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2006年7月27日 (木)

「スキップ」 北村薫

スキップ スキップ

著者:北村 薫
販売元:新潮社
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北村さんの中で一番好き「スキップ」。
これは是非とも高校生の時に読んで欲しい・・・!!
そんな本ナンバー1。
あぁ私ももうちょっと早く読んでおけばよかったと後悔・後悔。笑
それにしても、北村さんの文章は女性っぽいです。
女の人が書いてるみたい。そして若い女の子を描くのが上手いです。

女子高生・真理子が突然25年後(42歳)の自分にタイムスリップする話。
真理子は雨の学園祭を親友の池ちゃんと共に過ごしていた。
「来年があるよ。私達、まだ2年だもの」
と池ちゃんはそう言ったけれど、真理子には来年は来なかった。
目が覚めた真理子は42歳一児の母で、学校の先生だった。
最初、この話を読んだ時、本当にぞっとしたのを覚えています。
だって目が覚めたら、母親と同じくらいの年になっているんですよ?
しかも娘が、自分と同じ歳・17歳。ちょっと泣けてきますよね。
昨日まで食卓を囲んでいた両親は、当然のことながらすでに死んでいる。
白黒だったテレビがカラーになって昭和が平成になっている。
その上、「タイムスリップしてきた」なんて周りの皆はなかなか信じてくれないのです。
こんなに真理子は絶望を感じでも、決して泣いてはいけない・・・
泣いてしまったら自分の存在を否定してしまう様だから。
その切なさが、たまりませんでした。
不意に振り返れば、25年前の面影がチラリと見えて、
「瞬間、池ちゃんの《どうだい》という顔が目に浮かんだ」
もう、泣けちゃいますよねぇ。池ちゃんの記述が出てくるたび泣けました。
後半になるにつれ、真理子は徐々に42歳の自分になる覚悟が見え始めるのですが
少々簡単に過去に戻るのを諦めるのが早い気がする(いや、実際帰れないのですけど
真理子の性格上なのかも知れませんが、とっても前向きで結構天晴れ。
でもそう考えていると、どういうわけか17歳の真理子が42歳になったのではなく、
42歳の真理子が25年を失くしてしまったのかな、と思ますね。
あ、そうそう新田君に恋しちゃう(されちゃう?)ところは良かったと思います。
でももう覚悟を決めちゃったから、好きにはなれないと拒否する切なさ。
まぁ旦那さんもいるけど、でも多分17歳の真理子に会っていたら、
きっと恋に落ちてたんだろうな、って思うと悲しいですね。
そんなやり切れない気持ちを沢山抱えた真理子の気持ち、
多分高校生の時に読むと凄くよく伝わってくると思います。
是非・是非、高校生の時に。
でも裏返せば一児の母になってから読むのもいいかな、なんて。

*80

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コメント

私も北村薫さんの作品の中で「スキップ」いちばん好きです。

北村さんの文体は女性的で、男性とは思えないほど女の子の気持ちがよくわかりますよね。私が読んだときは北村薫さんは高校で教師をやりながら覆面作家として、プロフィールを全く公表していなかったんです。だから絶対女性だと思っていました。

私も自分が母親になってからまた再読したいと思っています。

投稿: hukujyusou0122 | 2006年8月 6日 (日) 12:49

コメントありがとうございます!
私もです、「スキップ」の後、「ターン」→「リセット」、
あと「冬のオペラ」なんかも読みましたけど、やっぱり「スキップ」が一番!!
いいですよねぇ、私は女子高だったので、
かなり親近感を持って読めたということもあって、特にお気に入りです。
本当、女の人みたいですよね文章が。
覆面だったんですか!知らなかったです・・・!!
私は「薫」なんて名前だから、てっきり女性だと思って「スキップ」を読み終え、
カバーの写真を見てビックリ仰天、「え?男の人?!」と話よりも驚きました。笑
こんな文章を書けるなんて、女性の気持ちを凄く理解してるんでしょうねぇ。

私も母親になってから読んで、子供にも薦めたいです。

投稿: るい | 2006年8月 7日 (月) 01:59

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