« ■雑談:今日から復活 | トップページ | 「風に舞いあがるビニールシート」 森絵都 »

2006年9月28日 (木)

「神様からひと言」 荻原浩

神様からひと言 神様からひと言

著者:荻原 浩
販売元:光文社
Amazon.co.jpで詳細を確認する


随分前に読んだのですが、再読しました。
やっぱりねぇ「コールドゲーム」よりも全然いい!!
荻原さんの書くサラリーマンはカッコイイです=学生は止めた方がいい。
どちらかと言えば「オロロ畑でつかまえて」系。
昔のお勤めが広告会社だったのでしょうか?面白いです。

バントを諦めきれないまま決めた涼平の再就職先は、売れない乾麺会社だった。
広告会社の経験を買われて雇われたはずなのに、それをよく思わない部長と衝突し、
ダメ社員の掃き溜め・お客様相談室に飛ばされる事になった。
「お客様の声は神様の一言」と言う社長の言葉も虚しく、クレーム続きの最低の会社。
毎日の謝罪で身に付いた低姿勢も、彼女に対しての対処は全く思い浮かばない。
そんな時涼平の前に現れた神様が言った一言は・・・・と言う話。

毎日続く掃き溜め・お客様相談室での電話の格闘、凄く面白い。
時には乾麺の作り方の問い合わせが、味がまずいとの文句、
ハエが入っていたと言うクレーム、さらにストーカーのクレーマーまでいる。
受話器を上げた瞬間に響き渡る怒声を聞いたら、
思わずこちらも怒って切ってやろうかなんて思いますが、そこは辛抱。
「謝罪の天才」篠崎にならって、徐々に対処に慣れてきた涼平が、
客の怒りをサラリとかわせるようになる辺りは爽快です。
中盤でヤクザ気取りの男たちとの対決がありますが、
そこでの篠崎と涼平の手合いも、思わずお見事!と言いたい感じでした。
実際でも思いますけど、自分がさして悪くないのに謝るのって大変ですよね。
そんな技量?を身につけていくうちに、自分はこんなに謝ることが上手くなったって、
篠崎や涼平が結局自分自身の周りの環境では役になっていない。
別れて住む妻に切り出す言葉や、失踪した彼女を引き戻す言葉が見つからない。
そんな様子がとても切なく感じました。
会社に対して客が、閉店後のラーメン屋がホームレスの神様のように、
涼平にとっても助言を求める神様がいたっていい。
そんな荻原さんの心意気と言うか、こんな事だって神様のお言葉だって言えるんだよ、
ありがたく思えばなんだってそうなんじゃない?って言っているようです。
あと「謝る時は大切な人を庇う様に電話の前でもお辞儀をする」
と言うような文が出てきますが、これもなるほどなと思わず頷きました。
褒めておいて難ですけど・・・
私的には神様の言葉がもうちょっとインパクトあってもー・・・なんて思いましたが、
その質素さがまた涼平の神様にはぴったりなんだ、ってオチです。
どうぞ、「オロロ」と合わせてお読み下さい。
そう言えば、題名からしてしっとりな感じに思うかもしれませんが、
結構コミカルで、すかさず笑いも狙っています。涼平の一人ツッコミが面白いです。

私は「明日の記憶」も買ってしまったので、しばらくは荻原ワールドです。

*92

|

« ■雑談:今日から復活 | トップページ | 「風に舞いあがるビニールシート」 森絵都 »

コメント

 おもしろかったですー。
 クレームへの対応もなるほどーって勉強になるし(笑)、
 篠崎がだらしないけどなんか魅力的でした^^
 ヤクザもどきの連中との対決は、
 もう大笑いして読んでました。
 
 ラーメン屋店主とのエピソードも好きでした。
 ベタだけどほのぼのしました。

投稿: miyukichi | 2007年9月 8日 (土) 01:47

>miyukichiさん

こんにちわ~TB&コメントどうもありがとうございます^^*
楽しんでいただけたようで、よかったです。
荻原さんの小説の中ではなかなか上位だと思います(笑)
クレーム対応シーンは笑えますよね、でも簡単にできるものじゃないし、
成功した時の清々しさが良かったなぁと。

何と言ってもこの小説のよいところは、
「たまちゃんラーメン」というとても魅力のない、
乾麺会社ってところにあると思います(笑)
これだけ頑張っても、されど乾麺…みたいな。人生甘くないですね。

かなりドラマウケしそうなストーリーですが、
面白かったですね。是非とも「ハケンの品格」みたいな感じで、
やってみて欲しかったのですが、残念!

投稿: るい | 2007年9月10日 (月) 09:50

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「神様からひと言」 荻原浩:

» 「神様からひと言」/荻原 浩 [京の昼寝〜♪]
「神様からひと言」(荻原 浩著)【光文社文庫】  大手広告代理店を辞め、「珠川食品」に再就職した佐倉凉平。 入社早々、販売会議でトラブルを起こし、リストラ要員収容所と恐れられる「お客様相談室」へ異動となった。クレーム処理に奔走する凉平。実は、プライベートでも半年前に女に逃げられていた。ハードな日々を生きる彼の奮闘を、神様は見てくれているやいなや……。サラリーマンに元気をくれる傑作長編小説!  暫く重松ワールドにドップリ浸っていた僕としては、荻原浩のこの本を読んで異世界に飛び込んだ感じでした 異世界... [続きを読む]

受信: 2007年9月26日 (水) 12:05

« ■雑談:今日から復活 | トップページ | 「風に舞いあがるビニールシート」 森絵都 »