいたところで愛する相手はいるわけはなく、
アマと知り合う前の自分と、出会ってからの自分を比較し悩みに耽る。
その様子が雰囲気が暗いとかそう言う外観的イメージが気にならない位、
鮮明に描かれていて、主人公が未成年であると言う若さが漂っている。
もしこの部分がなかったら、かなり大人なイメージになってしまって、
もっと設定年齢上げたら?って言いたいところだったのですが、
金原さん考えてるな、って感じで。いい具合に新鮮さが混ざって素敵。
なかなかお薦めかもしれない。
でも覚悟してかからないとグロいから注意。

*82

|

« 「死神の精度」 伊坂幸太郎 | トップページ | 「イン・ザ・プール」 奥田英朗 »

コメント

 うお、さっそく読まれたんですね。
 すばやい!(笑)

 たしかに、かなり黒くてグロいですね^^;;
 でも、ただ“雰囲気”だけで書いてるんじゃなく、
 文章にしっかり芯があるな、って思いました。
 最初読んだとき、なんか感情を鷲掴みにされたように
 ぐいぐい引き込まれました。

 金原さんは、大学教授のお父さんに勧められて
 小学生くらいから書きはじめたんでしたっけ。
 キャリアあるだけに、あの若さのわりに、
 書くことに慣れているって感じを受けますね。

 その後の金原さんの作品は読んでないんですけどね。
 楽しみなような、ちょっと不安なような・・・^^;;

投稿: miyukichi | 2006年9月 6日 (水) 00:09

コメントありがとうございます!
そうなのですよ、うっかり100円で手に入ってしまったので早速。笑

ちょっと衝撃的でしたよ~黒さにビックリでした。
「蛇にピアス」・・・題名で結構覚悟はしていたはずなんですけどねぇ。
うんうん、確かに!
行き当たりばったりで書いたんじゃないって思いますね。
私は耳にピアス開けるのでさえも怖いほどの小心者ですけども、
何かに取り付かれる時の心境とか、失った時の喪失感の表現が上手くて、
黒いとかグロいとか逸していた感じでした。

>金原さんは、大学教授のお父さんに勧められて
>小学生くらいから書きはじめたんでしたっけ。
そうなんですか・・・!!さすがは、と言った方がいいでしょうか。
私もそんな父親が欲しかった、とかそんな負け惜しみも言ってみたり。苦笑
金原さん、他に何を書いているんでしたっけ?
私も今度読んでみようと思います。
あと綿谷さんの「蹴りたい背中」も。

お薦めありがとうございます。
また何かありましたら是非。お待ちしております!

投稿: るい | 2006年9月 7日 (木) 08:41

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/126354/3327058

この記事へのトラックバック一覧です: 「蛇にピアス」 金原ひとみ:

« 「死神の精度」 伊坂幸太郎 | トップページ | 「イン・ザ・プール」 奥田英朗 »