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2006年8月 7日 (月)

「坊っちゃん」 夏目漱石

坊っちゃん 坊っちゃん

著者:夏目 漱石
販売元:岩波書店
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このユーモアセンス凄いよな~・・・といつも感嘆。
だってさ、何年前に書かれたと思う、50年以上前ですよ?
50年・・・そりゃ著作権も切れるさ。笑
お金の価値観さえ変わってなければ、新作でもいけますね。

江戸っ子で勇み肌の坊っちゃんが、ひょんな事から田舎の学校の先生になる話。
曲がった事が大嫌い、喧嘩っ早くて、だけど演説大嫌い。
そんな坊ちゃんは田舎の生活で、信用できない人間関係の中で空回りする。
自分自身は子供に教える教師の立場であり、
その上教師の中での上下の関係にも挟まれる、
そんな環境にいきなり放り込まれた真っ向人間はこうなるよ、みたいな。
人間は本来、悪い事は悪いし、正しい事は正しいと生きるべきだけど、
世の中の慣習や地域の枠組みの中に入ってしまうと、
一挙に考えるべき事が増えて、一体どれが正しいのか判らなくなってしまう。
だけどいくら自分が痛い目に遭おうと悪いヤツには制裁を。
と、言うのがコンセプトかな。
いや~一円五銭でさえも返しちゃう、そんな坊っちゃんの江戸の心意気が心地よい。
「この次は抜かさずに飛んで見せますと答えた」
まずは出だしのこの部分から、坊っちゃんの性格がよく判ります。
昔の江戸っ子ってこんな坊っちゃんのような感じだったんでしょうかね。
そしてやっぱり一番の見所は、最後の赤シャツと野だを懲らしめる所。
あの生卵はたまりません、なんたって食べようと思っていたのに投げちゃう。
悪党を懲らしめた感がたっぷりで大満足でした。笑
それにあだ名が面白い。
果たして50年前からこんな面白いこと考えられるものなのでしょうか・・・。
赤シャツだの山嵐だの狸だのって。
あだ名にする事に滑稽さが増すし、やっぱりキャラクターを想像しやすい。
正直すぎて疑う事を知らず、すぐ馬鹿をみる坊ちゃんも、
清の登場で心のやさしい部分もしっかり表現されている。
さすがはさすが、夏目さん。
この時代、語り手が主人公って珍しかったんじゃないだろうか・・・。
(夏目さんと川端さん位しか読まないから、何ともいえませんけども;)
「こころ」とは違った面白さ、コミカル重視の超名作、是非一度は。

*90

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コメント

こんにちは。またまたTBさせていただきました。
「坊っちゃん」、本当に痛快で楽しい小説ですよね。
最初、この本を図書館で借りて済まそうかとも思っていたんですが、
「この次は抜かさずに飛んで見せますと答えた」
というところを読んで、こりゃ買うしかないわ、と思い買いました(^-^)
“名作”というとなんとなく読みにくそうなイメージがあるけれど
「坊っちゃん」はそんなものすごい勢いで吹き飛ばしてくれますね(笑)。

投稿: ふぇるまーた | 2006年9月 1日 (金) 15:35

こんばんわ、TB&コメントありがとうございます!!
「坊っちゃん」いいですよねぇ・・・うっとり。笑
「この次は抜かさずに飛んで見せますと答えた」
本当、この文章で私もビビビ!ときましたよ。
あの論文とかの堅苦しい夏目さんのイメージを面白いくらいに壊してくれて。
坊っちゃんの潔さが爽快で何とも言えません・・・!
私は割と硬い文章が好きなので、夏目さんとか名作系も読むのですが、
結構皆さん「名作=読みづらい」と思ってる方多いのを知ってビックリでした。
「こころ」「坊っちゃん」「我輩は猫である」「舞姫」「伊豆の踊り子」
らへんは読んでみて損は無いと思います、是非是非。

投稿: るい | 2006年9月 4日 (月) 00:38

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» 「坊っちゃん」 夏目漱石 [徒然ノート]
とても面白かった。坊っちゃんの真っ直ぐで単純な性格がすごく良いなぁと思う。どんな [続きを読む]

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» 坊っちゃん [縦書き図書館]
「坊っちゃん」を縦書きで!。 [続きを読む]

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