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2006年7月31日 (月)

「夏と花火と私の死体」 乙一

夏と花火と私の死体 夏と花火と私の死体

著者:乙一
販売元:集英社
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すごい・・・。
それしか言いようが無いよ?だって16歳で書いたんでしょう?!
あぁその才能を耳掻き一さじ分けてもらいたい。
本当、乙一さんの頭の中覗いてみたいですね。

殺された私の死体を、私の好きな健君と、
その妹弥生ちゃんが、必死に隠し通す様子を、死体の私が淡々と語る話。
「え?主人公死んじゃうの?」
って早くも20P辺りで衝撃を受ける。笑
その後主人公「死体になった私」が主体となり話が進みますが、
まさかそんな出だしで始まるなんて奇想天外な事予想もつかない。
「わたしが腐って臭いだす」って文があるんですが、思わず鳥肌立ちました。
2人の兄弟は私の死体を見つからないように試行錯誤するのですが、
その隠し場所が(例えば押入れとか)ものっ凄く現実的で怖い。
そしてそもそも、2人の兄弟が死体を隠そうとする行為も、
人の良心からくる残酷な行動であって、その上子供の無邪気さが加わる・・・
そこをピンポイントで突いてくる乙一さん、あなたが怖いと言ってあげたい。笑
表題にもされている、花火のシーンはドキドキもの。
2人は死体を抱えて花火の会場を駆け抜ける。
話の主体は「死体の私」が語っているから、2人を憎むべきはずなのに、
いつの間にか罪悪感が無くなり、兄弟が死体を早く隠してしまえばいい
と思わせるような記述に惑わされ、恐ろしい。
登場人物が少ないから、大体ストーリーは読めるのですが、
まさかこんな繋がりがあって、あなたがあの事件の犯人でしたか、みたいな。
うん、まさに乙一さんの表現力の賜物。

文庫では短編が後ろに付いてますが、そっちも結構好きです。
よく読んでいないと、「え?どっちが間違ってたの?」と言いたくなる。笑
日本人形って怖いなぁ・・・とか再認識、なんて。

乙一さんの怖さをどうぞたっぷり味わいたい方に。

*90

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{{{<NATSU TO HANABI TO WATASHI NO SHITAI>}}} ===== 乙一/著                                                        幡地英明/イラスト ===== [[attached(1,left)]]  @ジャンプジェイブックス  集英社 1996年10月9日 第1刷発行 ==== 夏と花火と私の死体 ====  表紙絵と導入部前の『スペシャルコミック・プロローグ』の '..... [続きを読む]

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