« 【映画】劇場版トリック2 | トップページ | 「失はれる物語」 乙一 »

2006年7月10日 (月)

「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」 村上春樹

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉

■世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド * 村上春樹著

いやぁ春樹さんって只者じゃない・・・!!と再確認した本。
素敵、認識と構造のシステムをここまで練った話に出来るなんて。
驚愕の作品。きっと読み始めると続きが気になって仕方が無い本。

シャッフリング。
いやぁ脳構造をそんな物に見立てるなんて思いもつかない。
人間の脳って視覚の力を利用して、自分の周りにあるものを
「認識」してるわけですが、その認識している
「構造」を見る事は決して出来ないわけで。
現段階の人間では脳の構造と言うかメカニズムを、
はっきり知ることが出来ないわけで、そのもどかしさ、と言うか、
この先中途半端に世界が発展しちゃったら、こんなになっちゃうんじゃない?
みたいなちょっとしたジョークな暗示もあったような。
だって頭の中で勝手にジャンクションBに繋がって意識がなくなるんですよ。
怖い怖い。
そしていつもよりさらにハードボイルドな主人公が素敵。
(珍しく一人称が「私」だった。変なところで感激。)
この作品の場合ハードボイルドは構造にもかけられてますけども。
人の感情に揺れ動くことなく(と言うか無視)、進みますからジャンクション。
ひとつ気になったのは、「しかしあんたはその世界で、
あんたがここで失ったものをとりもどすことができるでしょう」
って博士が言うところですが、失ったものって具体的に何・・・?!
ダイレクトにいくと、世界の終わりにいる僕が読む頭骨ですけど。
多分違う気がする。心が無い相手さえも好きになる感情?
影をちぎり取られて感情を失いながら、規則的で厳格な毎日を永遠に送ること?
でも影居なくなっちゃうし・・・じゃあ閉鎖的な世界で僕自身を焼き続ける事?
うーん。まだ読み足りないみたい。
また時間がある時に読み直ししよう。でも長いのよね、これ。
感想後で書き換えるかも。
読み応えはたっぷりあるので是非とも一読下さい。
2つの世界の絶妙な接点にワクワクしながら読めます☆

*98

|

« 【映画】劇場版トリック2 | トップページ | 「失はれる物語」 乙一 »

コメント

るいさん、こんちは~^^
コメント&TB返し、ありがとうございました^^
とても博学な方のようですネ。
僕のブログの方にも書きましたが、溺愛なさっている村上春樹さんを批判している記事をトラバさせてもらって恐縮しております。それも幾つも^^;
僕は、この「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」は、他の村上作品と少しおもむきが異なるように理解しております。

話は変わって、僕は、単なる紹介ではなくて批評みたいな事が出来ないかなあと考えております。
図書館にも「文芸批評で定番の本は、ないでしょうか?」と相談した事があるのですが答えてくれませんでした。
雑誌も探したのですが、どうもいいのがないなあというのが僕の印象です。
そこで、るいさんにご相談なのですが、文学評論でいい本があればご紹介していただけないでしょうか?
現代思想では、ロマン・バルトあたりでしょうか。

シネマの方ともども、これからもよろしくお願いします。
長文、失礼いたしました。

投稿: アッシュ | 2006年7月15日 (土) 11:59

こんにちわ、アッシュさん!コメントありがとうございますv
博学だ何て・・・!!とんでもないですよ;
ただ哲学の本を読むのが好きなだけなので、他の知識は薄いです。
実は春樹さんは私の読書好きになった原因?とも言える作家だったりします。
「海辺のカフカ」を初めて読んだ時、こんな素敵な文章があったのか!と感激し、もっと早く本に目覚めておけばよかった、と思いました(笑)。でも正直その時は哲学の知識がなく、ストーリーの内容は不思議な物語だ、位にしか考えてませんでした。最近になって、構造とシステム等の哲学的考え方について、詳しく知る機会があり、文章のみならず物語にはこんな比喩も含まれていたのかと再読し、改めて春樹さんを好きになりました。「世界の終り~」はソシュール、と言うよりはピアジェだと思います。彼の本の中には認識や構造、システム、幻想と事実、等の言葉が頻繁に使われ、話の中で意味している事も擬似していると思いますよ。機会がありましたら読んでみて下さいね。

批評ですか・・・
「文学評論」て夏目漱石の講義論文くらいしか思いつきませんが。笑
確かそれって海外に対した批評だった気もしますね・・・。
後は・・・書評になってしまいますが、月刊「群像」の書評でしょうか。
大抵毎月6~7冊評されてますが、他の雑誌より若干辛口な気もします。
でも一人の方が評してる分けではないので、バラつきはありますけども。
↑にも書いた通りかなり偏っているので、他の物はちょっと判りかねます;
ご希望に添えずすみませんが、参考までにご覧頂ければ嬉しいです。

投稿: るい | 2006年7月15日 (土) 12:45

 こんばんは♪
 またまたTBさせていただきました。
 よろしくお願いします◎

 設定はシュールだったけど、
 実はすごく人間臭い部分を描いていたように思いました。

投稿: miyukichi | 2006年8月 3日 (木) 23:14

TB&コメントありがとうございました!!
「世界の終り~」読まれたのですね!!
そうですねぇ人間臭い部分満載でしたね、
ヤミクロたる悪に必要以上に恐れるところとか。
もどかしいけど決して見ることの出来ない脳内構造だとか。
春樹さんはピアジェの領域を完璧に読み取っていて凄いなぁと感嘆でした。
あと世界の終りも極限に人間味のなくなった世界(?)
感情の無い世界のようでとても切なかったですね。

ではこちらからもTBさせて頂きますね、よろしくお願いします。

投稿: るい | 2006年8月 4日 (金) 00:48

こんにちはー。
kobaです。

村上春樹の話を消化できる人はすごいと思います。
自分は読んでも消化不良に陥ります。

これは高校のとき読みましたが、よくわからずに読んでいた記憶があります。
あー、話が絡んできたなぁ、と思ったらぱたぱたっと終わってしまった印象が。
ラストで一緒に逃げると勝手に思い込んでいたのでダメージ大でした。
単細胞なので頭を使う本は読めないようです。

昔の記憶を手繰り寄せただけで書いたので、とてもアバウトです。申し訳ない。
同じ学科に春樹好きが居るそうなので、今度色々聞いてみようとおもう。

ちなみに母校の数学のK先生は春樹解説のプロフェッショナルですよ。

投稿: koba | 2006年8月19日 (土) 23:09

こんばんわ~、kobaちゃんコメントどうもです!
ハルキストと言いたいけど、言えない。そんな感じに曖昧です。
いや、もちほん凄く好きなんだけどさ。
意味をきちんと理解しているとは到底思えない。
結構消化不良もあるし、3回目くらいで「あぁなるほど」発見もあるし。
でも不思議と内容を忘れないのが凄いんですよ、春樹さんパワー。
まぁ細かい事はあれですけど、話の筋って言うかね。

>話が絡んできたなぁ、と思ったらぱたぱたっと
うん、私もそんな感じした・・・。
むしろあの2つの世界がくっつくんじゃないか、と思っていたので、
「私」と「僕」の接点について読み終わってから考えましたよ。
私がこの本に賞賛するのは、哲学の世界をもっさり盛り込んでるところです。
ちょうど学校のくだらない哲学の授業で、
「脳内のシステムと構造」について教授が熱く語ってまして。
でもさっぱり教授言ってる意味が判らなかったんだけど、
たまたま春樹さんのこの本を同時期に読んでて、
「あぁ教授はこれを言いたかったのか」と納得したものです。
だから・・・と言っちゃ直結過ぎるけども、
まぁそんな感じでこの本は凄いのです。
むしろ使えない教授の本は捨てて、教書に昇格させた方がいい。
そんな感じです。

ごめん、脳内ジャンクションがG位に来てて思い出せないんだけど・・・。
K先生ってだれだっけ?K・・・?K・・・?いたかKなんて。
S滝先生とT木先生くらいしか数学で思い出せない。

投稿: るい | 2006年8月20日 (日) 02:39

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/126354/2600177

この記事へのトラックバック一覧です: 「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」 村上春樹:

» 村上春樹作品の紹介 [本が好き・・・]
僕は村上春樹作品の目ぼしいものは読んでいます。 初めて読んだ村上春樹の作品は、やはりというか話題になった「ノルウェーの森」でした。 しかし、あまり面白いとは思わなかったので、村上春樹に対 する興味は失せました。 ノルウェイの森 上 村上 春樹 (注)購入を検討の方は画像をクリックしてください!... [続きを読む]

受信: 2006年7月15日 (土) 03:51

» 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド [miyukichin' mu*me*mo*]
 村上春樹 :著   『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』    細かな字でびっしりと600頁の、大作です。{/star/}  「世界の終り」と「ハードボイルド・ワンダーランド」と、  2つの世界での進行が、交互に描かれます。  全然別の世界に見える2つが、思いもしなかった形で結びつき、  やがて融合へと向かうかにみえたのですが――。  “春樹歴”の浅い私が、今さら評価するまでもない... [続きを読む]

受信: 2006年8月 3日 (木) 23:12

« 【映画】劇場版トリック2 | トップページ | 「失はれる物語」 乙一 »