5/8つばき@『流れ星をあげる2009』ワンマンツアーin大阪Shangri-La
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建てて、いい? 著者:中島 たい子 |
アラウンドフォーティ。一人身の私は、階段から落ちた事をきっかけに、
男を見つけることにした。一階に住めば、凍った階段で滑り落ちる
こともないだろう。女はなぜ二階に住まうのか?
骨折した腕を見ながら考える。結婚すれば、アパートの二階に
住まなくていいと考えていたが、女だって一階に住んでもいいではないか。
現に一戸建ての家なんて、一階に子どもも女もみな住まうではないか。
アパートやマンションと一戸建ての違い。それは、壁と壁の間に、
空間があるかどうかではないだろうか。一枚隔てた誰かの隣ではなく、
自分だけの核のような場所。私は家を建てたいと思い始める。
何だかこう、手取り足取り教えられる感じが、
まるでモデルルームを見に来た客のような感覚を引き起こされて、
自分が家を建てるかのような気持ちで読むことが出来る。
それはいい意味でも、悪い意味でも。丁寧すぎる、と言う点で。
そうだなぁ、住宅展示場とかで、こういうのもっとプッシュしたら、
画期的なのかもね、と思う。今までなかった盲点と言えばそうだけど、
今の日本では金銭的に現実的ではないのだから発展していないわけで、
皮肉、と言えなくもないだろうけど。主人公は女性だが、
なぜ独身女は家を建ててはいけないのか?という疑問から、
マンションやアパートと一戸建ての家の違いに気づいてゆく。
一戸建てっていいよね。周りに誰もいないし、自分専用の
こだわりをもって作ることが出来るしね。自分の『居場所』だ。
途中からは、ちょっと一戸建ての家に住んでみたいかも、
なんて気分になって、自分も建てられるかしら、と思っている私がいた。
変わり者の主人公だが、その気持ちがよく分かる。
個人的なことだが、私の友人の思考回路に考え方がとてもよく似ていて
その気持ちはよく分かるのだが、結局私はそうしないだろう、
と思ってしまう部分があって、なんだかなぁ、と思ったところもあった。
一番は、物語にはゴディバのチョコを食べたり、高級な皿が出てきたり、
両親が土地をくれたり、と、さり気なく気取っている部分がある。
「お金のない私でも建てられるかしら?」とか言っているが、
本当にお金のない人は、ゴディバのチョコなんか食べられないし、
高級な皿なんて持っていないし、土地なんてないのだ。
そういう人間が、多分日本の半分以上を占めているから、
こんな風に建築文化が進まないわけで、根本的に「家」というものを
安くするとか、土地が安くなるとか、そうしないと元の解決には
ならないような気がするのだった。だから、お金のない人間が読めば、
なんだこの皮肉は、と思ってしまうのではないか、と思った。
あと、この本で「女性は」と強調されているけれど、
独身男性であっても、一人で家を立てる人は、そうそういないんじゃ
ないだろうか、とか思ってもみたりして。揚げ足かなぁ。
「住宅」というものについて、違った視線で見たいときにはいいかも。
その視点、面白かった。そして自分もどこかでそう思っていた気がした。
★★★★☆*87
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あらすじは小説の方引用してます。さて、はい、行って来ました仙台。
うっかり舞台挨拶付き鑑賞券のページを見つけてしまい、うっかり
予約したら席が取れてしまったため、うっかり仙台まで観に行ってきました。
うっかり過ぎるよね。最近本当私うっかり過ぎると思うんだ。
28年前に起きた連続強姦魔事件。
その被害者のうちの一人が私の母親で、その時出来た子供が弟・春だった。
父親と血を分けていない春は、外見が似ているはずもなく、
また両親や私の持ち得なかった絵画の才能にも恵まれている。
そんな自分と家族との差に気づき始めてから、春は必要に「性」を憎んでいた。
どうしたら犯してしまった人間の汚らわしい性を納得できるのだろうか。
どうしたら纏わりつく邪悪な遺伝子を拭い去ることが出来るだろうか。
私がそう考えている頃、奇妙な連続放火事件が発生した。
結果、よい映画でした。『重力ピエロ』という物語を作るに当たって、
これ以上にないキャストに恵まれた映画であったと思う。
あぁ、本当にみんな『重力ピエロ』が好きなんだ、っていう感じ。
だから、これはもう映画の善し悪しではなく、出来上がった
映像の『重力ピエロ』を楽しむべきなんだと思った。
だって、文字が、映像になったんだよ?凄いことだよね、と思う。
もちろん、何かイメージと違うと言う部分は多々あったけど、
でもそこに描かれているのは、伊坂さんの『重力ピエロ』だった。
一番良かったシーンは、犯人を撲殺するシーンだ。
とても物騒なシーンであるけど、バットを片手に躊躇している春が、
後ろを振り返り兄を見つけたときの微笑み。それが最高だった。
そのシーンにセリフはないのだが「やっぱジョーダンバッドには
兄貴がいなくちゃいけないんだよ」ってそんな言葉が聞こえそうだった。
この映画について、兄弟愛の描き方は抜群に良かった。
何と言っても回想シーンや昔の写真で、出てくる子役たちが可愛い。
それに本当に仲の良い兄弟のようだった。演技とは思えない親密感。
これがあったからこそ、加瀬亮と岡田君の演技が生きたように思う。
あと小説でも推されていた、「おまえは俺に似て、嘘が下手だ」と
「本当に深刻なことは陽気に伝えるべきなんだよ」という、
あの伊坂さんの伝えたいことが、ちょっとわざとらしく、
しかし、上手く描かれていたと思う。
残念だったのは、話し言葉が若干堅苦しいことと、
事件的な面白みが兄弟内で解決してしまっていること。
言葉が堅苦しいのはね、ちょっと脚本さんどうにかしてよって感じ。
事件的な面白みは、でもこちらを強調すると兄弟愛が希薄になって
しまったのかな、と考えると仕方がないような気もする。
さすが仙台で観ただけあって、建物が映るたび「あれ、あそこじゃない?」
とか、こそこそ会話しているのが聞こえた。いいな、そういうの。
私も自分の家の近くでやって欲しい。ねぇ、そう思いませんか?
仙台の人にとても愛されている映画だと分かりました。
★★★★☆*88
舞台挨拶は、加瀬亮と相澤さんという脚本家さんでした。
加瀬亮を見に行ったんですが、緊張しぃなのか、
話がぐるぐるしたりして、何言ってるのか
よく分からないとことかありました。笑
もっさりヘアの泉水でしたが、加瀬亮はさっぱりした髪型に
なってました。また何か映画出るんかなぁ、とか。
そう言えば、入り口でサイン入り写真を貰いました。
加瀬亮と岡田君と、森田監督のサインが入っていました。
しかしたぶんサインしてからプリント焼き増ししてると思う。
直筆っちゃ直筆だけど、生ではありません。
私は加瀬亮のサインがあんまりシンプルなんで、ツボにはまりました。
あとで写真載せようかな。余談ですが加瀬亮は誕生日が一日違いです。笑
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瓶詰の地獄 (角川文庫) 著者:夢野 久作 |
「一足お先に」
右の膝小僧の辺りが痛み出したような気がして、私はビクリと目を覚ました。
何かを突き刺したような、鋭い痛みだったのだ。ハッとして
右足のあるべきあたりを手で探し回ったが、そこに右足はなかった。
私は数日前の手術で、右足の付け根から下を切断した。
そのことをすっかり忘れていたのだった。しかし、今確かに右足が痛んだ。
同じように足を切断した男は、そんなことはよくある話なのだ、と言った。
なにやら右足の神経は背中のあたりに繋がっており、足を切ってもまだ、
神経はそこに足があると思い込んでいるらしい。だから夢の中で、
うっかり足があるつもりの自分を見たとしても、少しもおかしくないのだと。
私は少しの動揺を抱えながらまた眠りに着いた。片足で走り回り、
女を殺す夢だった。そして起きた時、同じ病院内の女が死んでいた。
殺したのは私なのだろうか?
「ドグラマグラ」を先に読んでいるので、短編集と途中で知り、
ちょっと残念に思った。がっつりヘビー級を期待していたので、
なんだーと思ったのだ。しかし、読んでみて大満足。
短編でありながら旨みをぎゅっと凝縮したこの面白さ。
さすが何物にも代えられない魅力があるなと感じた。
特にその「ドグラマグラ」的な面白さがあったのは「一足お先に」だった。
足を切断した過去に闇を抱える主人公が、寝ている間に幻覚に襲われ、
怖ろしい夢を見る。夢の中で、自分は人を殺しているのだ。
そしてハッと我に返り目覚めてみると、先ほど夢だと思っていたものが、
実は現実に起きていたようで、病院内で女性が死んでいる。
病院の医者までもが、お前が犯人だろう?と言ってくるのだが、
しかし自分は夢を見ていただけのはずであり、自分がやった、
という証拠は何一つないのだ。自分が目覚める前に、この医者までもが
グルになり、自分を犯人に仕立て上げたのではないか?
という怖ろしい考えに行き着き、けれどやはり自分が犯人だと、
思い出す様子が、とてもリアルに描かれている。
それはそれは怖ろしいほど細かく書いてくれるので、
その楽しげな「狂気」に怯み、けれど凝視してしまうような、
怖い物みたさをうまく利用した作品であると思う。
そしてこの話に出てくる、一瞬自分を見失った時に、何かが起こっており、
「これはお前がやったんだ」と言われるがピンと来ない、
そして罪を着せられる。そんな真骨頂が「ドグラマグラ」だった。
あれはすごいね、と時間がたった今でも思う。もう一回読もうかなぁ、
時間があったらまた読もうと思う。それとこの本の目玉は、
「死後の恋」という話だとされている。うさんくさい宝石話を語る
男の話なのだが、聞き手はいつしか話にのめり込み、
ただでくれると言うその宝石をいらないと言ってしまう話だ。
どれをとっても面白かった。これもまた読もうと思う。
★★★★☆*90
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聖女の救済 著者:東野 圭吾 |
一人の男が自宅で毒を飲み死亡した。
自殺かと考えられたが、彼の日常的な行動から考えると
毒殺されたと考える方が妥当だった。容疑者は妻と愛人の二人。
しかし男が死んだ時、離婚を切り出されていた妻は北海道におり、
殺害することは不可能。そして離婚の原因となった愛人もまた、
これから新生活を送ろうと言うのに殺す動機がなかった。
他殺であることは分かっているのに、毒を仕込んだ方法が分からない。
究極のトリックが、湯川の前に立ちはだかる。
問題なのは、これでは読者は謎を解くことが出来ない、と言うことと、
映像化された後に書かれたものなので、描写が少ないこと。
始めに描写が少ない、と言う点はと言うと、
この巻から、内海薫(柴咲コウの役)という女刑事が現れるのだが、
彼女の描写が非常に乏しい。湯川や草薙は、今までの巻で散々
紹介されてきているが、このキャラはもうすでにそこにいて当たり前、
ドラマ観たでしょ?みたいな扱いになっていて、ちょっと残念。
やっぱり説明は入れるべきだろうな。そもそも想定外な
登場なのだとしても。一人増やすのは大変なのかもしれないけどね。
あともう一つは読者は謎を解くことが出来ない、というとこ。
これはヒントがなさすぎることがまず原因。それとヒントがなさすぎる
ことによって最後のオチが大きすぎて、読者は想像できない落胆。
話の核、というかタイトルにもなっている重要な「聖女の救済」
という意味、これはとても面白いものだと思う。こうした
トリックを思いつくのは、やはり凄いと思うし、さすが東野さんと思う。
けれども東野さんの傾向として、最初に殺害シーンを書くから、
犯人はもうばればれ。その事件をいかに面白く推理し解決していくか、
が軸になっているわけで、でも今回はそのお披露目方法が、
ちょっとよくなかったような気がする。「まさかそんなことあるわけが!」
みたいな感じで湯川はひっぱりっぱなしだし、水に含まれた毒素の
濃度が微妙すぎて、犯人に白を切られたら終わりでは?と思うし、
解決前に、トリックに気づけた読者は本当に凄いよ、と私は思う。
しかし、この本はなかなか東野さんにとって新しい本であると思う。
それは物語に三角関係があるから。勿論今までもあったけれど、
1対2だったり、平等な存在価値ではなかった。今回は三人とも主人公。
何だか今後の物語が広がる気もするな、とちょっと期待。
★★★☆☆*86
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The MANZAI〈5〉 (ピュアフル文庫) 著者:あさの あつこ |
来年は高校生。中学生最後の年の正月、歩はみんなと初詣の約束をしていた。
みんなが集まると、そうかもう卒業なのだと言う気持ちが増してくる。
秋本の発案により来年もロミジュリを続ける羽目になった歩は
いつもながらボケにツッコミを返し歩いていると、
ひょんな事から酒樽に蹴躓き、階段から落ちる大惨事になってしまった。
挙句は病院に運ばれる始末。心配した母や友人の顔を見るうち、
歩は自分の置かれている環境のありがたさを実感する。
まず始めに感じた感想が、「まだ終らないのか……」であった。
そう思ってしまうのは結構マイナス要素のような気もする。
あさのさんの長編は、どことなく月刊漫画と似ていて、
「さて、次回どうなる?」みたいな状態で、毎回結末を先延ばしに
されているような感覚になるときがある。この本がまさにそれ。
決して面白くないわけではないし、馴染みのあるキャラクターで、
話も面白くなってきたところなのだが、唯一つ問題なのは、
結末が見えないところにある。あさのさんは日常の些細な事を、
細かく心理描写するのが上手い作家さんなので、
別段ストーリー上に問題がおきなくても、楽しむ事が出来る。
でも裏を返せば、平凡な毎日が描かれているわけで、
山も谷も浅いその物語に、「で、いつ終るの?」と思ってしまうのだった。
今回はその上、筆がこなれてきた感もあり、歩と秋本の描き方が怪しい。
仲がよいにもほどがあり、BL小説ですか?ぐらいの域に達している。
おまけに肝心の漫才はほぼなし。一体何を目指してるんだっけ?
と疑問を持ちつつ読了してしまい、あぁ、また一年お預けかぁ、とため息。
うーん、もしくは全巻で終ってから、一気に読んだ方がいいのかもな。
あさのさんの本は漫画のようにすいすい読めるから。
それは誰にも負けない長所であり、指示される大きな要点だと思う。
★★☆☆☆*75
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