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2006年7月25日 (火)

「死にぞこないの青」 乙一

死にぞこないの青 死にぞこないの青

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書き下ろしの乙一さん。「何でも好きなの書いてください」
と言われて書かれたそうですが、ちょっと私的に意外なストーリーかと。
勿論、節々は乙一さんなのですが、「これが書きたかった物なのか」
と深く考えると、何となく「へぇ・・・そうなのか」みたいな感嘆。笑

「まわりの人が自分のことをどう評価しているか、怖くないんですか?」
って言う事が最後の方に出てきますが、まさにこの本のコンセプト。
いますよねぇ、自分をよく見せるために人を貶す人。
その卑劣さと、凶暴さがしっかり伝わってくる文章で、
読んでるこっちが怖くなるようでした。
だってあまりにも現実味を帯びてるもんだから、
「あぁ確かに先生がこう言ったら皆そう思うよね」とか納得しちゃって。
しかし乙一さんは子供を書くのが上手いなぁと思います。
登場人物の目線がちゃんとその年齢に合って書かれているので、しっくりきます。
そして子供ながらに他人がどう思っているのか気になる様子とかも上手い。
あと僕とアオとのやりとりが好きでした。
アオは自分の一部だと気づきながらも、いけない事を企てようとするアオを
必死に制す様子であるところとか、弱虫な自分を叩き直すところが、
自分の悪態をアオに具現化することによって、より判りやすく描かれています。
最後の章ではなぜ先生に止めを刺さないのかと憤慨でしたが、(笑
まぁ復活してきて今度は神様のように崇めてもらおうじゃないか、
なんて私だったら思っちゃいますよね、なんて。冗談です。
「いつだって加害者は、被害者ほど事件重大に受けとめていないものなのだから」
ごもっとも、ごもっとも。
多分最終的には乙一さんはこれが言いたかったのではないだろうか、と思った。
うん、でも何となくだけど、昔こんな経験があったのかなぁ?
とも少し心配してしまいましたけども。笑
小学校時代を思い出しながら読める本、暗いけど。いじめの本だけど・・・。
子供の頃を考えて読むと「あぁ確かに」と納得できます。
どうぞ遠い過去を振り返りたい時に。

*75

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コメント

さっき、一気に読みました。ぜんぜん知らない作家だったんだけど、本屋で見た題名に惹かれて。久々に何か他の世界にズゥーンと浸れたなぁ。ちょっとオドロオドロシイ世界だけど、読み終わって、すごく単純に、いいたいことが伝わってくるというか、意外性のある話じゃないけど、そんなの変!とかいう不満もなく、めっちゃ綺麗にきちんと吸収してしまえた。また他の作品も早くよまねばぁー!

投稿: グーチョキ | 2006年11月22日 (水) 12:58

初めましてグーチョキさん、コメントありがとうございます。

乙一さん初だったんですね、気に入った作家さんが見つかって何よりです。
乙一さんの著書ですと、やはりお薦めは「GOTH」と
「夏と花火と私の死体」ですね。グロいですが;
あとは短編集「ZOO1」「ZOO2」もいいですよ、
短編としては集大成と言ってもおかしくないかもしれません。
乙一さんは少年少女の心理描写が上手く、
話にぐいぐい引き込んでくれますよね、私も好きな作家さんの一人です。
是非他の作品もお読みになってみてくださいね。

投稿: るい | 2006年11月23日 (木) 11:50

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